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伊藤研三

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伊藤研三(いとうけんぞう) / 学習塾

伸学塾 晴藍(せいらん)

コラム

変化する「大学入学共通テスト」! これからの勉強法・スタイルの革新 

2021年6月4日

テーマ:学び方革新

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 勉強法 おすすめ受験勉強 モチベーション大学受験 対策

教育における大きな流れは「知識集約型」教育⇒「知識編集型」教育。
この流れの「源流」であり、かつ「結果」として敏感に反映されるのは
「大学入試」の出題傾向と言えます。さらに一連の高校および中学入試、
小中高の教科書内容、指導要領等にも大きな影響を与えています。

※根底には、現代の課題、「来るべきSociety5.0で活躍できる人財づくり」
 があるのですが、それについては過去にアップした拙稿(別コラム)
 「society50に向けて 学び方革新と身につけたい能力①②③」をご参照
  下さい。

今回は今年の「大学入学共通テスト」の出題傾向の変化を分析しながら、
今後の教育の潮流を考察し、あるべき学習姿勢や向き合い方について
書いていきたいと思います。

出題傾向の変化:キーワードは思考力を問う出題の増加
①日常生活の場面からの出題
 日常的・身近な題材、高校の授業での調べ学習の場面設定での出題が
 目立った。理解の本質に迫る「なぜそうなるのか」を考える力を問う出題
 となった。
②文章量・資料数の増大
 文章量の増加とともに、表・グラフ等の複数の資料の読み取る問題が増え、
 文章読解力・資料読解力を問う問題が目立った。
③問題量の増加と解答数の減少
 2020年に比べ、読解力や思考力を問う問題が増えたことに伴い、問題の
 ページ数や1問の分量の増加等、実質的な問題量が増えた科目が目立った。
 試験時間内に多くの情報を読み取って、必要な情報を整理しながら解答
 する力が問われた。また、解答数が減少したため、結果として、1問あたり
 の配点が高くなり、1問のミスが大きなダメージを受けることにもなった。
④複数解選択問題の増加
「あてはまる選択肢をすべて選ぶ」という複数解選択の問題が今後の主流に
 なりそうです。ただし現在はマークシート処理の都合上「あてはまるものを
 過不足なく含む選択肢を選ぶ」問題に代替されている。同じ問題でも解答が
 幾つあるかわからないと難易度は相当上がります。より正確な知識や理解が
 必要となることは明白です。

英語
<形式>
 発音・アクセント問題や語句整序問題がなくなり、「読解」のみで構成された
 リーディング問題。単独で知識を問う問題はなくなり、すべて読解問題に。
 設問文も日本語から英語へ変更された。
<リーディング>
 実用性重視で出題傾向が最も様変わりした。複数の資料を整理しながら
 「事実」と「意見」を区別して理解していく力が求められた。素材文の総語数が
 大幅に増加した(約2800語⇒約4200語)。しかし実質解答数は減少した(48⇒39)
 ため、処理時間当たりの配点は高くなり、よりスピーディー、かつ正確に読解する
 ことが求められた。「英語は予想以上に大量で読み切れなかった」との声も聞かれ、
 速読解力の強化が急務となった。

<リスニング>
 主に語数、配点、設問数、読み上げ回数(1回読みが増加)が変化した。
 語数: 約1100語  ⇒ 約1500語、
 配点: 筆記200点、リスニング50点 ⇒ R100点、L100点(大学によって異なる)
 設問数: 大問4問・小問25問 ⇒ 大問6問・小問32問
 読み上げ回数: すべて2回読み ⇒ 6問中4問が1回読み
 1回しか読まない問題は、日本語でも難易度は高いのは言うまでもない。
 また4人の会話を聞き分けて、特定の一人の話者の意見を最もよく表している図表を
 選ぶ問題では、「4人で会話する問題は、だれが話しているかもわからなかった」
 「リスニングは難しすぎた」などの感想が漏れる。

国語
<ノート形式を用いた内容整理問題が出題>
 問題作成方針にある「情報を多面的・多角的な視点から解釈する」に則った出題。
 読解力≒情報整理力を問う形式が今後の主流になりそう。
<複数素材の読解問題が出題>
 全4問すべて(古文や漢文でも)複数素材の読解が課された。複数素材や資料を
 読み解く必要があるため、ある意味では因数分解的な(共通点と相違点を分解する)
 読み方や対比や言い換えを意識した読み方が求められた。また全体で8000字近い
 分量の文章を読み解く必要があるため、英語と同様よりスピーディー、かつ正確に
 読解することが求められた。

数学
<問題ページ数、設問数ともに増加>
「数学の問題発見・解決の過程」を重視した内容になっている。試験時間は10分
 伸びたが、それだけでは補いきれない負担となった。
<日常的な題材から数学的思考を問う出題>
 新学習指導要領の改訂等の動きと同様「具体的な実社会での設定の中で、数学を
 適用し解釈していく問題」(100m走で使わるストライドとピッチという用語の意味を
 読み取り、タイムとの関係を導く問題)、ある意味では読解力を問う問題と言える。
 日常と数学の連動を意識させる目的がありそう。その一方、従来から受験生の苦手
 としていた計算処理の要素は緩和され、その影響もあったのか、予想された平均点の
 落ち込みはなかった。

2021年度の特徴
 試行調査段階で難しすぎるとされた理数系科目の問題が大きく改善され、理科では、
 複数解選択の問題の減少や、センター試験と変わらない典型題の出題があったためか、
 全体の平均点を押し上げる結果となり、平均点は大きく変わらなかった。上位層は
 予想よりも高得点をとれたようで、国公立難関10大学への出願者が上昇した。

実用性重視英語への反応
「表面的な情報を速く大量に処理するだけの能力/反射神経を問うような出題」等の
 指摘が現場教諭や有識者から上がっているが、その賛否や是非をおいたとしても、
 英語教育改革と背景として「使える英語」に舵を切ったことに違いはなさそう。

※今回の共通テストは、あくまでも学習指導要領の変化を先取りした「第一次」
 大学入試改革。今後2022年から(2021年度の中3生)から、高校の教科書が順次
 変わっていき、学主内容や科目の再編成が行われ「歴史総合」「論理国語」などの
 新しい科目が登場してくる。2024年度(2025年共通テスト)には、受験科目や大学
 の個別試験などを含め、きわめて大きな変化が生じることが予想される。


以上が今年度の大学入学共通テストの特徴から見た入試の変化です。これを踏まえると
今後の入試で問われてくることを大きく3つに絞り込んで表現すると
 ①「読解力≒情報整理力の強化」
 ②「スピードアップ」
 ③「日常生活の中で興味・関心・思考を広げる習慣」≒「考えながら行動する習慣」

 ということになりそうです。①と②についてはこれまでの学習スタイルと大きく
 変わることないもので、同じ方向にさらなる強化をしていくことになると思います。
 ※速読解や速聴系のトレーニングはますます重要性を増してくるものと思われます。

 学習スタイルや方向性の抜本的なチェックを迫られるのは、③だろうと思います。
 「日常生活の中で興味・関心・思考を広げる習慣」とは、身近なもので、面白そうな
 ものを見つけ、少し立ち止まって考える習慣を持つ、ということ。その習慣があれば、
 勉強と感じることなく、興味・関心に従った探究活動に近い形で学習活動がしやすく
 なるものと思われます。主体的な学びという大方針に則った理想的な学びを体現する
 ためには、この習慣は欠かせない要素だとも言えそうです。

※これは効率的に勉強することとトレードオフ的(相反的)関係にあるかもしれません。
 「効率的に学習」することを是として推し進めてきたこれまでのスタイルとの整合性を
 確認する時期に来ているかもしれません。というのは、例えば、テストの出そうなもの
 をお膳立てし、カリキュラム化した「定期テスト対策」等は、定期テストという基準で
 言えば、効果的で無駄のない学習方法と言えますが、上記のような大学入試改革の流れ
 を考えると、長期的にみると「弊害」を生みだしかねないとも考えています。
 (効率的に学習することを否定する気は全くありません)

…ここまで自分で書いていて、ふと「考えながら行動すること」って!『普通やん』(笑)
 在り来たりで当たり前のことを、ことさら大袈裟に言っている印象が出てきました(笑)
 いろいろな分析は成り立つものの、やるべきことはごくごく当たり前のこと。
「自分で考え選択して行動を決める。そして最後までやる」これに尽きるように思います。

現在の複雑な社会においては、身の回りの事柄が増えてきたため、早い段階(小中学校)
で徹底したインプット活動に取り組み、それを通して自分に適した方法を獲得する。
そして、高等教育以降はそれをもとに、自分の興味関心に応じて自由に大きく飛翔する。
これが勉強する意味かもしれません。「大きく飛翔する」意味でも、日々の生活の中での
自分の気づき、興味・関心、思考・思索を大切にしていきたいですね。

今回も長々と書いてしまいました。お付き合いいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

伊藤研三

学ぶ楽しさに出会える場をプロデュースする専門家

伊藤研三(伸学塾 晴藍(せいらん))

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