フィットネスジムでトレーニング指導などを行うパーソナルトレーナーは、フリーや業務委託で働く場合、自ら集客を行わなければなりません。パーソナルトレーナーが顧客を獲得するためには、いくつかのポイントと方法を実践することをおすすめします。そこで今回は、パーソナルトレーナーが集客するために実践しておきたい方法を紹介します。

パーソナルトレーナーとは?

パーソナルトレーナーとはどのような職種なのか、まずは業務内容や雇用形態などの基本情報から解説します。

パーソナルトレーナーの業務内容と雇用形態

パーソナルトレーナーの主な業務内容は、顧客のトレーニングや食事における栄養指導です。いずれもマンツーマンで行うのが大きな特徴で、一人ひとりの希望やコンディションに合わせた指導が求められます。

パーソナルトレーナーの雇用形態は、大きく分けて2種類あります。一つはフィットネスジムでの雇用、もう一つはフリーランスとしてフィットネスジムと業務委託契約で働く方法です。正社員はジム内の雑務が業務に含まれることがありますが、業務委託は基本的にトレーナーとしての業務のみを担当する点が異なります。

フィットネスジムでの直接雇用には、正社員や契約社員、パート・アルバイトなどの働き方があり、フリーランスの場合は独立してジムを経営しているケースもあります。

給与体系は雇用形態で異なる

上記のように、一口にパーソナルトレーナーと言っても複数の雇用形態があり、給与体系も雇用体系によって異なります。正社員の給与は月20万円程度が相場で、さらに各種手当や賞与が加わるケースが多いですが、契約社員やパート・アルバイトの場合は手当や賞与が付かない場合が多く見られます。フィットネスジムでの業務委託も手当がなく、一般的に時給制です。

完全フリーとして独立してジムを経営しているフリーランスの場合は、経営者となるため給与制ではなくなり、仕事を取った分だけ収入につながります。

業務委託や完全フリーの場合は集客が必須

フィットネスジムに直接雇用されているトレーナーの場合は、ジムが集客活動を行ってくれるので、集客数の心配をする必要はほぼないでしょう。しかし、業務委託で働いている、または完全フリーとして独立したパーソナルトレーナーの場合、業務以外の時間に集客活動をしなければまったく仕事が来ないこともあり得ます。

そのため、フィットネスジムでの業務委託やフリーで働いているパーソナルトレーナーにとっては、集客活動は必要不可欠なのです。

パーソナルトレーナーの集客ポイント

フリーや業務委託で働くパーソナルトレーナーは、個人の集客活動が顧客獲得に大きく影響します。思うように顧客が集まらないと悩む場合は、以下に挙げるポイントから確認してみましょう。

ターゲットを絞る

まずどのような顧客に来てもらいたいか、ターゲットを選定して絞り込みましょう。顧客がジムでトレーニングを行う目的はさまざまです。パーソナルトレーナーの得意分野や指導方法も、一人ひとり異なります。

ターゲットは、筋力強化をしたい、ダイエットをしたいなどの目的別、または年齢・性別などいくつかの条件を洗い出して絞り込んでいきましょう。そして、自身が特化しているスキルに合致しやすい条件でさらに絞り込むと、顧客を集めやすくなります。

ターゲットが絞り込めれば集客方法も絞り込みやすく、効率的な集客が期待できるでしょう。

他のジムやトレーナーとの差別化を図る

パーソナルトレーナーとして働くライバルは多く、大手のフィットネスジムも含めると競争相手は非常に多いと言えるでしょう。その中から自分を選んでもらうためには、自分だけの魅力やメリットを探し出すことが必要です。他にはないものをアピールすることで差別化を図れば、多くの顧客を引きつけやすくなるでしょう。

男性または女性専用ジムにする、完全オーダーメイドのトレーニングを作成などが差別化の例として挙げられますが、いずれも競争相手がすでに差別化の方法として実践しているケースもあります。そのため、自分自身の能力に応じたプラスアルファのジャンルを見つけ出すことが、差別化につながります。

強みを明確にしておく

上記の「差別化」につながりますが、自分自身が持つ強みを持つこともパーソナルトレーナーの集客にとって大切なポイントです。いわゆる「コト消費」を重要視する傾向がある現在、「ここだけでしか受けられないサービス」にお金をかける人も増えているといわれ、「ここだけ」という点に価値を見出す人も多いわけです。

強みを持つパーソナルトレーナーなら、それを活かしたトレーニングを行うことでそのジムだけでしか得られない体験を提供できます。そのため、強みを明確にしておくことが、集客アップにつながるといえるのです。

具体的な集客方法とは?

パーソナルトレーナーが顧客を集めるためには、上記のポイントを押さえつつ効果的な集客方法の実行が必要です。では、具体的にどのような集客方法があるのか、代表的なものとして3種類の方法を紹介します。

SNSやブログなどネットを活用

最も始めやすい集客方法が、ネットの活用です。ジムの宣伝に用いられることが多いホームページは宣伝目的で作成するには、ある程度の知識が必要で、素人には難しいものです。ホームページ作成を専門業者に依頼もできますが、そこまでコストがかけられないという場合におすすめの方法が、SNSやブログです。

SNSやブログは個人でも容易に情報発信ができ、無料または低コストでアカウント開設・運用が可能です。ただし、SNSやブログは運用してすぐに集客効果が現れるとは限りません。できるだけこまめに更新をして情報発信をすることが、SNSやブログ活用の基本です。

先述のターゲットの絞り込みも、ネットでの集客に活きてきます。しっかりと絞り込んだターゲットが読んでよかった、役に立ったと思える内容を盛り込むと、集客へ結びつきやすくなるでしょう。

特に動画投稿サイトはおすすめ

集客にネットを活用する際にぜひ使用したいのが、YouTubeなどの動画投稿サイトです。パーソナルトレーナーの業務内容は、どうしても文字や写真だけでは伝わりづらいものです。そこで、実際のトレーニングの様子などを撮影した動画をアップすれば、具体的なトレーニングや指導内容を把握してもらいやすくなります。

動画撮影や編集の手間はかかるものの、動きが重要なパーソナルトレーナーにとって動画は活用する価値のある宣伝ツールといえるでしょう。

チラシ作成・ポスティング

ジムの周辺エリアで重点的に集客をしたいときに行いたいのが、チラシのポスティングです。チラシは作成やポスティングに労力がかかるものの、認知度アップに高い効果が期待できます。

作成したチラシは、タウン誌の折り込みやチラシ設置ポイントにも使えます。ポスティング以外のさまざまな方法でチラシを配ってアプローチしましょう。

無料カウンセリングの実施

実際にジムに来てもらい、パーソナルトレーナーによるカウンセリングを無料実施するのも集客効果が期待できる方法です。カウンセリングと併せて体験コースも実施すると、より見込み客の興味や関心を引きやすくなります。

無料カウンセリングを実施する際は、好印象を与えることが成約につながります。獲得した顧客の印象が良ければ、紹介によるさらなる集客も期待できるでしょう。

パーソナルトレーナーが独立・開業する際の注意点

独立・開業して自分のパーソナルジムを持つ場合、顧客獲得にはフィットネスジムでの業務委託で働くよりも、さらにしっかりとした集客方法の実践が求められます。中でも、以下の注意点は必ず押さえておくべきです。

集客方法は事前に決めておく

独立・開業して自分のジムを持つ場合、開業当初は知名度がなく、なかなか集客できないことも見込まれます。たとえ過去に勤務していたフィットネスジムから顧客を引き抜いてきたとしても、それだけで経営を成り立たせるのは困難でしょう。開業後は、新たな顧客獲得が必要不可欠です。

そのためにも、パーソナルジムでの集客は開業してからスタートするのではなく、あらかじめホームページやブログを開設するなど、事前に集客方法を決めておくべきです。

自分に合った方法で集客しよう

業務委託や完全フリーランスで独立・開業するなど、パーソナルトレーナーによって働き方は異なります。集客を目指すなら、自分の働き方などに合わせた最適な方法を実践しましょう。

新聞社・TV局等運営の専門家サイト マイベストプロではフリーランスのパーソナル事務運営者、パーソナルトレーナーが活躍しています。専門分野を確立し、顧客理解を深めた『情報発信』と『信頼』が専門家としての道を開きます。