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コラム

養子縁組に関する相続税節税対策の注意点

相続 対策

2015年4月29日 / 2015年5月13日更新

当事務所に寄せられた相続に関する相談の一つをご紹介いたします。

その相談は、「養子縁組を考えているのですが、養子縁組すれば相続税が減ると聞きましたが、どのようなものですか?また、デメリットもあれば教えて下さい。」というものでした。

平成27年以降の相続税の基礎控除額は、3,000万+600万×相続人数で計算されますので、配偶者と子供2人の計3人が相続人であれば、(3,000万+600万×3人)で4,800万が基礎控除額となり4,800万までは相続税が課税されません。つまり全財産が5,500万あれば、5,500-4,800万で700万が課税対象額となるのです。

このケースで、養子縁組することで子供が1名増えれば基礎控除額が600万増加し、(3,000万+600万×4人)で5,400万が基礎控除額となります。これにより、計算される相続税の課税対象額は5,500万-5,400万で計算されますので、課税対象額は600万減少し100万となりますので、税額も減少するというのが養子縁組による節税対策です。

なお、税金計算等の詳細については、コラムの回を重ねていく中で相続税の仕組みについて説明する予定ですので、今回は説明を省きます。

今回のコラムで説明している養子縁組を理解する上で大切なのが、民法上と相続税法上の取り扱いの違いです。

民法上は養子縁組できる人数は何人でも構わないのですが、相続税法上は子供が居る方は養子縁組によって増える子供の数は1名まで、子供が居ない場合には2名まで認められています。つまり、規定された以上の養子縁組を行っても基礎控除額は増えない仕組みになっているのです。

そして、現在よく使われている養子縁組が、自分の孫との養子縁組です。

これを「孫養子」と言うのですが、孫と養子縁組すれば一世代飛ばした財産移転が出来るということでよく使われているのですが、相続税法上はこのような孫養子が取得した場合には孫養子は2割加算した税額を納付しなければならないことになっており、これがデメリットの1つです。

相続税を納付しなければならない方が孫と養子縁組した場合、課税対象額が600万減少しますが、相続税の最低税率10%で計算しても60万の節税効果がありますから、孫養子が納付すべき税額に対して2割加算した金額が60万以内であれば、節税目的は十分に果たせるはずです。

従って、このような税法上のデメリットはそれほど大きなものとは考えられません。やはり、民事上のデメリットの方が大きいでしょう。

もし、同居している内孫の長男だけを孫養子としたら、長男以外の内孫や、外孫、更には外孫の親達はどのような気持ちになるでしょうか?

そのような方の気持ちになって考えてみて下さい。

きっと、「どうして従姉妹の中で〇〇君だけおじいちゃんの相続人になっているの?」といった疑問が湧きおこってくるはずです。

また、「どうして兄貴の子供だけ優遇されるんだ。同じ孫なのにおかしいじゃないか。」といった兄弟・姉妹同士の争いに発展することがあるかもしれません。

子供達・孫達の気持ちを察するならば、内孫・外孫問わず孫全員を養子縁組してやればいいじゃないですか。若しくは、養子縁組などしない方がいいじゃないですか。

お金のことばかりに目を向けてしまうと、大事な人の心の動きを見落としてしまいます。

その相談者には、このような内容をお話させていただいたところ、その方は養子縁組をしない方が良いのではないかという気持ちになったようです。

当事務所では税理士事務所でありながら、節税しか見えていない方には、このようにこれから共に力を合わせていくべき親戚等の近親者の大切さを理解して頂くようにしています。

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