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谷津吉美

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谷津吉美(やつよしみ) / 薬剤師

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コラム

立甲のススメ

2022年10月18日 公開 / 2022年11月8日更新

テーマ:秘伝のツボ (東洋の知恵)

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 東洋医学



 最近、肩甲骨を立てることを立甲と言うそうですが、この記事では爪先立ちのことです。お客様がヨガで爪先立ちをして、とても痛かったのですが、その後体調がよくなったそうです。そこで、2012年のむつごろうむつみ新聞の記事を掲載します。

 辰年がスタートました。 辰年と言えば、竜ですね。 竜の甲骨文字は、蛇の原字の頭に辛字形の冠を付けた形だそうですので、今回のお話は私のこじつけなのですが、みなさんの記憶に残って時々思い出してやっていただければと思います。 ミトコンドリアのことについては太田成男さんのサイトを参考にさせていただきました。
 竜という字を分けて尻尾を伸ばすと立と甲となります。 甲を立てると読めます。 甲には、手の甲・足の甲がありますが、 足の場合、爪先立ちをして甲を立てるようにしていただくと、竜のようにパワーが出るかもしれません。なぜかと言いますと、 爪先立ちをすると前かがみでは倒れてしまうので姿勢がよくなります。 姿勢を保つための筋肉、特に太ももの筋肉にはミトコンドリアが多く含まれています。 ですから爪先立ちをすることによってミトコンドリアが増えるそうです。
 ミトコンドリアは生体で必要なエネルギーの源を作っています。 最近の研究により、老化はミトコンドリアが減少し、活性酸素が増えることによって進むことが分かってきたそうです。 活性酸素はミトコンドリアでも作られますが、不要になったり傷ついた細胞が自発的に死に至るアポトーシスにも関与しています。 ミトコンドリアで作られるエネルギーは体の中で壊された部分の修復にも使われます。活性酸素は両刃の剣なので、必要以上の活性酸素を消すために、カロリー制限をし、活性酸素を消す役割も増強する長寿遺伝子を働かせるといいようです。昔から、腹八分目が健康にいいというのはこういうことだったんですね。


 さて、みなさん、馬、犬、猫なんでもいいので、後ろ足を思い浮かべてみてください。 人間の時は体の前の方に曲がっていますが、動物ではこの部分は後ろに曲がっています。 動物の膝に見えるところは、人間で言えば足首にあたる部分なのです。 つまり動物は、人で言うカカトを高く上げて、爪先で立っているような状態です。そう考えると、爪先立ちをすると本能が目覚めるかもしれないと思いませんか?ルイ 14世はハイヒールをはいていたそうです。 「ルイ14世の肖像」 でも脚線美をアピールしているが分かります。男性性を誇示する場所は脚だったそうなのです。 女性がハイヒールをはくと脚だけでなく女性らしい体型に見えるので、すごく魅力的に見えますよね。しかし自分に合わない靴だとかえって、健康を損なうおそれがあります。その点、爪先立ちはその心配がありません。
 実は爪先立ちをすると、足の裏の「湧泉(ゆうせん)」が刺激されます。 また爪先に力が入るので、爪の生え際にある足の経絡の井穴(自律神経を調節するツボ)を刺激することができます。「湧泉」も井穴ですが爪の生え際ではなく、足の裏にあることがすごく不思議に思えます。しかし、浪越先生の言葉「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」ではないですが、「(爪先で) 立てば命の泉沸く」のではないでしょうか。普通に歩くときも、ここを刺激するように歩くことが大切です。 眠れないときも、 「湧泉」から息を吐くようなイメージをすると足に血液が行きやすくなって、眠りやすくなります。
 辰年の今年は、歯を磨く時にでも、爪先立ちをしてみてください。 そして、時々、手の平をつけないで両手の指先を合わせ、 押し合ってください。 手の井穴を刺激することができます。

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