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山形輝雄(やまがたてるお) / 税理士

山形税理士事務所&C

コラム

事業承継でM&Aが活用される理由と件数

2019年12月27日

テーマ:事業承継の対策

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 事業承継問題

日本の高齢化に伴い、経営者の年齢も上がっています。また60歳以上の経営者の約半分に後継者がいないといったデータがあります。
こういった背景から、最近では事業承継の形も変わりつつあるようです。今回は事業承継で多用されるようになっているM&Aについてご紹介します。

そもそも事業承継においてM&Aが増えつつある理由

平成29年2月、中小企業庁財務課が発表した「中小企業の事業承継の現状について」によると、1995年に47歳だった中小企業の経営者年齢のピークは、20年後に2015年には66歳とほぼ20歳も上がっています。また「社長年齢別に見た、後継者決定状況」を見ると、60歳以上の経営者のほぼ半数である48.7%が後継者はいないという状況になっています。

そもそも事業承継とは、自分が信頼する後継者に会社を引き継ぐことを意味します。そして事業承継の方法は、親族への承継、親族外への承継、そしてM&Aによる承継の3つです。以前であれば親族や親族外承継が一般的であり、特に中小企業であれば、事業承継のほとんどは親族や親族外へ引き継ぐことが当たり前の時代が長く続いていました。

しかし近年、冒頭でも触れたように経営者の高齢化や後継者の不在などにより親族や親族外への引き継ぎは減少しつつあります。後継者がいないという場合、経営者が取る方法は廃業、上場(未上場の場合)、M&Aの3つしかありません。

廃業に関しては、前出の中小企業庁財務課が発表した資料によると、60代以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しているという現実があります。しかし廃業をしてしまえば、残された社員が路頭に迷うことになるリスクが高いこともあり、できれば避けたい選択でしょう。

また上場は、利益や内部管理など厳しい基準を超えなくてはならないため、簡単に選択することはできません。そこで最後の手段として、M&Aを選択する経営者が増えているのです。

ほかにも業種にもよりますが、日本が少子高齢化社会となり市場が成熟してしまったこともあり、日本市場から海外へ展開していくために海外企業とのM&Aを行うようになっているのも、M&A増加の要因の一つといえます。

事業承継で増えつつあるM&Aとは?

前項で、M&Aが事業承継で増えつつある理由についてご説明しました。このM&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、日本語にすると「合併と買収」という意味です。企業の合併や買収と言い換えれば、よくニュースでも見聞きする言葉ではないでしょうか。

従来、M&Aといえば誰もが知っているような大企業同士が行うのが一般的でした。しかし前述したように、最近では中小企業でもM&Aによる事業承継が行われることも珍しくなくなっています。

実際、M&A情報・データサイトのMARR Onlineの調べによると、2018年8月の時点で、上半期は前年比32%増のペースで推移していて、年間では3,600件近くになるのではと予測しています。経営者の高齢化が進み、後継者不足は今後も変わらない、もしくは今よりさらに厳しくなると予測されていることから、この傾向はさらに進んでいくと思われます。

M&A

事業承継におけるM&Aの種類

ひと口にM&Aといってもその種類はさまざまです。そこで具体的なM&Aの種類についてご説明します。事業承継で用いられるM&Aは、「株式譲渡」「事業譲渡」「会社分割」の大きく3つに分けられます。では、それぞれについて詳しくみていきましょう。

【株式譲渡】
売り手が買い手に対し、自身が所有する株式を売却し、その対価として現金を受け取ることで経営権を譲渡する方法です。

この方法のメリットは、株主と経営者が変わるだけであり、社内的にも対外的にも大きな変化がないため、手続きや事業転換といった手間とコストがかからないことです。

社内だけで手続きが完了することも、大きなメリットといえるでしょう。M&Aの中でももっとも簡便な手続きで事業承継を終えられることから、中小企業で多く活用されるM&Aの方法です。

【事業譲渡】
事業譲渡も、株式譲渡に次いで中小企業のM&Aで活用される方法です。事業譲渡は、一部もしくはすべての事業を売買する方法で、株式譲渡のように「債務や簿外債務もすべて引き継がなくてはいけない」というリスクを避けられるため、買い手にとってもメリットが大きいM&Aだといえます。

ただし、契約や債券債務について、それぞれ個別に引継ぎに対する同意を得なければならず、手続きが煩雑になってしまうというデメリットもあります。

【会社分割】
「会社のすべてを承継するわけではない」という点において、事業承継に近いM&Aの方法です。

会社分割は、新たに設立する新会社に対し、事業に関して有する権利や義務を承継することを「新設分割」、既存の他の会社に承継する場合を「吸収分割」といい、2つの種類があります。

また事業譲渡と違う点については、いくつかありますが、そのなかでも労働承継法で定められている手続きにより、従業員との雇用関係を変えることなくそのまま、まとめて承継できる点は、会社分割によるM&Aの大きなメリットといえるでしょう。

どの方法もメリット、デメリットがあり、この方法であれば間違いないということはありません。またどの方法で事業承継をするとしても、相手があってのことのため、自分たちだけですべてを決めることはできません。そのため、M&Aに詳しい専門家に相談し、しっかりと検討したうえで、自社にとって最適な方法を選択するようにしましょう。

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