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コラム

不動産 利回りの仕組み

収益物件

2016年9月29日 / 2016年10月14日更新

 不動産の利回りにはいくつか種類があります。
 しかも、その種類の違いは、とても重要です。
 今回はその考え方と注意点をまとめてみました。

利回りの基本


 不動産の利回りは、分数式で表すと分子が収入、分母が不動産価格という、収益不動産の収益力を示す投資指標です。
 分子の収入期間は1年間が一般的で、月間だと月利の利回りになります。
 また、収入には保有時の収入であるインカムゲインと、売却時の収入であるキャピタルゲインがあります。
 正確には、利回りはインカムゲインとキャピタルゲインを合わせた収入をベースに計算するのですが、キャピタルゲインまで含めると説明がややこしくなるので、今回はインカムゲインだけに限定した内容にします。
 利回りは、数字が大きいほど投資金額当たりの収益力が高くなりますが、リスクも大きくなります。ここでいうリスクとは、最良のときと最悪のときとの収益のブレのことです。反対に、数字が小さいほど収益力は低くなりますが、リスクも小さく、安定した収益が期待できると考えられます。
 収入、不動産価格、利回りの種類をまとめたのが次の表です。



※クリックすると大きく表示されます。

 ご覧のように、収入と不動産価格にはいくつか種類があり、収入を分子、不動産価格を分母とした組み合わせで利回りが決まります。
 不動産広告などで皆さんがよく目にするのは、表面利回りです。
 しかし、不動産の投資分析では、表面利回りではなく、分子が運営純収益(NOI)、分母が税抜き売買価格である、NOI利回りを使用します。Jリートで公表される利回りもNOI利回りか還元利回りです。
 投資分析でNOI利回りを使用するのは、不動産投資は、収益を獲得することを目的として資本を投下するため、最低限、収益物件の運営上で必要な費用を差し引いたNOIでなければ、投資家が獲得する取り分がわからないからです。
 NOIは、会社でいう利益にあたります。
 なんぼ儲かっているか?
 それがわかるのがNOI利回りなのです。
 表面利回りは、売上高がわかりますが、そこから管理費や固定資産税なんかを払わなければいけませんから、費用が多すぎると、もしかするとNOIはマイナスかもしれません。
 空室が多い物件や、地代を払わなければならない借地権付物件、管理費・水道光熱費が高くなりがちな店舗ビル、湯沸し器など設備の更新を放置している物件など、NOIがマイナスになっていないか注意しないといけない例はいくらでもあります。
 表面利回りだけでは、収益物件にとって最も大事な儲けがわからない、と思っておいてください。

満室想定は要注意!


 利回りは収益不動産の投資(または評価)に対してどれだけのリターンがあるかを測定する、大事な目安なのですが、不動産セミナーや広告などで使用される利回りは、いまひとつ定義がはっきりしません。
 あやしい表現や、リターンが過大に誤解されるように表示されているものも多く目にしますが、それを規制するルールがないのが現状です。
 例えば、満室想定。
 満室想定では、現状に空室がある場合、空室部分は想定の賃料が計上されています。空室がどれだけあっても、満室想定にすれば空室リスクがわかりません。現状の賃料が安いとされた場合は、稼働部分にも想定の賃料が計上されていることもあります。想定の賃料は、仲介会社などが設定しますが、実際に成約出来る賃料であるかどうかはわかりません。
 プロが投資分析を行う場合でも満室想定は使います。ただ、この場合の満室想定は、収益物件のポテンシャルを知る目的で購入する側がリスク分析のために行う想定であって、目的も内容も全く違うものです。
 不動産広告の満室想定は、まさに「絵に書いた餅」になっています。
 また、「キャップレート」というと、正確にはNOI利回りか、還元利回りのことですが、不動産の利回りは何でも「キャップレート」と表現され、表面利回りと混同して使用されていることも多いので、注意が必要です。

利回りに潜むリスクを見極めるべし!


 収益不動産のポータルサイトで使用されている利回りは、ほとんどが満室想定の表面利回りです。満室想定の表面利回りは分子が大きくなるため、利回りも大きくなります。
 利回りを大きい順に並べると、
表面利回り>NOI利回り>還元利回り
となり、同じ物件でも表面利回りが一番大きく表示されることになります。
 様々な金融商品に投資するプロの投資家であれば、利回りやリスクを判断する基準やスキルがあるのですが、一般の不動産投資家は、他の物件と利回りを比べるくらいしか判断のしようがありません。収益不動産が少ない地方都市になると、比べる作業すら難しくなります。
 ヘタをすると、Jリートの投資法人債を買っておく方が利回りがいい、なんてこともあるかもしれません。
 あ、この場合の利回りは、減価償却後の分配金利回りです。Jリートの平均分配金利回りは3.5%くらいなので、最近の過熱した収益不動産の利回りを考えると、本当におすすめです。

 生き馬の目を抜く不動産投資の世界、利回りの比較では定義の違いや隠されたリスクに注意して、慎重に検討してくださいね。

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