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伊藤研三

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伊藤研三(いとうけんぞう) / 学習塾

伸学塾 晴藍(せいらん)

コラム

おススメ勉強法シリーズ ~「記憶法」アラカルト~

2022年11月23日

テーマ:学び方革新

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

以前「〇〇のススメ」と題して
勉強の仕方を紹介していました。

今回は久々にそのシリーズです。
勉強法は、個人の特性に応じて
本当に様々で、自分に合うもの
を探していくことが大事。

いろいろと試行錯誤しながら、
自分独自の方法を編み出して
いただきたいと思います。

自分流の勉強方法を編み出すこと
が、勉強する楽しさ、醍醐味とも
言えるかもしれません。

今回は「記憶法」アラカルト。

「なかなか覚えられない…」
「~覚えるのが苦手で……」

という方のお役に立つことが
できれば幸いです。

*最新の研究結果では異なる
こともあるかもしれませんが、
その点はご了承ください。

<記憶技術編>

①記憶のメカニズム

【感覚記憶】
目や耳などの感覚器から入力。
意味的処理をしないまま保持
される記憶。保持期間は
10分の1秒~10数秒程度

※この感覚記憶に、興味関心
 や注意を向けると「海馬」
 に送られ、短期記憶になる

【短期記憶】 
一時的に使う記憶。使われている
間だけ保存、不要になると消去。
保存期間は、数分から数日程度だ
と言われています。

※必要だと判断すると、
 「大脳皮質」に送られ、
 長期記憶になる

【長期記憶】
文字通り長期の記憶。滅多なこと
では忘れられません。保存期間は
数年~数十年だと言われています。


②脳の機能(海馬)を活かす
記憶を司る海馬はストレスに弱く
ストレスはIQを10ポイントも
下げると言われています。

*PTSDの患者は左脳26%、
 右脳22%も海馬が小さい
(T・ガービッツ博士)

※「海馬」を活かすためには、
「ワクワク&楽しみ」が重要。
楽しむためには「主体性」がカギ。

※自分から求めた行動が、
 結果的に楽しむ状況を生み、
 それが「海馬」を活性化し、
 記憶にも残りやすくなる。

違う言い方をすると、
自分で工夫することで
「楽しみ」を生み出し、
さらに「楽しみ」が
次の「工夫」を生む。

その【好循環】が創り
出せると、「海馬」も
大いに活性化される。

③記憶の楽観主義を活かす
記憶の楽観主義とは
『記憶は、嫌な感情や苦痛を
 伴ったことはドンドン忘れ、
 ハッピーな感情を伴ったこと
 は忘れない傾向』のこと。

これを活かすためには、
前向きに、ワクワク・ドキドキ
しながら実行することが重要!
嫌々行うと、
せっかく覚えても忘れてしまう
ことが多い。

※ワクワク感・ドキドキ感を
「演出する工夫」がカギ!
例えば、
〇時△分までに英単語を20個
憶えてテスト。満点ならおやつ
ゲットなど。満点取れなかった
おやつはキャリーオーバー、等
の設定も演出の一つ。

④レベルに応じた学習
【機械的記憶】(単純な丸暗記)
 ほとんど知らない領域について
 学習する時や、年齢が低い場合
 に有効となる。
【図式的学習】(イメージ学習)
 図表やチャンク(かたまり)で
 イメージを理解し、覚える。
【論理的学習】(意味理解学習)
 論理的に結び付けて考え、個別
 の知識を増やしつつ、全体大枠
 を理解していく。

※自分のレベルを認識し、適切な
 方法からステップアップさせる。

⑤イメージ記憶の活用
大学生に普通の丸暗記とイメージ
暗記をやらせて、その結果を比較
すると、イメージ記憶の方が3倍
も記憶力が良くなる、という実験
結果もあります。
*心理学者アラン・パイボ博士と
ファイン・デスロッチャー博士

学生に25時間のイメージ訓練を
やらせることで、知能指数を20
も上げることに成功した。
*チャールズ・ラインナート博士

※イメージ訓練とは
太陽、川、山等、とにかく何か
の対象を決めて、それを心の中
で鮮明に思い浮かべる訓練。

慣れない人は、画集や写真集等
を見本に頭の中でイメージする
習慣をつけていくと良い。

⑥チャンク(まとまり)をつくる
バラバラで、孤立している記憶は
「覚えにくくて、忘れやすい」と
言われているので、意味チャンク
(かたまり)をつくる。

例)足利義満
室町幕府3代将軍、北山文化、
鹿苑寺金閣、日明(勘合)貿易
―勘合符―倭寇)、南北朝合一
…ついでに、アニメ一休さんに
出演(?)

知識がネットワーク化すると
さらに良し。「つながり」が
知識を広げていく。

英語の語源から単語を覚える
方法も有効。

例えば、野球のバット。
bat/bate(語源:打つ)
batter (打者) battle(戦闘)
combat(com:共に/bate:打つ)
→共に打ち合う=戦い、戦う
dembate(de:離れて/bate:打つ)
 →離れた意見で打つ=討論する

などに広げていくと、覚えやすい
し、忘れにくい。

⑦意味を見出す
⑥にも関連する実験結果で
『意味を持った事柄は、いったん
 記憶すれば、記憶保持率が60%
 までしか低下しないのに対し、
 意味の分かっていない事柄は
 記憶保持率は30%以下になる」
 *心理学者ホブランド

例)Bicycle=自転車
   bi(2つ)+cycle(車輪)
  Monocycle=一輪車
   mono(単一)+cycle
  Tricycle=三輪車
   tri(3つ)+cycle

⑧独自の記憶法を編み出す
これを利用している事柄は沢山
ある。頭文字や略字、符丁など
をうまく活用するパターン。

GPS
(Global Positioning System)
報連相(報告、連絡、相談)
PDCA
(Plan―Do―Check―Action)

このようなゴロ合わせや略字等で
自分独自の傑作が思い浮かべば、
もう忘れない、忘れられない!

<記憶行動編>

①机の上に何も置かない
余分な情報をカットし、意識の
分散を防ぎ、高い集中をもたらす
ために、極力何も置かない。
また
部屋の装飾(ポスターや人形等)
も視界に入らないところに置く
こともよい。

②達成意識を高める
目標設定することはもちろん、
それ以上の強制力を働かせること
も有効。自分を叱咤激励する何ら
かの緊張やプレッシャーも必要。

それで言うと、
自己肯定感が後押しすることが
理想的。言わば、自分に対して
【できて当然】の水準を上げて
「これくらいできるはず!」
くらいの意識をもって取り組む。

※できない自分や諦める自分と
 決別し【自分を磨きあげる】
 意識と決意でやり抜く!


③アウトプット意識で吸収する
記憶するときには、
「他人に語るという目的意識」を
もつことで、学び方が変わる。

例えば、先生役と生徒役に扮して
会話するロープレをしてみる。
すると、単なる知識記憶ではなく
ストーリーとして吸収しやすい。

例えば、
A:聖武天皇は、疫病や災害等
  で混乱する国を仏教の力を
  使って治めようとした
B;今もコロナで大変やけど、
  昔はもっと大変かも。
A:そうそう、なので東大寺を
  筆頭に国分寺や国分尼寺を
  造っていった。
B:東大寺と言えば、正倉院。
  正倉院の中には聖武天皇の
  宝物が収められてて、当時
  の年号「天平」をとって、
  天平文化って言う…
などなど、ストーリーテラーに
なり切ってみるのも面白い。

※アウトプットを伴わないものは、
意識の根底に「適当感」がこびり
ついていることが多く見られる。
だから、
実際に話すというアウトプットの
プロセスや意識を取り入れることで、
記憶が確かなものになりやすい。

※「読む」と豊かに、
 「書く」と確かに、
 「話す」と機敏になる

と言われている。

④時に目をつぶりながら覚える
目を開けているとたくさんの情報
が飛び込んできて、一つのことに
集中しきれないことがある。

「机の上に物を置かないこと」と
同様に、余分な情報をカットする
意味でも有効。また目をつぶると、
直感やひらめきに関係の深い
「α波」が出やすい。そのため、
記憶力もが高まると言われている。

 
⑤大きな赤字で書きなおす
A赤は我々の注意を喚起しやすい。
B赤ペンに持ち替えるという動作
 そのものに「これは重要だ」と
 自分に言い聞かせる効果もある。
C大きな字で見やすくさせるだけ
 でなく、余白を大きく使うこと
 で、使用済みのノートがたまり、
 「自分はこんなにやったんだ」
 という効果も隠れている。

⑥記憶したらすぐに寝る
夜に記憶した事柄は日中や朝より
も記憶に残りやすいという実験
結果もある。また起きていると
忘却が進むが、眠っていると、
記憶の抜け落ちが防止できる。

だから記憶すべきことは寝る前の
2時間に一気に頭の中に詰め込み、
その後は余計なことをせずに
(スマホやTVを見ずに)
さっさと布団に入る。

⑦(極論)覚えるのをやめる
覚えられないのなら、覚える意識
を捨て『覚えねばならぬ』という
意識を『印象に残す!』に変えて
みる。

「覚えない、印象に残す!!」
これはこれで有効なこともある。



いろいろと書きましたが、
最終的には自分でいろいろ試して
みて、「しっくり」くるやり方を
見つけてほしいと思います。

さらにしばらく続けると
新たな「しっくり」がでてくる
かもしれません。
いろいろとやってみてください。

そういう試行錯誤で身に着けた
自分の流儀は【一生ものの財産】
となります。

以前「音読」記事にも書いたこと
ですが、ポイントは

インプット with アウトプット
アウトプット with インプット

を同時に行う意識が何より重要だと
思っています。

工夫しながら、工夫を楽しみ、
実践しながら、実践を楽しみ、
いろいろ楽しんでください。


久しぶりの投稿だったこともあり、
つい長々と書いてしまいました。
何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

伊藤研三

学ぶ楽しさに出会える場をプロデュースする専門家

伊藤研三(伸学塾 晴藍(せいらん))

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