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谷津吉美

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谷津吉美(やつよしみ) / 薬剤師

有限会社むつごろう薬局

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コラム

漢方薬の袋に書かれている数字について

2022年4月19日

テーマ:東洋医学の知恵袋

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 東洋医学



病院で出してもらう漢方薬には、番号と漢方薬の名前が書かれていますね。
この番号はもとはツムラが用いていたものでしたが、業界で統一され今では他の会社も用いるようになりました。ツムラで開発を担当した方が覚えやすいように番号をつけたので、五十音順ではありません。産婦人科の代表処方は連番になっていて、23は当帰芍薬散、24は加味逍遙散、25は桂枝茯苓丸です。縁起が悪く、患者さんに嫌われる番号(4,13,42,49,94)は抜かしてあるそうです。病院でもらう漢方薬は医療用の漢方製剤といいます。

むつごろう薬局でお出しすることが多い煎じ薬は、薬局製剤漢方といいます。薬袋に貼ってある紙に書いてある番号は192番までは連番で五十音順です。薬局でお出しできる漢方薬は、以前は192の処方(漢方薬の名前)だったからです。同じ名前でも粉薬や丸薬のものが18品、生薬(薬草)が違うものが2品あり、全部で212品目でした。その後お出しできる漢方薬が追加され、現在は216処方236品目です。

お子様を考えている方が、病院で温経湯(うんけいとう)を出してもらっていましたが、なかなか授からず相談にいらっしゃいました。いろいろお話を伺って、温経湯の証で間違いがないように思われました。まだ漢方が残っているということなので、煎じ薬の温経湯20日分をお出しし、30日で飲んでいただくようにしました。1日1回は病院でもらった温経湯を引き続き飲んでいただきました。するとすぐ妊娠され、無事出産されました。

病院で出してもらう温経湯は106番です。エキス剤といって、温経湯を煮出して濃縮したものを、スプレードライという製法(スプレー状に噴霧して高熱で水分を飛ばす製法)で作られています。一方、むつごろう薬局で煎じ薬で温経湯をお出しする場合、11種類の生薬が入った袋と阿膠(あきょう)が入った小さな袋をお渡しし、ご自分で煎じていただいています。薬袋に書かれた数字はK6なので番号が全然違いますね。効き目もエキス剤と煎じ薬は違うので、病院でもらって飲んでいてあまり効果がみられなかった場合でも、上記の例のように煎じ薬に変えてよくなる場合も多いです。

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