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伊藤研三

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伊藤研三(いとうけんぞう) / 学習塾

伸学塾 晴藍(せいらん)

コラム

モチベーションの入口と出口

2023年8月24日

テーマ:学び方革新

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

夏休みがもう終わりますね。
お父さん、お母さん、夏休みの
レジャーや毎日のお昼ごはん、
お疲れ様でした。


また夏休み中はお子様と接する
機会が普段より多かったため、

「いろいろ」目について、
「いろいろ」言いたくなった

こともあったかと思います。


保護者の方からのご相談を受ける
こともありますが、その多くは

どうしたら/いつになったら

「やる気になるんでしょうか」
「自分でやるようになりますか」

というものです。


私自身も【言われた側】として
身に覚えがあります(笑)。
ある意味では
「永遠のテーマ」かも、です。


今回はそのようなご相談への回答
する意味も込めて


「モチベーションの入口と出口」
について書いていきます。

今回は「学習モチベーション」
を扱いながら進めていきます。

最後までお付き合いいただける
と嬉しいです。


<入口>

モチベーションの志向性と対応

生徒の日頃の様子や会話、時には
アンケートからモチベーションの
志向性を大きく6つに分類して、
そのタイプごとに対応をしていく
ようにしています。


①充実志向タイプ
 :楽しいから勉強する

・何かができるようになっていく
 ことは楽しいから
・分からないことはそのままにし
 ておきたくないから
・新しいことを知りたいから
・すぐに役に立たないとしても、
 勉強がわかること自体が面白い
 から
・いろいろな知識を身につけた人
 になりたいから
・勉強しないと充実感がないから

<対応>
このタイプは、勉強する意義を
十分に理解しているので、結果
や頑張りについて、タイミング
よく承認しつつ、課題への指摘
を加えていくと充実志向がさら
に刺激されてモチベーションが
高まりやすい。
 

②訓練志向タイプ
 :知力を鍛えるために勉強する

・いろいろな面から物事が考えら
 れるようになるため
・勉強しないと筋道だった考え方
 ができなくなるから
・勉強することは頭の訓練になる
 と思うから
・勉強しないと頭の働きが衰えて
 しまうから
・学習の仕方を身につけるため
・合理的な考え方ができるように
 なるため

<対応>
このタイプは「努力型」という
自己認識を持っていること多い
ため、まず頑張っていることを
しっかり承認して励ましていく
ことが効果的。

加えて、
「過小評価しがちな自己認識」
を正していく「承認声かけ」も
モチベーションアップの重要な
カギとなる。しっかり頑張る
自分を正当に評価させる
ことも重要なポイントになる。


③実用志向タイプ
:仕事等に生かすために勉強する

・勉強や技能を使う喜びを味わい
 たいから
・勉強しないと将来仕事の上で困る
 から
・仕事で必要になってから慌てて
 勉強したのでは間に合わないから
・勉強したことは生活の場面で
 役に立つから
・勉強で得た知識は、いずれ仕事
 や生活に役に立つと思うから
・学んだことを将来の仕事にした
 いから

<対応>
このタイプは「長期的」な視点で
物事を捉えていることが多いため、
将来の夢や展望、願望などを雑談
でも触れていくと、インスパイア
し易く、モチベーションも高まり
やすい傾向にある。

さらに予想外の広がっていくこと
もあり、自由に将来像をイメージ
させていくと、興味・関心自体も
広がっていくことが多い。


④関係志向タイプ
:他者につられて勉強する

・友達と一緒に何かしていたい
 から
・他の人がやるから何となく
 当たり前だと思って
・親や好きな先生に認めてもらい
 たいから
・みんながすることをやらないと
 おかしいような気がして
・勉強しないと親や先生に悪いよ
 うな気がして
・周りの人がよく勉強するので、
 それにつられて

<対応>
このタイプは「主体性」が
ないとも言えるが、見方を
変えると「とても素直」
とも言える。

最初はその素直さを刺激して
行動のペースや習慣を創って
しまうことが得策。その後に
少しの変化や成果を適宜承認
して、本人に認識させていく
ようにする。すると
「成長実感」が芽生え、
モチベーションが高まりやすい。


⑤自尊志向タイプ
:自尊心から勉強する

・ライバルに負けたくないから
・勉強が人並にできないと、自信
 がなくなってしまうから
・成績が良いと人より優れている
 ような気持ちになれるから
・勉強して良い学校を出た方が、
 立派な人だと思われるから
・勉強が人並みにできないのは
 悔しいから
・成績が良ければ仲間から尊敬
 されると思うから

<対応>
このタイプは「両刃の剣」的な
面があり、順調な時は特に問題
なくモチベーションが保てるが、
不調に陥った場合には、他者と
の比較による落ち込み等から
大きなストレスを抱えてしまう
危険がある。

だから早い段階で、
相対評価的な「自尊意識」から
の脱却を図り、どんな環境でも
揺らがない「自意識」に転換
していきたい。成功すると、
モチベーションは高いレベルで
安定していく。

※さらにそれを越えると、
一人ひとりが固有の尊さを
持っていることに思い至り、

「質の高い謙虚さ」
   や
「他者への尊重」

そういう「在り方」が生まれて
くるように思います。

こうなると、モチベーションの
有無はあまり問題にならなく
なっていきます。
これが出口だと思っています。
後ほど再度申し上げます。


⑥報酬志向タイプ
:報酬を得るために勉強する

・学歴がいい方が、社会に出て
 から得なことが多いと思うから
・大人になったときに良い企業に
 就職したいから
・成績が良いとほめてもらえたり
 お小遣いやご褒美がもらえたり
 するから
・勉強しないと叱られるから

<対応>
この志向は多かれ少なかれ誰しも
持っているもので、それ自体は特
に問題ではないが、これを強化し
ていくのは大変危険。

なぜなら自分が制御できない外部
行動でモチベーションが左右され、
それにより他律的な行動になって
しまう危険性があるため。

さらにもっと悪いのは、もともと
持っていた内発的モチベーション
を浸食する可能性すらあること。

これを

「アンダーマイニング効果」

と言います。

***************
注)アンダーマイニング効果

好奇心や喜びなど内発的動機付け
を元に行なったことが、評価され
てご褒美をもらえたりする等の、
外発的動機付けされることで、
いつの間にか「やる気」=内発的
行動のモチベーションが下がって
しまうこと。
***************

本来、自分の好奇心や喜びを満た
すためだったのに、一度お小遣い
やご褒美をあげると、気づけば
お金やご褒美のためにやるという
目的に変わってしまう。

果てはご褒美がもらえなくなると
「やっても意味がない」と思うよ
うになってしまうこともある。

だから、報酬志向を感じたら、
早期に内発的なモチベーションに
転換する/開発することを心掛け
たい。


<入口>→<出口>

志向性の6分類についてみてき
ましたが、

①から⑥に向かうにしたがって
「内発→外発」となり、

モチベーションの不安定さや
低下の危険性が高まっている、
と申し上げてきました。

では、
いかに内発的モチベーションを
高めるか。

内発的モチベーション
を最も効果的に高めるのは、

「達成感や喜びを伴った
 行動・経験を積むこと」

その最も身近な方法は…実は…

「自分で計画的に勉強して、
 満足する結果を創ること」

?!

勉強するモチベーションを高める
ために書き始めた文章でしたが、
結果としては

「とりあえず勉強してみよう!
 やったらモチベーションも
 高まるんだ!」的な感じ?!


何だかコロンブスの卵みたいな
話になってしまいました(笑)
が、申し上げたいポイントは


「モチベーションは
  あるものではなく、
   創るもの!」


これこそが真髄ではないか
と考えています。
さあ、もう出口です。


<出口>

いろいろと書いてきましたが、
言い過ぎを恐れずに申し上げると、
先にも触れましたが

「モチベーションとは在り方」


ということ。


私自身「言われた側」の代表格と
して実感していることは

「自分の外にあるモチベーション
 は、単なる理由と説明だった」

「モチベーションを阻害している
 のは、自分の在り方だった」

「グズグズ言い訳、クドクド説明
 してるだけ。それならサッサと
 やった方が早かった」

「四の五の言わず、
  柔軟に、しなやかに、
 したたかに、心折れずに。

 一歩一歩着実にやってると
 何か生まれ出てくるんだ」

という感じです。


あくまで私の情けない実感です。
ただ、反省が多い自分だからこそ、
この仕事をさせていただいている
間に役立たせたいと思っています。


グダグダ長いお話になりました。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

少しでも届けば幸いです。

この記事を書いたプロ

伊藤研三

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伊藤研三(伸学塾 晴藍(せいらん))

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