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生産性向上に役立つ「セルフ・キャリアドック制度」

2017年11月12日 公開 / 2018年1月27日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: キャリアコンサルティング産業医 相談生産性向上 取り組み

前回のコラムでは人材開発支援助成金のご紹介をさせて頂きましたが、
今回は、その前提となるセルフ・キャリアドック制度について、詳しくご案内させて頂きます。

セルフ・キャリアドック制度とは


厚生労働省の資料では、

■セルフ・キャリアドック制度とは、
労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを、定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に提供する制度で、

■キャリアコンサルティングは、
労働者が主体的にキャリア・プラン(働き方や職業能力開発の目標や計画)を考え、それらに即して働こうとする意欲を高めるための相談 、

と記載されています。


表現を変えると、

「企業の人材育成ビジョンに基づき、
採用時や人事異動時、育児休業からの復職時といった効果的なタイミングで、
キャリアコンサルティングを受ける機会を整備・提供することで、

従業員のモチベーションアップや定着率向上などを図り、
結果として、企業の生産性向上にも寄与する効果が期待されるもの」

という言い方もできます。


セルフ・キャリアドックの「ドック」は、病院の人間ドックのドックと同じ意味で、
従業員に自身のキャリアの定期検診を受ける機会を提供するもので、
キャリアコンサルタントはキャリア形成の面における産業医のようなものとも言えるかもしれません。


セルフ・キャリアドック制度のメリット


◆労働者の仕事に対する主体性を向上
 自らキャリア・プランを考えることで、主体的に仕事や職業能力開発に取り組む意識が高まります。

◆新規採用社員の定着の支援
 キャリア・プランの明確化で、職場への定着や仕事への意欲を高めます。
 入社直後の相談相手も少なく不安定な時期に、第三者の立場でサポートできます。

◆育児休業者などの円滑な復帰
 一定のブランクを経た従業員の不安解消も図りながら、スムーズな職場復帰を図ります。

◆人材育成の課題発見や従業員の意識把握
 守秘義務の範囲内で、ある程度の人数の面談をして感じた課題等をフィードバックします。
 社内キャリアコンサルタントの場合は、面談結果を人事制度に活かすことができます。



セルフ・キャリアドック制度におけるキャリアコンサルティング


キャリアコンサルティングは様々なシーンで実施され、キャリア形成の6ステップというものが用いられるケースが多いですが、セルフ・キャリアドック制度に基づくキャリアコンサルティングを当てはめると以下のような流れになります。

[Step1] 自己理解
  興味・適性・能力などの明確化
  職業経験の棚卸など

[Step2] 仕事理解
  職務遂行に必要な職業能力、
  キャリア・ルートの情報提供など

[Step3] 啓発的体験
  必要な情報提供など

[Step4] 意思決定
  長期的・短期的な目標設定の支援
  キャリア・プランの作成支援など

[Step5] 方策の実行
  キャリア・プランに基づき
  仕事や能力開発に取り組む

[Step6] 仕事への適応
  仕事に適応していく(進捗状況の把握)


おおよそ1時間程度の1回の面談のなかで、キャリア・プランシートを作成・完成させることが一つの目標となっています。(上記の[Step4]までのイメージ)

助成金対象の実施条件としては、対面形式の個別面談で、ジョブ・カードを用いることとなっています。


助成金により、セルフ・キャリアドック制度の導入や、キャリアコンサルティング実施に要する費用負担も軽減され、生産性向上も期待できるものです。

ぜひご活用ください!

この記事を書いたプロ

福山研一

キャリア支援のプロ

福山研一(株式会社アステート)

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