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細川豪

お金の貯め方・使い方のプロ

細川豪(ほそかわたけし) / ファイナンシャルプランナー

いわみマネークリニック株式会社

コラム

主婦がイデコを利用するのはデメリットなのか?

2021年1月12日 公開 / 2021年1月16日更新

テーマ:確定拠出年金個人型

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: NISAiDeCo確定拠出年金

イデコを利用する場合、何といってもメリットは所得控除!税金を計算するときの所得(課税所得)を小さくできるので、小さくなった課税所得に所得税・住民税をかけて税金の額を出すので、納める税金が少なくて済む。これが最大のメリットと言っても過言ではありませんね。

では、課税所得が無い「専業主婦」「兼業主婦」(主夫)含む「パートタイマー」などはメリットが無いのでしょうか?専業・兼業主婦・パートタイマーでも課税所得が無ければ税金はかかりません。課税所得ゼロに税率を掛けてもゼロです。その分岐点は皆さんご存じの通り、パートにより得る収入が給与所得103万円なら、給与所得控除額55万円。それに所得税の基礎控除額48万円を引けば所得無しですね。103万円ー55万円ー48万円=0 0×5%=0

これを見ると、確かに課税所得からイデコの掛け金を引いてさらに所得を小さくできませんから、所得控除のメリットはありません。

しかし、イデコの税制面でのメリットは掛け金の所得控除だけではありません。

トリプルメリット

(1) 掛け金が全額所得控除できる

(2) 運用益が非課税(課税の繰り延べ)

(3) 給付時(受取時の税優遇)

と節税関係だけでも3つのメリットがあります。

(2)は運用中に利益には課税されずに(3)の時に再計算して課税されるかされないかが決まりますので、非課税というよりは課税の繰り延べです。

主婦の方がイデコを利用するときに、今後も一切課税所得のある働き方をしない。ということであれば、(1)のメリットはありませんが、例えば子供が大きくなり、世話をする頻度が少なくなって、パートタイムを目いっぱい働いたり、正社員になったり、自営業者になったりとセカンドキャリアを形成したりすると、課税所得に届き(1)の、メリットが復活します。これは働き方というよりも生き方の問題かもしれませんね。

(1)は使えなくても(2)、(3)は利用できます。(2)で繰り延べられた元利合計(出した掛け金の累計額と利益の合計額を足したもの)が(3)の時に再計算されます。一時金で受け取る場合、具体的には退職所得控除という、いわゆる退職金には税金をあまりかけない日本独自の制度の名残ともいうべきものが助けてくれます。(退職所得控除は今後見直される可能性もあります)それと年金で受け取る場合は、公的年金等控除という、いわゆる年金生活者には一定額経費が多くかかった状態を作り出してくれ、現役の会社員(給与所得者)などと比べて税金面で優遇されています。

「退職所得控除の計算式」

勤続年数が20年以下の場合 40万円×勤続年数 (注:主婦などは勤続年数を積み立てた年数と置き換えます)

勤続年数が20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

例)30歳から60歳まで積み立てた主婦が一時金で60歳時点で受け取った場合

運用した元利合計額ー{800万円+70万円×(30年ー20年)}=1,500万円

ということで、1,500万円までは税金がかからずにそのまま手取りとなります。(手数料等は考慮しておりません)

また、細かいですが1,500万円を超えても、超えた額の半分までしか課税対象にならず、しかも分離課税なので、他の所得と合算して高い税率が適用されることなく、分離されているので、社会保険料にも影響しない特徴を持っています。

なお、年金でもらう場合も雑所得として公的年金等控除の対象となり、こちらも給与所得者などの所得控除よりも有利に設計されています。

税金のメリットを纏めると、所得控除のメリットは今後の働き方次第。扶養の範囲で暮らすんです。というなら所得控除のメリットなし。運用益の繰り延べと給付時(受取時)はかけた年数分の控除が使えるのでメリットあり。目立ちませんが、普通の課税口座で投資信託を運用すると、投資信託の手数料が高いケースも結構あります。イデコの場合は投資信託を買った時の手数料は0です。イデコは課税所得が大きい人ほど節税効果がありますので、夫婦で考えると言うことも大切です。夫の課税所得が大きければ夫はイデコを掛け金上限まで利用すると言うことも考えたいものです。

税金以外のメリットはないのでしょうか?例えば、イデコは基本、「節税しながら自分の老後資金を作る」ですが、使途が決まっているわけではありません。決まっているのはやむを得ぬ事情以外は60歳以降でしか引き出せない事だけです。なので、住宅ローンの繰り上げ返済でも、子供が大学に行く時期と重なればその学費に充てることもできるわけです。また、60歳まで引き出せないから、強制貯蓄として、家計が厳しい時につい、使ってしまう心配もないですね。逆に言えば、家計に無理してイデコの掛け金を多くすると、家計が苦しいときに引き出せませんので注意が必要です。また、掛け金を出せそうにない時、掛け金を止めて運用を続けていくこともできますが、口座の管理手数料が金融機関によって違いますがそれなりにかかりますので、利回りが悪くなります。これは主婦に限ったことではありませんので、別の回で詳しく解説します。そして主婦は自分の年金を作る手段が限られていたのですが、イデコで自分も経済的に老後資金を作っているんだという気持ちを持てることもメリットでしょうか。

このほかにもつみたてnisaも利用できますし、こちらはいつでも入出金できますから、特徴を捉え、今の自分にはどちらが合っているのか考えて取り組めば、きっと、さらに希望ある未来を期待できるようになるかもしれませんね。

この記事を書いたプロ

細川豪

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細川豪(いわみマネークリニック株式会社)

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