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三上康一

ロードサイド店舗の儲かる仕組みを構築する専門コンサルタント

三上康一(みかみこういち) / 経営コンサルタント

株式会社ロードサイド経営研究所

コラム

ガソリンスタンドスタッフが放つべきセールストークの考え方

2019年12月3日 公開 / 2020年6月21日更新

テーマ:ガソリンスタンドの戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: マーケティング手法

ガソリンスタンドスタッフが放つべきセールストークの考え方
 このサイトでコラムを書き始めて、かれこれ1年と10か月が経過し、620本のコラムを書き溜めてきました。書き始めた当初は、SNS経由での読者が多かったのですが、現在は約8割が検索エンジンから訪れた読者になっています。

 そして、その620本のコラムの中には、ほとんど読まれないものもあれば、多くの方に読んでいただいているコラムもあります。このよく読まれるコラムのひとつに、今年の2月22日に書いた「ガソリンスタンドで油外商品のセールストークに悩むスタッフへ」があります。

 このようなコラムのアクセスが多いということは、タイトルが示す通り、ガソリンスタンドで働くスタッフがタイヤやオイルといったガソリン以外の商品、つまり油外商品の販売に苦しんでいて、それを打開できるセールストークを欲していると言えます。

 そこで、今回のコラムでは、この油外商品のセールストークについて、再度見ていきたいと思います。

投げ捨てられたスーツ

 昨夜遅くに帰宅した私は、いつものようにスーツを脱ぎ、リビングにあるソファの背もたれにそれを掛け、風呂場に行きました。

 私の入浴中に妻が、私が脱いだスーツを書斎に持って行ってハンガーにかける、という流れが我が家の恒例となっています。ですが、私が入浴を済ませ、書斎に行くと、私のスーツは書斎の椅子の上に投げ捨てられていました。

 それはなぜか。わかりません。わからないのですが、私はその時に「このスーツ捨てよう」と思いました。そもそも、かなり年季の入ったスーツでして、外から見えない部分がほころんでもいるので、いつ処分しようかと漠然と考えて数か月が経過していたのです。

 結果として、理由は不明であるものの、妻が書斎の椅子にスーツを投げ捨てたことが、そのスーツを処分しようという意思決定の背中を押してくれたことになります。ここで、セールストークとは「顧客の背中を押すための一言」と定義します。

背中を突き飛ばしてはいけない

 これはかつて、あるガソリンスタンドに私が顧客として給油のために入店した時の話です。「現金でレギュラー満タンお願いします」と言った私に、ガソリンスタンドのスタッフは「ハイオク入れてみませんか?燃費も加速も良くなりますよ」と言いました。

 先ほど私はセールストークとは「背中を押すための一言である」と定義しました。ですが、このスタッフの発言は「背中を突き飛ばすための一言」です。どうしようかな、と迷っている顧客に寄り添って、優しく背中を押すのがセールストークです。これに対して、買いたいものが決まっている顧客の意思を否定し、必要性の不明な高額商品を買わせるような発言をするから、押し売りと言われるわけです。

 そして、前者の視点は顧客視点、後者の視点は自分視点であることに気付かなければなりません。

「どうしようかな」と思わせる

 レギュラーガソリンの給油を依頼した顧客にハイオクガソリンを売りたいなら、まずはレギュラーを給油することです。そして、ハイオクとは何なのか、今までレギュラーを入れてきた車にハイオクを入れて大丈夫なのか、なぜ燃費と加速が良くなるのか、そんな説明が盛り込まれたチラシを渡し、再来店していただけるような接客、サービスを行うべきです。

 そんな積み重ねが「ハイオク入れてみようかな」という思いに繋がった時に、あとは一言「ハイオク入れてみませんか」と背中を押してあげる。これがセールストークです。

 「すぐ洗車できますよ」「オイル交換割引中なんです」「タイヤキャンペーン中です」こんな台詞も顧客の背中を押すためのものでなければ意味がないわけで「どうしようかな」と思っていただく段階まで、コツコツと顧客のために尽くすことが重要だということです。こう言えばバカみたいに売れる、といった魔法の一言のようなセールストークなどあり得ないと認識しておくべきでしょう。

 スーツを投げ捨てた妻の行動も、私の行動の積み重ねが引き起こした可能性があります。妻の機嫌を直す魔法の一言などあろうはずもありません。

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