熱中症と二日酔い

谷津吉美

谷津吉美

テーマ:ちょっと気になること


これから暑くなりますが、暑熱順化はできていますか?
 暑さに慣れていないと「いい汗」をかきにくく、熱を体の外に効率的に逃がすことができないので、体温が上がりやすく熱中症になってしまいます。夏本番前に、体を暑さに慣れさせ「いい汗がかけるようになること」が大切です。

 薬局でお渡ししている気血水の表に、「冷暖房のきいた部屋に安住して、汗はかかず、運動はせず、飲み物、果物(体を冷やします)はとり放題の生活では水毒を生じない筈はありません。水毒をためないコツは、温かい食べ物、飲み物を心掛けて、動いて、歩いて、働いて汗ばむこと。」と書いてあります。これは、暑熱順化にもつながりますね。

 水毒というと水が多すぎることはイメージしやすいですが、不足もまた水毒です。熱中症は、汗をかきすぎて体の水分が少なくなりすぎた状態で、水毒と言えます。熱中症に使われる漢方薬の1つは五苓散で、五苓散は二日酔いの時にも使われます。アルコールを飲みすぎると、アルコール濃度を薄めるため、細胞から水分が移動して、脱水状態になります。五苓散は煎じ薬もありますが、薬局で作っている粉薬もあります。以前、浜松まつりの前になると、五苓散を用意されているお客様がいらっしゃいました。そして五苓散は頭痛やメマイにもよく使われます。梅雨の時期にメマイが悪化するお客様が、2包を重湯に溶いて飲むといい感じだと教えてくださいました。

 漢方薬は1ヶ月毎お出しすることが多いのですが、二日酔いに備えてというような場合は数日でもお出しできますので、是非ご相談ください。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

谷津吉美プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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