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三上康一

ロードサイド店舗の儲かる仕組みを構築する専門コンサルタント

三上康一(みかみこういち)

株式会社ロードサイド経営研究所

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コラム

ガソリンスタンドの人手不足対策はアルバイトさんの正社員化

ガソリンスタンドが生き残るための戦略

2018年7月15日 / 2018年8月16日更新


人手不足を解消できた理由

 私は、ガソリンスタンドの運営会社に21年間勤務し、ガソリンスタンドの現場に身を置いてきました。そのうちの13年間は店長を務めましたが、店長になって10年間ほどは人手不足に本当に悩まされました。

 勤務シフトを作成する都度、アルバイトさんに「○日に人がいないので、なんとか少しの時間でも出社できないかな」と懇願・調整をし、ようやくシフトができる有様でした。出社できるスタッフが全くおらず、朝から晩まで1人で1日15時間の勤務が当たり前の時期もありました。

 しかし、店長として最後の3年間ほどは、人手不足に苦しむことがなくなっただけでなく、私含め全スタッフが定時で退社し、年間休日も完全に消化できるようになり、店舗の業績も向上しました。今回は、その秘訣について見ていきます。

なぜ人手不足に陥るのか

 多くのガソリンスタンドが人手不足に苦しんでいます。
 人手不足なので、洗車やエンジンオイル、タイヤなどガソリン以外の商品(油外商品)が売れない、その結果儲からない、儲からないから採用のための広告費用や人件費を捻出でない、そして人手不足が深刻になる、という負のスパイラルに陥ります。

 このスパイラルが出来上がるまでには、様々な要因があったはずです。ここで着目しなければいけないのは、自社の組織風土や、その風土から自然発生した様々な慣習・仕組みです。これらは、長年かけて出来上がったものですので、一朝一夕に改善できるものではありません。
 しかし、これをら変えていかなければ、上記のスパイラルは断ち切ることができません。よって、時間をかけて、構築するべきものは構築し、改善するべきことは改善します。
 短期的な取組みで状況は劇的に変わるものではないことを肝に銘じて取り組みましょう。

 さて、まずやるべきことは、採用のための広告費用や人件費を稼ぐために、店長自身が油外商品を売ることです。売って売って売りまくります。店長職を本社から任される以上、それなりの現場経験があるはずです。その経験をフル活用して、売ります。

 楽をして儲かるビジネスは無いと覚悟を決めなければ、儲かりません。店舗が儲かっても給料が上がらないなど店長が自身に言い訳をしていては、儲かりません。とにかく、寸暇を惜しんで店長が売るのです。

 経営者は、店長にこのような覚悟を持っていただくために、店長のモチベーションを向上させる必要があります。「店長、頼む。儲けてくれ」という気持ち・言葉が重要です。
【参考記事】
仕事の覚悟を決める
ベテラン社員のモチベーション
モチベーションアップの方法
「認める」と「褒める」の違い
自信とモチベーション
年上の部下への対応

人手不足を定義する

 さて、人手不足に喘ぐ現場において、何をもって「人手不足」と判断しているのか、判断基準を設ける必要があります。スタッフ一人あたりの燃料油販売量が○ℓ以上だから人手不足というのか、客数○人に対して全スタッフの1日の勤務時間が○時間以下だから人手不足というのかなど、人手不足の定義づけをします。

 これが明確になっていないと、複数店舗を展開する場合に、同じ給与で働いていながら、ある店舗は楽ができて、ある店舗はいつもバタバタしている、という不公平感が発生します。
 また、感覚という物差しで人手が充足しているか否かを判断してしまうと、どの程度の人員が必要なのか、どの程度のシフトに入る時間が必要なのかが判断できず、採用活動で必要以上に人員を抱え、無駄な教育訓練を行うことになってしまいます。

人手不足をこれ以上深刻にさせない

 物騒な例ですが、大量出血で病院に担ぎ込まれた怪我人には輸血が必要です。よって、その治療は真っ先に輸血だけをするでしょうか。その前に止血をしないと、輸血した血液は単に患者の体を素通りし、洩れるだけになります。
 人手不足に喘ぐ職場は、止血の前に、新規採用という輸血に走りがちです。まずは、止血策を講じなければいけません。止血策とは従業員満足を上げ、定着率を向上させることです。

 従業員満足は、標準化、能力開発、モチベーションの3つから構成されます。

 標準化には、業務マニュアルの整備、経営理念の策定が挙げられます。特に、マニュアルに定められていない対応をする際、従業員の判断基準となる経営理念は定められているか、もし定められているとしたら、現場に浸透しているか、を検討します。
 【参考記事】
経営理念が意味するもの
経営理念の浸透が現場にもたらした効果

 また、能力開発には、OJT、Off-JT、自己啓発がありますが、OJTを有効なものにしておく必要があります。
 【参考記事】
うまくいくOJT、うまくいかないOJT

 なお、モチベーションに関しては、前述のモチベーションに関する参考記事を参照してください。

人手不足を解消する募集広告とは

 これらを整備した上で、店頭や新聞折込、ネットなどの募集広告を活用しますが、応募者が多い募集広告には、特徴があります。それは、どのような仕事をするのか、ということ以上に、誰とどんな職場で仕事するのか、が明確になっている、ということです。

 誰と仕事するのか、を告知するためには、働いているスタッフの写真や、働くスタッフの声を広告媒体に掲載します。
 どんな職場で仕事をするのか、を告知するためには、自社の経営理念、経営目標を示します。生まれも育ちも異なる人と一緒に働くわけですから「当社はこんな理由で存在し、こんな夢を持っています。現在の人材だけでは達成できませんので、同じ志を持った方、是非いらして下さい」といった内容が必要です。

 さらに、採用面接の際は、以下の5つの項目のどちらを重視するのか、それが貴店と一致しているかを見極めます。
 情を重視/理を重視
 行動を重視/思考を重視
 協調を重視/競争を重視
 伝統を重視/革新を重視
 スピードを重視/緻密さを重視
【参考記事】
人材の募集をかけても人が来ないのはなぜか
人材不足の解消策

アルバイトでインターンシップを経験していただく

 学生さんがガソリンスタンドでアルバイトすることは、ガソリンスタンドでインターンシップ(職業体験)を行うことに繋がります。
 最初は、軽い気持ちでアルバイトしていた学生の従業員満足が高まり、職場に愛着を感じるようになると、そのスタンドが就職先の候補となります。

 正社員は、法定福利費の半額を会社が負担するので、アルバイトさんよりも人件費が高くなりますが、長期のインターンシップを経験したアルバイトさんが正社員になるわけですから、まっさらな新人を雇うより教育面などで低コストとなります。
 また、正社員という立場で責任を与えられ、即戦力として働いてくれるのですから、油外販売の貢献度も高くなる可能性もあります。

 以上のように、人手不足の対応策は、単に募集広告を活用する、というだけではなく、その前にどのような体制を整えるか、といった点が重要なのです。

 当社の「儲かるロードサイド店舗を作るノウハウ」フルパッケージ全9回コースでは、第5回目に「現場責任者の役割決定と人材活用力向上戦略」、第6回目に「ロードサイド店舗で働くスタッフの戦力化」をテーマに、人材を今以上に活躍させることのできるリーダー育成の促進や、人材の定着化・戦力化を向上させていきます。

当社コンサルティングをご利用される方はこのような方

・ネット通販や大型店に顧客が流出している店舗を経営する方
・駐車場があり、顧客の多くが車で来店される店舗を経営する方
・立地だけに頼らず売上を向上させたい店舗を経営する方
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