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杉村喜美雄

昭和初期の家・再生リフォームのプロ

杉村喜美雄(すぎむらきみお)

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コラム

解体工事に改めて思う 「ライフサイクルカーボンマイナス」

大切なものを残す

2017年12月29日

スクラップ&ビルドの時代から、再び「手をかけ長く使う時代」に向かっています。

じゃあ、スクラップ、解体工事が少なくなっていくかといえば、さにあらず、しばらくはその逆のような気がします。

それは、空家の増加、ライフスタイルや性能不足への対応、維持管理負担などの理由から

解体にいたるケースが増えていくと思うのです。

その話しは別として、今進んでいる目の前の解体工事を見ながら感じたことです。

ご近所方が「解体工事に時間がかかっているね」と声をかけてくださいました。

「そうですね。分別作業をしながら進めていますのでどうしても・・・ご迷惑をお掛けします」

とお答えしました。

これは以前解体材を分けていただいた家です。





この写真のような古民家といわれる建物を解体する場合は時間がかかり方が違います。

今の建物より短時間で済みます。

素材が単純で分別作業がとてもシンプルだからです。

家を構成する素材が身近にある石、木、土、竹、鉄、紙、瓦、でそのほとんどはそのまま放置しても土に還るものばかりです。

それに対して昭和40年以降の建物は実に複雑です。





家を構成する素材が一気に増えていて絡みあっています。

樹脂、多様な金属、ガラス、多様なボード類、それらが複合化されたものが従前の素材に

加わったからです。

「ライフサイクルカーボンマイナス」LCCM の言葉が再び脚光を浴びるようになって来ました。





(※環境省のイラスト借用)

LCCMはそれぞれの過程で発生するCO2を減らす努力をしましょう。なのですが

分別解体&リサイクルは法規制と解体業者の努力で進みましたが、

家を建てるときの素材、工法、施工法での努力、気配りがまだまだあいまいで

CO2削減ももう一歩のようです。

時間がかかるといわれる最近の解体工事現場で苦労しているのが、分別作業工程にともなう解体手順です。

以前は解体を如何に容易にするか、など考えて家を建てて来ませんでした。

特に「分別しやすさ」への配慮は不足していました。

その為に解体工事に手がかかってしまっています。

建築時の「分別しやすさ」への配慮は解体、リサイクルの効率化を助けます。

そう思うと、移築再生が当たり前としていた戦前の住まいは、解体の備えもある建て方だったのですね。

おかげで素材の分解も容易にできます。

大沢の青のさんっちの移築でも感心させられました。




これは解体中の2階の床です。

2階建ての住宅の2階部分までがこわされた状態です。

2階の減築過程はこんな感じでしょう。

2階が取れて建物は構造的に安定化しています。

使わなくなった部屋を壊す、所謂「減築」についてお客様からも質問されることが増えてきました。

木造のよさはこの減築が比較的容易なことです。(※と言っても大変ですが)

2階を取り外す、無駄な空間を減らすだけでなく、強度を確保するための耐震補強手法のひとつです。

今後、様々な形で解体のニーズが高まっていくと思います。

そしてそれを、作り手と解体リサイクルする人、そこにすまい手さんが相互連携することで

いろんなアイデアを生みだされると思います。


これはイギリスへ旅したときに撮った石造りの建物の解体現場です。





石を中心にできた建物を解体する場合は、機械力も必要でCO2排出は多いのかもしれませんが

建物が200年以上使われるとすればLCCMは小さくてすみます。

CO2排出が少ないといえば先ほどの古民家のような家づくりが理想ですが、

そうも行かないときは、解体するときのことに配慮した家作りを進め、そして手をかけ長く使っていただける

維持管理しやすく魅力ある家を建築していくことだと思います。

素材選び、工法選び、施工方法まずここを整理し、そして分別解体しリサイクルさせていく。

解体がなかなか進まない現場を見ながら「大変だな、これも家づくりを行う者の責任だな」と思いながらいろんなことを考えていました。

昨日、塗り替え現場から「家がよみがえったよう」との連絡がありました。

手をかけ長く愛着を深めていくお手伝い「育暮家」、続けて参ります。

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