コラム
仏壇の起源
2015年10月30日 公開 / 2015年10月31日更新
仏壇の始まり
仏壇の始まりは今から1千年以上前、天武天皇の時代と言われています。西暦686年に「諸国の家毎に仏舎を造り、仏像や経を置いて礼拝供養せよ」という天武天皇の勅が出されこれをもって家ごとに仏壇を安置する起源とされています。
(玉虫厨子)
奈良県の法隆寺に所蔵されている「玉虫厨子」は日本最古の仏壇と言われており、飛鳥時代に造られました。
仏壇の起源には三つの流れがあると言われています。
一つ目は寺院・持仏堂の小型化であり、真宗の「道場」から変化した仏壇です。私たち仏壇店の者が「お仏壇は小さな寺院です」と、よく言うのがこの事からです。
真宗の仏壇(金仏壇)と仏具荘厳は真宗寺院の様式を反映したものとなっています。
二つ目は「魂棚(たまだな)」
魂棚は現在の盆棚であり、お盆の時にだけ作られていた盆棚が次第に常設化して仏壇となったという説を民俗学者だった柳田國男が説いていました。
盆に様々な精霊を迎える習慣が昔からあったはずで、それが江戸時代初期の檀家制度と結びついて仏壇という形になったと言われています。
そして三つ目として「位牌棚」
先祖を供養するために用いた位牌を安置する棚が仏壇に発展したという説です。
魂棚にしても位牌棚にしても根本にあるものは先祖供養という考え方です。
仏壇はこれら三つを源流に江戸時代に普及しましたが、大きな理由として江戸幕府が出した檀家制度(すべての人がどこかの寺院の檀家になる)と江戸時代の木工技術の発展 仏師、仏具師、錺師、蒔絵師等この時代に知られた存在となった職人の技術が仏壇の発展に大きく影響したと言われています。
余談ですが、檀家制度が無かったら私たちの業界も違ったものになっていたかもしれません。
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