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岸本貴史

職場を「人生を豊かにする場」に変えるプロ

岸本貴史(きしもとたかし)

トラスト・パートナーズ社労士事務所

コラム

人材確保のために賃金を引き上げる際に注意すべきことは?

人材確保・育成

2017年1月8日 / 2018年3月21日更新

最近、「募集をかけても人材が集まらないので、賃金を引き上げようと思うのですがどうでしょうか?」という相談をよく受けます。

こうした相談に対してわたしは、「賃金を引き上げることで、求人の際に目に留まる可能性は高くなりますね。人材確保の方法としてもわかりやすくて効果的です。ただ、賃金を上げることで人件費が予想以上に増えてしまう可能性がありますので、事前に将来的な経営への影響も検討しておきませんか?」とお伝えしています。

最低限検討しておきたいことは4つあります。

1つめは、「賃金を引き上げる以外に方法はないか」です。賃金を引き上げることは簡単ですが、一度引き上げた賃金を引き下げることは想像以上に困難です。「他の会社とはここが違う」「ここだけはどこにも負けない」といった賃金を引き上げる以外に人材を惹きつける手段があれば、お金をかけずに安定的な人材確保も見込めるため、まず検討します。それでも賃金を引き上げるとなった場合は、引き上げる際の社員への説明の仕方を検討します。

2つめは、「引き上げる賃金の種類」です。基本給を引き上げるのか、それとも基本給以外の手当を引き上げるのか、今回なぜ賃金を引き上げるのか?という目的に合った賃金の種類で実施する方が当然効果的です。また、どの種類で引き上げるかによって賞与や残業単価などを含めた将来的な人件費に大きな差がでます。

3つめは、「引き上げる社員の範囲」です。これから入社してくる正社員のみを対象とするのか、既存社員も含めた正社員全員を対象とするのか、パートやアルバイト社員はどうするのか、などを検討します。一部の社員のみ引き上げる場合は、引き上げない社員への理解の求め方も考えましょう。

4つめは、「引き上げによる人件費の増加予測」です。「引き上げる賃金の種類」と「引き上げる社員の範囲」が決まれば、引き上げによる人件費の増加額の試算をしておきましょう。試算はある程度ざっくりとでも構いませんが、賞与や社会保険料の会社負担分の増加は考慮しておかなければ後々頭を抱えることになるかもしれません。また、「引き上げ直後」という短期的な試算だけでなく、「5年後」「10年後」など中長期的な試算を行った上で、実現可能かどうかや実施時期を判断する必要があります。

この4つのことは、給与を引き上げる前に最低限検討しておいた方が、数年後の「困った…」という状況を防ぐことに繋がります。

直近の人材不足解消のためには賃金の引き上げは即効性があります。ただ、中長期的な視点から、「課題解決に繋がる賃金の引き上げになっているか?」「後々の経営の足かせにならないか?」ということも検討しておくことが必要ではないでしょうか。

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