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岡村善裕

食品衛生管理のプロ

岡村善裕(おかむらよしひろ)

中小企業診断士

コラム

2017年の食中毒発生状況及び主な食中毒事案

食品安全

2018年3月26日 / 2018年9月19日更新

 厚生労働省は、3月12日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会で平成29年食中毒発生状況及び主な食中毒事例を報告しました。

平成29年食中毒発生状況

 平成29年の食中毒事件数は1,014件(前年比125件減)、患者数は16,464人(3,788人減)で、二年連続で事件数、患者数とも前年を下回っています。
 患者数が500人以上の事例は、
  ①和歌山県の763人(1月、学校、磯和え、ノロウイルス)
  ②東京都の1,084人(2月、学校、きざみのり、ノロウイルス)
 の2件でした。
 死者が発生した事例は、
  ①足立区の1人(2月、家庭、蜂蜜、ボツリヌス菌)
  ②北海道の1人(5月、家庭、イヌサフラン、植物性自然毒)
  ③前橋市の1人(8月、飲食店、不明、腸管出血性大腸菌)
 の3件でした。

 原因施設別の事件数で最も多かったのは、
  ①飲食店(59%)
  ②販売店(5%)
  ③旅館(4%)
 そして、患者数が最も多かったのは、
  ①飲食店(49%)
  ②学校(16%)
  ③旅館(11%)
 でした。

 原因物質別の事件数が最も多かったのは
  ①カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(31.6%)
  ②アニサキス(22.7%)
  ③ノロウイルス(21.1%)
 そして、患者数が最も多かったのは
  ①ノロウイルス(51.6%)
  ②カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(14.1%)
  ③ウエルシュ菌(7.4%)
 でした。

カンピロバクター食中毒への対応

 平成29年に発生したカンピロバクター食中毒事例にて、都道府県等の報告に基づき集計したところ、約半数の事例は仕入れ品に加熱用表示があるにもかかわらず、生又は加熱不十分な鶏肉を提供していました。
 鶏肉・鶏内臓の加熱用表示の情報伝達における今後の対応として、過去の食中毒事例も踏まえつつ、事案の悪質性、組織性、緊急性、広域性等を総合的に勘案して カンピロバクター食中毒に対する告発の対応について自治体に通知しています。

大量調理施設衛生管理マニュアルの改正

 主な改正は、以下の通りです。
【原材料の受入れ・下処理段階における管理】
(新設)
 加熱せずに喫食する食品(牛乳、発酵乳、プリン等容器包装に入れられ、かつ、殺菌された
食品を除く。)については、乾物や摂取量が少ない食品も含め、製造加工業者の衛生管理の 体制について保健所の監視票、食品等事業者の自主管理記録票等により確認するとともに、 製造加工業者が従事者の健康状態の確認等ノロウイルス対策を適切に行っているかを確認 すること。
(改正)
 野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、流水で十分洗浄し、必要に応じて次亜塩素 酸ナトリウム等で殺菌した後、流水で十分すすぎ洗いを行うこと。
 特に高齢者、若齢者及び抵抗力の弱い者を対象とした食事を提供する施設で、加熱せずに 供する場合(表皮を除去する場合を除く。)には、殺菌を行うこと。

【調理従事者等の衛生管理】
(新設)
 調理従事者等は、毎日作業開始前に、自らの健康状態を衛生管理者に報告し、衛生管理者
はその結果を記録すること。
(改正後)
 調理従事者等は臨時職員も含め、定期的な健康診断及び月に1回以上の検便を受けること。 検便検査注7には、腸管出血性大腸菌の検査を含めることとし、10月から3月までの間には月 に1回以上又は必要に応じて注8ノロウイルスの検便検査に努めること。

注7:ノロウイルスの検査に当たっては、遺伝子型によらず、概ね便1g当たり105オーダーのノロウイルスを検出できる検査法を用いる ことが望ましい。ただし、検査結果が陰性であっても検査感度によりノロウイルスを保有している可能性を踏まえた衛生管理が必要であ る。
注8:ノロウイルスの検便検査の実施に当たっては、調理従事者の健康確認の補完手段とする場合、家族等に感染性胃腸炎が疑われ る有症者がいる場合、病原微生物検出情報においてノロウイルスの検出状況が増加している場合などの各食品等事業者の事情に応じ 判断すること。

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