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谷津吉美

女性の悩みをやさしく包み込む漢方薬のプロ

谷津吉美(やつよしみ) / 薬剤師

有限会社むつごろう薬局

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コラム

授かるためには心の状態も大事です

2020年2月24日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:漢方薬で赤ちゃんを考える

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 漢方薬 妊活



不妊治療、というと、足りないホルモンを薬で補ったり、妊娠を妨げるような子宮筋腫や卵巣嚢腫を手術でとり除いたり、必要であれば人工授精や体外受精を行なったり…と、体"を治すことをイメージする人が多いのではないでしょうか。でも赤ちゃんを授かるためには、心、の状態もとても大事です。心と体は一体である。というのが漢方の考え方です。ですから、心の状態が乱
れていたり、不安定だったりすることも赤ちゃんのできにくさにつながるととらえ、漢方では体と同時に心にもアプローチして治療を進めます。「赤ちゃんが欲しいと思って、こんなに努力しているのに、どうしてできないの?」とイライラしていませんか? 怒りやイライラを感じると 赤ちゃんをはぐくむおなかは冷え、かたくなります。
「ストレスで胃が痛くなる」とよくいいますよね。これは胃の周りの筋肉がかたくなり、血流が悪くなるのが原因。怒り「やイライラを感じると、血が頭に上りやすくなります。血が頭に上ると、おなかや下半身の血流は少なくなるので、おなかが冷えたりかたくなったりするのです。

不安やマイナス思考は血流を悪くする怒ったりイライラする理由は、人それぞれ。「仕事で理不尽なことがある」など、はっきりとした原因がある場合もありますが、「わけもなくイライラする」という場合もありますよね。いずれにしても、怒りやイライラは確実に体にダメージを与え、妊娠力を低下させてしまいます。漢方ではイライラしやすい、怒りっぽい体質になっている人に、柴胡、という薬草の入った処方を調合します。柴胡にはリラックス効果があり、甘草や芍薬という薬草と組み合わせて使うと、体の緊張をほぐし、妊娠しやすい体質へと導いてくれます。
クヨクヨと思い悩みやすい、気が落ち込む体質の人もいます。こういう体質の人はすべてをマイナスにとらえ、不安に感じがち。不安は、怒り同様に体を緊張させて、血流を悪くさせます。血流が悪くなるとおなかが冷えるので、やはり赤ちゃんは遠ざかってしまうでしょう。また、妊娠にかかわるホルモンは脳から排出されます。でもあまりに不安が強すぎると、そのホルモンの分泌も減ってしまいます。当帰。という薬草は、冷え性や女性のホルモンバランスをととのえる働きがあり、妊活中のかたによく使われますが、クヨクヨタイプにもおすすめ。当帰には独特の香りがあり、その香りが女性の心身を安心・安定させる効用も持っているのです。

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