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天野仁

離婚・男女問題・金融関連に強い弁護士

天野仁(あまのひとし) / 弁護士

弁護士法人ステラ

コラム

離婚後の養育の遅滞・未払いが発生した場合の対処法

2018年4月21日

テーマ:養育費

コラムカテゴリ:法律関連

子どもが社会人として自立するまでにかかる費用を養育費といいます。衣食住はもちろん、教育費、医療費など、子どもを育てるための全ての費用が含まれます。

親は子どもに対し、自分と同レベルの生活を保持させる義務があり、これは親権者にならなかった親も同じです。たとえ自身の生活に余力がなくとも支払義務はなくなりません。

夫から妻へ支払われる場合がほとんどですが、厚生労働省の調査では養育費を受け取っているのは、全体の2割程度というのが現実です。

離婚時の取り決めが鍵となる

慰謝料や財産分与は離婚時に一括して支払われる場合が多いのですが、養育費はその性質上、毎月の支払いとなるのが基本です。

離婚の時期によっては、長期間にわたる支払いとなるため、最初はきちんと支払われていたのに、次第に遅滞や未払いが生じるケースがあります。この場合の対処法は、離婚時にどういう取り決めをしたかによって変わってきますが、まずは、相手と連絡をとり、催促や話し合いをすることとなります。

相手が応じない場合の法的処置

協議離婚で、養育費の支払いが口約束だけだった場合、法的手段はとれません。

裁判所に調停を申し立てることからはじめ、養育費について正式な取り決めを行わなくてはなりません。その上で、支払が滞った場合、ようやく履行命令や履行勧告の申し入れが可能となります。

一方、離婚の際に強制執行認諾約款付公正証書を交わしている場合は、地方裁判所に強制執行の申し立てをし、元夫の財産を差し押さえることができます。対象は預貯金や不動産、または給与の天引きという形で差し押さえることもできます。2004年4月からは、1回手続きをすると、将来のぶんの差し押さえも可能となっています。

履行勧告と履行命令

調停離婚、裁判離婚の場合、調書や判決書に養育費についての取り決めが記載されていれば、履行勧告・離婚命令を申し立てることができます。

履行勧告とは、家庭裁判所が養育費の支払い状況を調査し、相手に支払うように勧告することです。この方法は手続きが簡単で手数料もかかりませんが、強制力はありません。履行勧告で解決しなければ期間を定めて履行命令を出します。こちらも強制力はありませんが、従わなければ10万円以下の制裁金が科せられます。ただし、これは国が徴収するもので、養育費に充当することはできません。

それでも支払状況が改善されない場合は、先に挙げた強制執行で財産を差し押さえることになります。

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