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五井淳子

介護業界の人財育成・人事労務に特化した社会保険労務士

五井淳子(ごいじゅんこ)

アクティ労務管理事務所

コラム

Q:ヘルパーが、利用者宅の物を壊してしまった!給料からその分引ける?  【介護 福祉】

人事 労務

2015年3月17日

A:一方的に損害賠償額を引くことは許されません。

訪問介護に伺った先で、ヘルパーさんがご利用者様のお宅の器物を
壊してしまった場合、それをヘルパーさんのお給料から弁償させることは
できるのでしょうか?

民法には、「使用者責任」という考え方があります。

「ある事業のために他人を使用する者は、
被用者がその事業の執行 について第三者に加えた
損害を賠償する責任を負う」(民法715条)

今回のケースは、ヘルパーさんがご利用者のお宅に伺って
仕事をしている最中に起こった事故ですから、その使用者である
指定居宅サービス事業者が損害賠償をすることになります。

「ヘルパー本人がやったことなのに、なぜ会社が責任を?」

と思われるかもしれません。

しかし、法律の世界では、

「会社は被用者(この場合ヘルパーさん)が働くことで
利益を上げているのだから、損害が発生した時もそれを
負担するべきだ(報償責任)」

「人を使っている以上、何らかの危険が発生する可能性があり、
それを支配している者はそこから生ずる権利侵害についての
責任を負うべきである(危険責任)」

といった考えにより、会社が責任を負うべきだとしています。

ヘルパー本人に求償もできるが…


その一方で、会社は、実際に損害賠償をしたかどうかを問わず、
当該ヘルパー本人に求償(損害賠償の負担を求めること)が
できるともされています。

但し、

「事業の性格や規模~労働者の業務内容や労働条件、勤務態度
~加害行為の予防や損失の分散についての使用者の配慮の程度
その他の事情に照らし~信義則上相当と認められる限度において、
労働者に対しその損害の賠償又は求償の請求ができる」
(茨城石炭商事件 最判昭和51.7.8)

という判例があるように、必ずしも全額をヘルパーさんに
求償出来るわけではありません。

また、当該発生した損害を、会社がヘルパーさんのお給料から
勝手に引き落とすことはできません。

ヘルパー本人が「自由な意思で」同意してお給料と相殺するのは違法とはされていませんが、
一度にたくさん引かれてしまうと、生活に支障が出る場合もありますので、
その金額や方法について、本人とよく話し合って決めるようにしましょう。
(なお、お給料から損害賠償の負担額を控除する場合には、
当該控除につき労使協定を結んでおく必要があります。)



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