患者さんとの対話を重視。理解することが早く治ることにつながります（3/3）

病診連携、予防接種などにも力

　藤野さんは山口市の出身。島根医科大学（現・島根大学医学部）を卒業し、大学病院で勤務した後、公立雲南総合病院の耳鼻咽喉科部長を務めました。1998年に開業した「ふじのクリニック」では、同じ大学出身の妻・尚子さん（浜田市出身）も、副院長として定期的に診療を担っています。
　
　また、中核病院である島根県立中央病院との連携体制も整備。「患者さんが二度手間にならないように、ITは積極的に取り入れています」と話す通り、デジタルレントゲン、電子カルテシステムなどを導入し、情報の共有化を図ることで、患者、医師双方にとって効率的な診療につなげています。

　さらに、近年は予防接種にも力を入れています。インフルエンザや三種混合ワクチンのほか、昨秋国内でも認可された子宮頸がんワクチンの接種も開始しました。住民に身近な地域の医療機関として、命を守る予防接種の啓発にも気を配ります。

　専門医の少ない山間部など各地の学校検診も支え、病の早期発見、早期治療に努めている藤野さん。日々診療に臨む際、意識しているのは「症状をしっかり分析し、早く判断を下し、短期間できちんと治すこと。そのためには、見極める力をもっと高めていきたい」と常に前向きです。患者一人ひとりと真摯に向き合うその姿勢に、地域の厚い信頼が寄せられています。

（取材年月2010年7月）

■藤野有弘プロのプロフィールを見る

⇒　