シンプルな治療 ( 病ましてまで、知らしてくれる? ) 聖路加国際病院理事長の医師日野原重明先生
関節の痛みから、リウマチかしら?と疑うことがあるかもしれませんが、関節リウマチとは、手足の関節において、自分で自分の体を攻撃するという免疫の異常が起こり、炎症が生じている状態です。症状として腫れ、こわばり、痛みなどがみられます。
また、痛みのある病気として神経痛があります。神経痛とは、末梢神経が圧迫されたり、何らかの原因で刺激を受けたりして痛みが生じている状態です。物理的に神経が圧迫・刺激されているものもあれば、目に見えない原因、例えばストレスやホルモンの影響のよる自律神経の乱れが痛みの原因になることもあります。
関節のこわばりや痛みが生じる原因(病気)は様々あります。原因(病気)が特定されていれば、その原因も考慮した上で、痛みを取り除く漢方薬をご提案することはもちろんですが、原因がよく分からない痛みに対しても、漢方薬はお役に立てます。それは、痛みを生じさせる原因(病気)は違っていても、患部における痛み自体の発生メカニズムは同じだからです。漢方において、関節の痛み自体は「水毒」が関係していると考えます。水毒を取り除く漢方薬を用いて、痛みを取っていきます。
そして、さらに原因を探っていった時、痛みを起こす原因がストレスの場合は「気」が関係していると考えられますし、ホルモンによる場合は「血」が関係していると考えます。漢方薬のご相談において、お身体全体の状態をお聞きしています。痛みに対してだけでなく全身の状態も加味した上で漢方薬を考えていきますので、全体として身体が整い、痛みを生じさせる原因がなくなり、症状として出ていた痛みが出なくなるのです。
私たちは、痛みひとつとっても、原因を探るためにじっくりお話を聞かせていただきます。