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大竹光明

人事労務コンサルティングのプロ

大竹光明(おおたけみつあき)

社会保険労務士法人大竹事務所

コラム

「契約期間が残っているのに退職するって契約違反じゃないの?」

人事労務管理

2013年11月5日 / 2014年5月23日更新

「今月イッパイで退職したいんです。」

この言葉を社員さんからお聞きすると、皆様はどう対応されますでしょうか?
A:「これまで育ててやった恩を何だと思っているんだ!!認めん!!!」
B:「そっか・・・、残念だが仕方が無いな。」

Aを思い描かれた方が多いのではないでしょうか?

最近『ダンダリン』というドラマが放映されています。
竹内結子さんが演じる「労働基準監督官」と、賀来千賀子さん演じる「社会保険労務士」とが戦う場面も結構面白く私は見ております。
社労士がドラマで取り上げられるなんて非常に稀ですので、皆様も一度ご覧あれ。

先日は「退職を認めてもらえない」というテーマで演じられていました。
社長が手塩に掛けて育てたお蔭で「一流パティシエ」として認めてもらえる様になった(と社長が感じている)若い男性。
その方が、経営方針で社長と対立して「退職する」と申し出てきました。
それに対して社長は、「損害賠償請求」をちらつかせて対抗するというものでした。


さて、ここで今回のテーマに戻ります。
「期間契約で、雇用期間が残っているにも関わらず社員さんから『やめる』と言った場合、会社はその退職申し出を拒否できるでしょうか?」
答えは「拒否できない」です(原則)。
通常の期間契約の場合、「1年を経過すると」労働者は退職を自由にできると労働基準法で定められている事が根拠です。

では、「1年以内」の場合はどうでしょう。
その場合は「やむを得ない事由」がなければ、勝手に退職はできません。
例えば、その仕事を続ける事で身に危険がおよぶ、会社が給与を払ってくれない、病気やケガで働けない、などです。

それでは、経営者の「手塩に掛けて育ててやったのに!」という気持ちはどうすれば良いのでしょうか?
そこで出てくるのが「損害賠償請求」です。
その彼/彼女が突然引継ぎも無しに退職をする事によって、会社にとって大きな損失が発生する場合。
彼/彼女が会社の独自のノウハウを持って、競合他社に入社をしたり、自ら新しく事業を起こしたりする事で、その会社にダメージを与える事が発生する場合。
高度の専門知識を持った方を、あるプロジェクトのために雇用したが、途中で退職をしてそのプロジェクト自体が頓挫してしまう場合。

これらの場合には「損害賠償請求」ができる可能性がありますが、実際には非常に難しくございます。
結局は、退職を申し出た方に対して「説得」をするしか現実的には方法がないと言えます。

近い内に、労働に関する法制度が変わっていく事が報じられています。
どこまでのものになるか分かり兼ねますが、極端に『会社いじめ』となる法整備はやめて頂きたいものです。


【ご注意】今回記載の他にも条件は様々ありますので、詳しくは、社労士や労働基準監督署などにお尋ね下さい!

                                                     おおたけ

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