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大竹光明

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大竹光明(おおたけみつあき)

社会保険労務士法人大竹事務所

コラム

休職規定は万全ですか?

就業規則

2013年10月16日 / 2014年5月23日更新

休職制度は法律で定められた制度ではありません。
でも、実際には多くの会社で休職制度を設けています。

休職制度には「解雇猶予制度」という性質があります。
本来、労働者は労働契約により「労務を提供する」義務を負うこととなり、その義務を果たせない場合は「契約不履行」として「契約を解除」されます。
しかし、休職制度を取り入れることにより契約の即時解除を一定期間猶予しましょう、ということができます。

弊所でも就業規則の作成をする際には、休職制度の導入をお勧めしています。
ですが、休職制度は法律で定められた制度ではない「会社独自の制度」であるため、きちんと条文を整備しておく必要があります。

休職規定には、①休職の事由、②休職の期間、③復職に関すること、最低限この3つが盛り込まれていなければなりません。
とりわけ今日は、「③復職に関すること」にスポットを当てて考えてみたいと思います。

先日、ある会社の社長さんから相談を受けました。
その会社の規定は、「傷病が治癒した場合は復職させる」となっています。
私傷病で休職中の社員から、「予定より早く病気が治ったので、来月から出社できます」と連絡がありました。しかし、当初の復帰予定より5ヵ月も早く、会社ではその社員の復帰予定に合わせて契約社員を雇用しています。会社としては、当初予定していた期間はそのまま休職してもらいたいのですが、そのようなことは可能なのでしょうか。

実は、休職期間満了前に傷病の治癒を理由に社員が復職を申し出た場合に、復職を認めるかまたは会社の復職許可をもって復職とするかについては、就業規則の規定によります。
聖マリア学園事件(横浜地裁 S58.11.26)やエールフランス事件(東京地裁 S59.1.27)の判例に見られるように、「休職期間満了日以前であっても、当該休職事由の消滅または就業可能と認められるときは復職を命ずることができる」との規定は、客観的に休職事由が消滅した場合は休職期間満了前であっても当然に復職が認められるべきことを規定したものであること、よって労働者が傷病の治癒により復職を申し出たにもかかわらず使用者が復職を拒否する場合は、使用者は労働者の復職を容認できないことを説明する必要がある、としています。

ご相談のケースでは、会社は復職した社員の給与と契約社員の給与の二重の負担を強いられることになりかねません。ですが、休職規定に「休職期間満了日前に治癒した場合は、会社が復職を認めた場合に限り復職できる」旨を記載していれば、このような事態を回避することが可能になります。
是非、復職に関するルールをもう一度見直してみましょう。


ご相談等は「大竹社会保険労務士事務所」までお気軽にどうぞ!(http://www.e-jinji.jp/
                                           ○ようこ○

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