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小幡大介

住宅のシロアリ・腐朽対策のプロ

小幡大介(おばたたいすけ)

株式会社コダマサイエンス

コラム

虫太郎の伝言板 ⑰

2012年6月20日 / 2014年6月3日更新

虫の文化史(虫偏の虫)⑰
―人と虫が奏でる文化―

「蚤(のみ)」の歴史

「ノミ」と人間の付き合いの歴史を眺めてみましょう。

かつて日本は「ノミ天国」

蚤は、世界中に約2,000種類ほど居ます。そして、ずっと昔から人間を悩ませながら、それでも人と暮らして来ました。
衛生状態の良い社会では珍しくなりましたが、それも僅かここ数十年のことです。

特に日本は、蚤が暮らすのに適しているようで、明治時代に日本に来た外国人は悲鳴を上げています。蚤の痒みは、蚊に刺されたよりも長くて、夜中だと寝付けなくなります。痒(かゆ)い上に、睡眠不足の二重苦です。



血を「食う」ノミ

蚤は血を吸うと思っている人が多いのですが、そうではありません。実は、噛んで血を出させ、それを乾燥させてから食べるのです。ちょっと「こだわり」ます。乾かした方が美味しいのか、吸うのが苦手なのか、どちらかでしょう。

ノミと良寛さん

殺虫剤がなかった昔は、どうして蚤を防いでいたのでしょう?
蚤の痒さも、慣れてしまえばあまり苦にならないらしく、禅僧の良寛(りょうかん)さんは、蚤やシラミと仲良く暮らしていたようで、歌を詠んでいます。

「蚤、シラミ音(ね)の鳴く秋の虫ならば、わが懐(ふところ)は武蔵野の原」。
蚤のいる自分の懐を武蔵野に見立てたのには、恐れ入ります。

ノミの防除

普通はそこまで悟ると言うか、やせ我慢は無理で、古今東西を問わず、蚤の駆除には工夫が見て取れます。

割と有効そうなのは、「誘引法」で、一箇所におびき寄せる方法です。
「ロバの乳」や「ヤギの血」が誘引剤に使われて、古代エジプトでは奴隷に塗ったようです。
奴隷が痒がるほど、効果が見えるという点では、まさに実証的な方法と言えますが、ちょっと酷(ひど)い話です。

元禄時代の大阪では、「猫の蚤採り屋」という、飼い猫の蚤を取る商売がありました。井原西鶴が書いています。さしずめ「移動ペットサロン」でしょうか。

つづく
コダマサイエンス 小幡 大介

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