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コラム

長持ちする家は耐震性だけではダメ。家の耐久性を高めるには

耐震住宅

2016年11月10日 / 2018年3月5日更新

日本各地で地震が起こるようになったことから耐震に対する意識が高まり、「長持ちする家」というと「耐震性のある家」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

地震への備えは非常に重要なことではありますが、家を長持ちさせる際の障害になるのは、地震だけではありません。

地震以外に家の寿命を削るものとして、シロアリや湿気などが挙げられます。

これらは、地震のように一瞬にして家屋を倒壊させるようなものではありません。メンテナンスを怠っていると、知らない間にどんどんと被害が進行し、「気づいた時にはもう取り返しのつかないことになっていた」という事態を招いてしまうなど、じわじわと住まいをむしばんでいきます。

また、家を建てる際に行う耐震、防湿、防蟻などの対策は「長持ちする家」のゴールではありません。住む人が丁寧なメンテナンスを行うことによって初めて家は長持ちするのです。

最近、地震の多いこの国で

地震活動が活発になり、日本全国で大小さまざまな規模の地震が起こるようになり、私たちの地震に対する意識が大きく変わりました。

それゆえ、「長持ちする家」というと高い耐震性を備えた家となり、「鉄筋コンクリートの家が良いのではないか」と考える方もおられるでしょう。

しかし、そうとも限りません。
以前のコラムでもお話ししましたように、家の強度で地震の揺れに耐えようとする「耐震性」は、繰り返し地震が起こることで、徐々にその強度が落ちていくことが指摘されつつあります。

地震への備えは重要ですが、家の寿命を縮めるのは地震だけではありません。

今回は、地震以外に家の寿命に影響を与えるものを紹介しながら、「どうすれば、長持ちする家を建てられるか」についてお話しいたします。

地震以外で、家の寿命を脅かす2つの要素

地震以外に家の寿命を脅かす大きな要素を2つ挙げます。それは、シロアリと湿気です。

まずシロアリは、基本的に床下の基礎部分から上がってくるので、「ベタ基礎」と呼ばれる土壌に接している「ベース部分」一面を、鉄筋コンクリートで打つ工法を用いることで効果を期待できます。

この際、「ベース部分」と「立ち上がり部分」をいっぺんに打ってしまう「一体打ち」を行うことで、その隙間からシロアリが侵入することを防ぐことができます。

また、シロアリは湿気の多いところを好む性質があるので、なるべく地盤から高いところに家の土台を造ることで、床下を風通し良く、点検しやすい状態に保つことが必要です。

柱や土台に、シロアリが好むホワイトウッドや集成材などは絶対に避けましょう。スギやヒノキの芯持ち材を使うことなどが、蟻害を防ぐ上では有効です。




続いて湿気についてですが、今回は「なぜ、湿気が家にとって良くないのか?」ということを中心にお話ししたいと思います。

さきほどの「シロアリが湿気を好む」ということや、カビなどによる健康被害の原因になることも大きな理由の一つですが、湿気が家にもたらす最大の被害は、木を腐らせ、鉄を錆びさせるなど、家の耐久性そのものを著しく脅かすことにあります。

なお、鉄筋コンクリートであれば「腐ることも、錆びることもない」と安心できるわけではありません。

コンクリートの主成分は水酸化カルシウムで、この水酸化カルシウムは水蒸気や結露がコンクリート内部に蓄積すると溶解し、内部から徐々に劣化していきます。

家を建てる際は材質の熱伝導率などに注意して、目に見えない壁内結露を起こさないよう防湿対策を行わなくてはなりません。




住む人が家をメンテナンスすることが耐久性を高める

最後に、家を持つ方に忘れないでいただきたいことについてお話しいたします。

それは、家を建てる際に施工者がどれだけ細心の注意を払っても、そこに住む人が何もメンテナンスをしなければ家の寿命はどんどんと短くなっていく、ということです。

“メンテナンス”というと大げさに聞こえますが、例えばシロアリ対策なら床下を見て、シロアリの痕跡(痕跡はすぐに分かります。見分け方は『家づくり計画セミナー』でもお話しています。)がないかを探す、防湿対策なら晴れた日に窓を開けて「換気」をすることも立派なメンテナンスです。

今回ご紹介したシロアリも湿気も、地震のように一瞬で家屋を倒壊させてしまうような威力はありません。

しかし、チェックや手入れを怠っていると、知らない間にどんどんと被害が進行し、「気づいた時には、もう取り返しのつかないことになっていた」といった事態を招いてしまいます。

人間にも健康診断があるように、家もこまめにその状態を点検して、異変に気づいたらすぐに専門家に相談するなどの対処を行うことが必要です。

きちんと造られた木造建築は、住む人が丁寧なメンテナンスを行えば「100年はもつ」と言われています。

これから家を建てる方々は、いろんな不安や疑問を抱えていらっしゃると思います。
それらを施工者と共有し、解決策を見出して家を建てていくことが大切ですが、それが「長持ちする家」のゴールではありません。

住み始めてからも絶えず愛情を注ぎ、大切に育てていくことが大切です。

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