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コラム

在宅介護に向けた家づくりは女性の目線が必要

団塊世代の家づくり

2016年11月16日

在宅介護しやすい家の動線

≪在宅介護に向けた家づくりは女性の目線が必要≫
2016年の日本の人口の約1割を占める団塊世代が、介護する側からされる側に移行しつつあります。
老人ホームなどの介護施設に入所する人もいますが、団塊世代の多くは自宅で介護を受けながらの生活を望んでいます。
住み慣れた家で、愛する家族に囲まれながら介護を受けたいと願う気持ちは、どなたも同じでしょう。
実際に介護をどこで受けたいかを尋ねた調査によると、4割近くが自宅で受けたいと答えています。
また、同じ調査では男性の方がその傾向が強いことも分かっています。
一方、介護する人は介護を受ける人の配偶者が最も多く、続いて子、子の配偶者となり、中でも約7割が在宅時間の長い女性となっています。
しかし在宅介護は体力が必要な場面も多く、女性一人での介護には限界があります。
部屋から散歩に連れ出す際の身支度や、階段の上り下りだけでも一苦労、というのが現実でしょう。
だからこそ、今後は団塊世代を家族に持つ家庭の家づくりには、在宅介護のしやすい、されやすい設計が必要です。
≪在宅介護のしやすさは動線がポイント≫
家を建てようと計画された時から将来の在宅介護を踏まえつつ考えることができるなら、それに越したことはありません。
しかしながら、まだ健康で元気なうちから完璧すぎる介護環境を作ってしまうと、臨機応変な変更がきかなくなる恐れがあるため、将来設計は大まかに決めておく方が無難です。
たとえば、どの部屋にベッドを置くか、どうやって外に出るか、車いすでどこを通るかなどをイメージしておけば、間取りの計画も変わってくると思います。
大まかな将来設計に留めておくことで、いざ在宅介護が必要になったときに、必要な部分だけをリフォームすることができます。
一方、トイレや脱衣所を広く取ったり、段差をなくしたりといったバリアフリーは、どんな人でも住みやすい環境なので最初から取り入れることをおすすめします。
団塊世代が介護を受けるとき、どこをどのように通ってどこへ行くかという生活動線をイメージすることは、在宅介護のしやすい家づくりに欠かせないポイントです。
在宅医療を受けやすい住環境
≪団塊世代が整えるべき住環境とは≫
介護が必要な団塊世代の多くが、在宅医療を望んでいます。
その一方で、現時点ではまだ健康で、そんな必要は無いと考える団塊世代も多くおられますが、長い先行きを考えれば、どうしても備えは必要です。
将来的に自宅で最期を迎えたいと考えている人はなおさら、住環境の準備は必要でしょう。
在宅医療は、自宅に医師が訪問し診察をするだけではありません。
介護士や家族が介護にあたることをあらかじめ想定した造りにしておかなければなりません。
自宅のリフォーム、あるいは在宅医療にふさわしい住環境を備えた終の住まいを設計するには、相応の時間がかかるので、まだ元気なうちに準備をしておくことが大切です。
≪住環境はどう整備すればよいか≫
在宅医療の観点で自宅をリフォームする場合、介護を受ける団塊世代とその家族、そして訪問する医師や介護士の3つの視点で住環境を考えることが大切です。
まず、介護を受ける団塊世代は、住み慣れた家で、家族が常に側にいる環境で介護・医療を受けたいという要望があります。
家族も、最期まで自宅で見届けてあげたいという思いがあります。
しかし、介護には現在の住宅のドア幅では入らない大型の医療機器が必要になったり、ただベッドから下ろすだけでかなりの体力が必要だったりという現実を前にすると、躊躇してしまいがちです。
訪問介護士の立場から見ても、専門的な介護をメインで行うことになりますから、在宅医療をしやすい住環境を整えてほしいという要望は切実なものとなります。
常に家族がそばにいる環境で介護・医療を受けたいという思いは、基本となる住環境が整っていなければ成し得ないことなのです。
現在建設される家の多くは、ファミリー層などの核家族に向けた狭い家です。
しかし、在宅医療に必要なのは、介護者と被介護者の双方が動きやすく負担のない環境です。
団塊世代の人は今、人生の最期を見据えた終の住まいをどうすべきかという課題に向き合う時期にあると考えます。

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