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五井淳子

介護業界の人財育成・人事労務に特化した社会保険労務士

五井淳子(ごいじゅんこ)

アクティ労務管理事務所

コラム

Q:事業所の費用で資格を取った職員が、すぐに辞めちゃった!費用請求できる?   【介護 福祉】

人事 労務

2015年7月21日

A:原則として「返還」は難しいでしょう。
「金銭の貸与」という形での契約であれば可能ですが、
その場合でも当該契約に無理のないよう注意する必要があります。

職員の技術および能力の向上のため、
事業所が費用を負担して資格を取らせることがあります。

当該資格取得後、事業主の期待通りにその資格を活かして
職員が活躍してくれればよいのですが、すぐに辞めてしまう、
なんてこともよくあります。

では、かかった費用を返してもらうことはできるのでしょうか?

返還請求は法違反になる可能性も


平成7年の東京地裁判決に、このようなものがあります。

「病院が、看護師資格取得にかかる費用と生活費を支給し、
看護学校卒業後2年間勤務する誓約をしたが、1年で中途退職した。

これに対し、当該かかった費用を一定の方法で(例えば、直ちに、全額を)
返還させること等を求めたが、この誓約は単なる紳士協定に過ぎず、
たとえ合意があったとしても、退職そのものを妨げる部分には
法的拘束力はないとした」
【武谷病院事件 東京地判 平7.12.26】。

社内規定などで、上記のように資格取得後一定期間の就労を義務付けていたり、
費用の全額返還を謳っている場合もありますが、このような規定は
労働基準法第16条に定める「賠償予定の禁止」に違反する可能性があります。

「費用の貸与」にあたるかどうか


では、資格取得の費用をあくまでも事業主が「貸している」場合はどうでしょう?

「一定期間勤務したら、貸与した修学費用は免除。それ以外の場合は一括で返済」
といった内容の定めであれば、これは「労働契約」ではなく「金銭消費貸借契約」になるので、
労働基準法違反にはなりません。

ここで注意したいのは、本当に「金銭の貸付」になっているかどうかという点。

1.貸付申込みは従業員の自由意思?
2.費用の金額は合理的?
3.費用を返還すればいつでも退職できる?
4.費用免除までの勤務期間が不当に長くない?

これらを確認した上で、更に

・当該資格取得を事業所が強制していない?
・業務の遂行に、絶対に必要な資格じゃない?

といったことにも注意しておかないと、やはり法違反の可能性があります。






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