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山形輝雄

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山形輝雄(やまがたてるお) / 税理士

山形税理士事務所&C

コラム

株式譲渡による事業承継とそのメリット

2019年12月13日

テーマ:事業承継の対策

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 事業承継問題

中小企業がM&Aで事業承継を行う際の株式譲渡とはどういったものなのか、株式譲渡による事業承継のメリットとデメリット、そして実際に株式譲渡で事業承継を行う際の流れまでをご紹介します。

そもそも株式譲渡とはどういったものなのか?

事業承継は親族、もしくは親族外から後継者を指名して承継する方法と、複数の会社での合併、もしくは別の会社に買い取ってもらう方法、いわゆるM&Aの大きく3つに分けられます。

この際の取引の多くは株式譲渡によって行われますが、特に中小企業が事業承継を行う際の方法として、株式譲渡はもっとも多く使われています。

株式譲渡とは、その言葉通り、会社のオーナーが保有する自社の株式を買い手に譲渡することで経営を承継するための手続きです。

M&Aには提携、経営統合などいくつかの方法があります。そのなかでも株式譲渡によるM&Aは、売り手、買い手の双方が合意した内容の株式譲渡契約書を締結し、株式の対価が支払われた時点で株主名簿を書き換えるだけの簡便な取引であることから、中小企業のM&Aにおいて多用されています。

「なぜ中小企業の事業承継で株式譲渡が多用されているか」の理由としては、筆頭株主と経営に直接かかわっている取締役が、同一人物であることがほとんどであることが挙げられます。

経営者として事業承継を考えた際、まずは株式を後継者に譲渡することで、会社に対する影響力を弱めていきます。そうすることで、事業承継をスムーズに進めやすくなることから、中小企業の事業承継において株式譲渡が多用されているのです。

事業承継

株式譲渡で事業承継を行うことのメリットとデメリット

ほかのM&Aに比べ簡便な取引で事業承継が行えることから、特に中小企業で多用される株式譲渡ですが、取引が簡便であること以外にも次のようなメリットがあります。

1.経営者が老後の資金を得られる
株式譲渡を売買で行う場合、株式の対価として受け取るのは現金です。事業承継を行う理由はさまざまですが、高齢による引退が理由の場合、老後の資金を現金で受け取れることは大きなメリットといえます。

2.会社の事業は変わらずに継続できる
株式譲渡による事業承継は分割や合併と違い、原則として株主が変わるだけで、現在行っている事業を辞めたり、ほかの事業に転換したりといったことはなく、事業はそのまま継続し、従業員への影響はほとんどありません。

3.法律上の制約が少ない
株式のやり取りにより株主が変わるだけのため、売り手であるオーナーの資産、負債の増減はなく、契約関係はもちろん、行政上の許認可の影響もありません。そのため許認可や取引先との契約も変わることなく継続でき、対外的にも影響はほとんどありません。

ここまで株式譲渡による事業承継のメリットをご紹介してきましたが、少なからずデメリットも存在します。

ただし売り手側のデメリットは、株式の売却益によって課税が発生するぐらいです。問題は売り手ではなく、買い手側にデメリットがあり、そのことが「株式譲渡による事業承継は簡単ではない」といわれている理由のひとつでもあります。具体的には次の通りです。

1.債券や債務もすべて引き継がれる
株式譲渡は、その会社のすべてを引き継ぐことになるため、債券や債務があればそれもすべて引き継ぐことになります。

2.簿外債務も引き継がれる
株式譲渡を行う上で、十分な調査をしたつもりであっても、株式譲渡後に帳簿上に表れない債務、いわゆる簿外債務が発覚する可能性はゼロではありません。株式譲渡では、簿外債務があった場合でもすべて引き継がなければなりません。

3.買収資金を用意しなければならない
株式譲渡のメリットで、売り手側は株式の対価として現金を受け取れるとしました。これは、逆に買い手側は買収するための現金を用意しなければならないということです。

これらのことから、株式譲渡による事業譲渡を行うことは、買い手側のほうに大きなリスクがあることがわかります。そのため株式譲渡を行う際は、売り手側が買い手側に対し簿外債務も含め、債務を明確に提示することが重要です。

株式譲渡で事業承継を行う際の流れ

株式譲渡で事業承継を行う場合、取締役会があるかないかでその流れは異なります。株式譲渡を行うには、会社の承諾を得ることが会社法第139条で定められています。そしてこの承諾を得るための手続きが、取締役会がある会社は取締役会で、ない会社は株主総会によって行われます。

取締役会、もしくは臨時取締役会で株式譲渡の承認を得たら、後の手続きは基本的に取締役会がある会社でもない会社でも変わらず、次のような手続きで進めていきます。

・株式譲渡契約の通知
・株式譲渡契約の締結
・株主名義書換請求
・株主名義の書き換え作業
・株主名簿記載事項証明書の請求
・株主名簿記載事項証明書の交付

これらの手続きを行うことで、株式譲渡による事業承継が行われます。

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