「税理士はどの分野が儲かるの?」と疑問を抱えている人もいるかもしれません。難しい税理士試験に合格しても稼げなければやる気を失ってしまうことにも繋がりますよね。しかし、税理士はそこそこに稼げる職種です。この記事では、税理士がもらう報酬の内訳や儲かる分野についてご説明します。

税理士は「斜陽産業」とも呼ばれている

これまで「なくてはならない存在」だと思われていた税理士ですが、実は時代とともに需要が減少している「斜陽産業」とも呼ばれています。

近年はAI機運が高まっており、数字を入力するだけで自動的に会計業務などがおこなえるソフトなども一般化されています。こうしたAIソフトを活用すれば、税金の知識があまりなくても税務関係の仕事をこなせるというわけです。

しかし、税理士の仕事は税務処理や書類作成だけではなく、税務相談や節税対策を考察することなど人間にしかできないことも多くあります。そのためこれからの時代はAIソフトを上手く使いこなしながら、顧客対応などを丁寧におこなっていける税理士が求められるでしょう。

税理士は儲からないと考える若者も多い

税理士の収入面に誤解が生まれているためか、若者のなかで「税理士は儲からない」と考える人が増えています。その結果、税理士試験を受ける若者が減少しているのです。

苦労して税理士の試験を合格したとしても儲からないのなら、費用対効果は少ないため税理士になる魅力があまりありません。しかし、これは間違いです。「儲かる」という定義は人それぞれですが、税理士は相応に儲かる仕事だといえます。

税理士は儲かる分野?報酬の内訳について

税理士が受け取る報酬は各税理士事務所によって大きく異なり、業務内容についても毎月必要な業務もあれば、年に1回の業務の場合もあるため一概にはいえません。平均的に受け取ることができる報酬の相場についてご説明します。

月次顧問料の相場は「月3万円以下」

月次顧問料とは、月次決算に問題がないかなどのチェック業務に対する基本的な報酬です。ただし契約内容は各税理士事務所によって大きく異なります。

個人事業主や法人、年商金額によっても変動はしますが平均して「月3万円以下」となっています。

決算・確定申告料などの相場は「年10〜20万程度」

月次顧問料以外に発生する報酬として、決算や確定申告料があります。こちらは月額料金ではなく、依頼された都度発生する報酬です。

決算や確定申告料の報酬も場合よって変動しますが、相場は「年10〜20万円程度」となっています。つまり、1つの契約先から発生する年間の最低報酬額は次の通りです。

・月額顧問料3万円×12ヶ月=36万円(年間にかかる顧問料)

・年間顧問料36万円+決算・確定申告料20万円=56万円(契約先1件あたりに発生する最低報酬額)

これら以外にも細かい報酬が発生することもありますが、年間で数十件から数百件の契約が取れれば高額な年収になるはずです。

税理士が儲けるための3つのポイント

次に、税理士が儲けるための3つのポイントをご紹介します。

大手税理士法人で働く

大手税理士法人で働くことで高い年収をもらうことができます。大切なのは「大手の税理士法人」という部分です。中小の税理士法人では一般的なサラリーマン程度の年収しかもらえません。一方、大手税理士法人では、中小よりも給与や勤務体系などがしっかりと整えられており昇進していけば高額な年収が望めます。

また大手の方が従業員も多く、中小よりも大きな案件を取り扱うことが可能です。案件が大きければ、それだけ報酬も高い傾向にあるため給与が高いといえるでしょう。

独立して個人事務所を経営する

独立して個人事務所を経営し順調に事業を拡大していけば、中小の税理士法人に勤めるよりも高い年収が期待できるでしょう。ただし、ただ個人事務所を開業しただけでは知名度もなく顧客獲得に苦しむことになります。

開業した後は、顧客獲得に向けて営業戦略を練る力や、税理士としての高い能力が必要となるのです。個人事務所を経営することは高い年収を得る可能性もありますが、リスクもあることを念頭に置いておきましょう。

後継がいない税理士事務所近辺を狙う

もしも個人事務所を立ち上げることを計画している人は、開業したい地域周辺に税理士事務所はないか、またすでに税理士事務所があった場合にはその事務所の後継者がいないかをチェックしておきましょう。

すでに税理士事務所がある地域では、その辺一帯の法人や個人事業主はもう契約されてしまっていることがほどんどです。その状態で新しく開業しても、税理士の契約を乗り換えてくれる可能性は低いでしょう。

そこで、後継がいない税理士事務所近辺ならば、先が長くない税理士よりも新しく参入してきた税理士に勝機があるはずです。このように個人事務所を開業する場合には作戦を立てて狙っていきましょう。

得意分野=儲かる分野を極めていく

税理士として儲けたい人は、自分の得意な分野を極めていくことが大切です。例えば「節税に関する知識は誰にも負けない」といった自負がある場合、それを強みとして宣伝活動をおこなっていきましょう。

そして得意な分野をさらに高めていくことで、その分野に特化した税理士として確立し、より高度な案件を獲得できるようになります。つまり、「得意分野=儲かる分野」だといえるでしょう。

税理士でも儲かる分野を探究していこう

今回は、税理士のこれからの動向や報酬の内訳、儲かる分野について解説しました。

税理士は、中小の税理士法人に雇われているだけでは儲かりません。しかし、大手の税理士法人で昇進していければ高額な年収を手に入れることが可能です。

さらに個人事務所を立ち上げて独立を考えている場合には、自分の得意分野を伸ばしていき「特化型税理士」になることが儲かるための手段だといえます。ぜひ、自分の強みを見つけてその分野を高めていきましょう。