
コラム
学習効率 大幅アップ!「内言語法」の活用
2023年5月13日
GWはあっという間に過ぎ去り、
中高校生は中間テストの直前。
この土日はあいにくの天気ですが
それでも生徒たちはテスト勉強に
やってくるようです。
テスト勉強と言えば、やはり
「学習効率」をいかに上げるか、
言い換えると
いかに効率よく記憶を定着させ、
インプット・アウトプットを
自由自在のレベルにもっていくか
がポイントになります。
そこで今回は、
学習効率を上げる方法の一つ
「内言語法」
について書いてみます。
※我々は無意識のうちに自分自身
に語りかけており、これを心理学
では、「内言語」と呼び、思考の
ための手段として、声を出さずに
心の中で用いています。
※心理学の領域では
自分自身に語りかけることで感情
の所在と正体が明らかにし、気持ち
を上手くコントロールする方法と
しても活用されています。
学習の領域では、モンタナ大学の
フィリップ・ボーンステイン教授
とランデル・クェベリオン博士が、
子供たちに内言語法で2時間ほど
訓練するだけで、
70~80%ぐらい勉強が出来る
ようになることを発見しました。
しかも、
忘却曲線によれば、
2・3日で60%忘れてしまうのが
普通ですが、
内言語法を使うことで、
その子供たちは19日たっても
10%しか忘れていなかったそう。
この実験結果は凄すぎて、
「ホンマでっか?感」すら(笑)
漂いますが、これまで指導して
きた経験に照らし合わせてみて
も「内言語法」が学習効率を
高めることは確かだと感じて
います。
※後で具体的な使い方も含め、
詳しくお伝えします。
そもそもこの内言語法というのは
超シンプルに言えば
問題を解いているときに
「これどうやって解くんやった?
あ、そうそうあの公式やな!」
「…で、次はどうするんだっけ?
…求めたいのは○○だから、
それを求めるにはまず△△を
出す必要があるな…」
「よし、できた!できた!」
等と「自問自答」する感じです。
このように自分自身に
積極的に語りかけることによって
理解や記憶が促進されますので、
これを意識的に使うようにすると
学習効率が飛躍的にアップして
いくと言われています。
またこれは私の印象ですが、
成績が良い人はこれを無意識の内
にすでに使っていると感じること
があります。
というのは、成績の良い人は
「解っていること」
と
「解っていないこと」
の境界がハッキリしているので、
「ここまでは〇」「この先は×」
が解っていて、質問も明確です。
そして、
ピンポイントで質問し、
課題をどんどん解決していく
ので、
【学習効率が良く】
【結果もしっかり創り】
だから、
【やってて楽しくて】
【次も楽しみになっていく】
この好循環が生まれます。
成績の良い人の秘密はそこにも
ありそうです。
ですので、
これらのことを踏まえて
強く申し上げたいのは、
【いっそ勉強するなら
いつも・絶えず・必ず
自分と会話するように
してみてください!】
ということです。
もっと言えば
いや、そうしないと損ですよ!
とまで言いたくなるほどです。
是非是非活用してみてください。
お願いいたします!
そして、ここからは、
実際にやっていただくために、
少し具体的に書いていきます。
「自分と会話する」って言うと
よく分からない感じですが、
具体的には
「自分の中にもう一人自分を
創って、コーチ役にして
思ったことを言い合う」
イメージです。
【具体的な内言語法の使い方】
あなたの中に
もう一人の自分=コーチを
つくって
「解法の手順」「理解の度合」
「記憶の深さ」などをチェック
していきます。
例)「解法の手順」
「そう『今~している』やから
現在進行形やな…、それで…
その疑問文やから、be動詞を
文頭に持ってくる…そう!!」
「この設問は何を尋ねてるの?
意図は?不定詞なら用法は?」
「解くには何を使わなあかん?」
「以前よく似た問題やったな…
そう木曜日塾でやったぞ…」
「ヒントない?よく見回してみ
見落としてない?」
「勘違いしてないか、もう一度
冷静に見直してみ」
「その解答のままでいいか?
この解答にした根拠は?」
例)「理解の度合い」
教科書内容を理解したり、
読解の文章を読んだりする
場合には読みながら
「どこがよくわからないの?」
「それを理解するには、何する?
まずは最後まで読んでみる?
辞典で調べる?それとも、
誰かに聞く?」
「要するに、何を言ってるの?」
「意見や主張と補足や具体例と
意識して区別しとこな」
「具体的にどういうこと?どこか
言い換えてる部分ないかな?」
「対応関係にある箇所はない?」
「なぜそう言えるの?根拠は?
どこに書いてある?」
「他と関係してない?」
例)記憶の深さ
「まずしっかり理解した?
ストーリー展開できる?」
「他の何かと関連してない?
関連事項は繋がってる?
足利義満-北山文化-金閣
-勘合貿易-日明-倭寇…」
「本当に覚えた?大丈夫か?
じゃあテストしよか?」
こんなイメージです。
いかがですか?
時に叱咤、時に激励し、
自分自身と会話しながら、
【二人三脚的に】
楽しんで邁進していって
いただけると嬉しいです。
実は、普通に問題を解いたり、
教科書を読むだけではなかなか
頭に残りません。
その理由は…
自分の頭の中、思考が
【受動的】だからです。
その【受動的】を【能動的】に
変えていく最適の方法が、
今回申し上げた
【内言語法】です。
自分で自分に質問することで、
より能動的・積極的な勉強が
できるようになります。
その結果、学習効率が劇的に
上がります。
少し意識するだけですので、
是非やってみてください。
これ以外にも、「耳栓音読法」
など、ご紹介したい効果的な
学習法もあるのですが、次回
以降にまたお伝えいたします。
今回も長々と書きましたが、
何か少しでもお役に立つ内容が
あれば幸いです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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