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藤森哲也

生涯パートナーを目指す次代の不動産コンサルタント

藤森哲也(ふじもりてつや)

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コラム

不動産売買 トラブル相談例⑪【周辺環境の告知義務について】

2014年11月10日 / 2014年12月7日更新

先日、以下のようなご相談がありましたので、参考に紹介させていただきます。

『現在、購入申し込みを出している土地があり、今週末に契約予定です。購入申込後、その土地から徒歩10分の距離に、刑務所ができることを知りました(来年着工)。
 仲介の不動産業者に重要事項の告知事項について何かあるかと尋ねた際には「特になし」との回答でした。
そこで質問ですが、
この場合は、説明責任義務違反に当たるのでしょうか。』

説明責任義務違反とはならないと判断されると思います。



 今回の刑務所のような施設は一般的には「嫌悪施設」と呼ばれるもので、ゴミ焼却場、火葬場、ガスタンク、下水処理場、変電所、発電所、騒音・大気汚染・土壌汚染・悪臭・振動等を発生させる工場、危険物を取扱う工場、高圧線鉄塔、墓地、ガソリンスタンド、養豚・養鶏場、その他住宅地のイメージを損なう施設(パチンコ店、風俗店など)なども該当します。

 不動産の契約時に、必ず説明を受ける売買契約書や重要事項説明書は、最低限説明しなくてはならない事項については宅地建物取引業法に定められているため、記載されていますが、周辺環境の記載については明確にされておりません。

 周辺環境について、「何が説明するべき施設に該当するのか?」といった明確な定義はなく、さらに、その範囲についての基準もありません。
 宅地建物取引業法でも、「契約の締結の判断に影響を及ぼす事項」については説明する義務があるとされているのみです。
 あくまでも説明をする側が主観的に説明するべき施設かどうかの判断をせざるを得ないのが現状となっています。

 誰が見てもすぐに気付くような嫌悪施設であれば、たいていはその存在について説明を受けるはずですが、現状にはないもの、これからできるもの、将来について情報を記載するのか否かは不動産業者によってもまちまちです。

 今回の場合は、重要事項の告知について説明がなかったとのことですが、前述のとおりその判断は各不動産業者に委ねられているのが現状です。


 これから何十年も住むことを検討している土地の周辺環境を気にすることは、至極当然なことです。

 例えば、近くにあった空き地に大きなマンションができたり、平屋だったお隣の建物が建て替えで高い建物になったりもします。
 当然のことながら自分以外の、第三者が所有する土地の利用方法は、その土地の所有者に委ねられるため、何が起こっても不思議はないのです。(もちろん、法律の範囲内での話しですが。)

 不動産の購入前にできることとしては、できるだけ、現地を見て回ることがいえます。
 『百聞は一見にしかず。』とはよく言われる言葉ですが、地図にはない情報が現地にはある可能性があります。

 また、インターネットで分かる情報もあります。
 これからできる予定の道路、公園、学校、図書館、市区町村役場、警察署、消防署などの公共施設は税金が投入されるという性格上、早い段階で情報が公開され、各行政機関のホームページなどで情報を得ることができます。

 その他の公共性の高いもの(民間病院、鉄道施設など)や大型マンション、ショッピングセンターの計画など、近隣の住環境に影響を及ぼす恐れのある比較的大きな施設の計画は、ネットで検索すると容易に見つかることがあります。

 ただ、これらも現在時点での情報ですので、何十年も先の情報は把握し切れない場合があります。

 なお、極力、近隣(どこまでを近隣とするかは個人差がありますが・・・。)に嫌悪施設ができるのを避けたいとのことであれば、建築基準法による用途地域(全12種類)のうち、第一種低層住居専用地域などの良好な住環境の維持に特化した地域であれば、たいていの嫌悪施設は法律上建築することができません。
 
 以上、ご参考まで。

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