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日下加悦子

安心感の“根っこ”を育てる心理臨床カウンセラー

日下加悦子(くさかかやこ) / 公認心理師

一般社団法人S・E・T

コラム

自分らしく生きられない、40代女性の生きがいとは?

2020年1月13日

テーマ:母として、妻として生きてきた私

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

日本のお母さんは、朝ドラ「スカーレット」の主人公の喜美子の生き方のような女性が多い。ひとりで頑張る必要はないと言ってあげたくなる。多くの喜美子のセリフが今も心に残る。元居候の草間宗一郎が戦争で生き別れた妻と出会うも、他の男性と結婚している事実が分かった時、愛しているのに「手を繋ぐことより難しいことがある。」この言葉が深すぎた。人間模様がうごめくボタンの掛け違い。
お互い大切におもいやりをもって行動しているのに伝わらない夫婦、「違う」その一言がいえない、言葉を止める意味とは?一生懸命が伝わるから言葉にできない。男女の気持ち、受け取り方の違いをセリフが顕著に表している。これは受け取り・捉え方の違い、男女関係なく起きる現象でもある。演じる役者さんも素晴らし過ぎるね。思わずドラマの主人公になってしまう。○○ロスが発生するのが分かる。ドラマの中の誰かに自分の姿を重ねる。
時間が空くとひとりブラリとお茶することが好きな私。とても静かなcaféで本を読んでいると、「あれはない」と大きな声のご婦人たちの会話が聞こえきた。人間ウォッチングが好きな私は耳を傾けていつも思う。「健常な人はドラマの話は造りものと理解している。現実的に似たような出来事はある。でもそれはドラマと脇におき、それはそれで終わることができる。しかし心理的に疲れが溜まり過ぎていると、登場人物の誰かに重ねて、ドーンと疲れが増してしまう。」少し冷静になって考えてみよう。確かに自分の人生に似た物語であるけれど、その物語が流行るということは同じような人が多いということ。悩みことが起きた時、冷静に事実・感情・行動の整理ができるといいのだが。その感情は事実だけど、内容は事実とかけ離れていないか?ひとは感情があるからコミュケーションが円満にとれる反面、感情があるから間違ってしまう。時に自分を疲れさせる。
コミュケーションとは、感情・意思・情報など受け取り、伝えることができる能力。
しかし感情は自分を守り意思・情報を歪曲させる。知らない人には親切に教えるべき、出来る人がするべき、都合がいい受け取り方が出来るのもひとの能力です。本来の心理カウンセリングの役割は、一緒に感情・意思・情報を整理整頓することです。決して正しい・悪いと決めることをしない。あまりにこだわりが強く、偏りが強い時は自己開示をしながらクライアント様の考え方を理解し、自己理解を促す作業を繰り返す。答えを提供して欲しい時に怒りが湧いてくることもあるが、ここを一緒に踏ん張る。教えてばかりでは達成感が育つことはなく、依存関係を強化させてしまう。踏ん張る力は、同じ空間に居ながらも、クライアント様とカウンセラーの線引きを保ち、巻き込まれないカウンセリングを行う。コーチングをしてしまうとそれは本末転倒である。
違う意見を多数決で打ち消し、誰もが同じでないといけない発想に陥ると、物事は全てよい完璧な状態、それ以外は不完全で悪い状態しかないと受け止めがちになる。よい状態でなくなると一気に百点から零点になる、時にマイナス点になってしまう。現実の物事にはメリットとデメリットがあり、どんなものも混沌としている。逆にいえば悪いことにも良い面がある。実際、最悪な出来事に思えたことが、振り返ると大きなチャンスに繋がるということも、しばしば経験する。悪いことの中に良いことを見つけることができれば、それだけの適応力が育まれ、ピンチをチャンスに変えることが上手になる。逆転の発想を大切に物事のよい面を見つける練習ができると楽な生き方ができる。
気持ちのゆとりがコミュケーション力を高め、物事を達観するということもできるようになっていく。自分の視点から離れ、とらわれを脱することで、高い視点を手に入れることが叶う。ここを上手にスカーレットの物語は取り入れている。「自由は不自由や~」芸術家ジョージ富士川のセリフは、家族のためにやりたいことを封印して生きてきた喜美子にとって一番に困る言葉であり、好き勝手に自由に絵を描くように促されても、フリーズし「何を書いていいのか分からない」と、言葉にすることしかできない姿に、喜美子の人生が垣間見える。自由に子どもと一緒に絵を描くことでこころの蓋が外れ、父の死を悲しみ、涙する、その瞬間に封印が開放されたのであろう。夫が抱きしめてくれる。このような安心感を与える夫の役割を心理師がする。自分はひとりだ、誰も分かってくれないという、誰もが生まれた時からある甘えの気持ちを認め、安心感の根っこを育んでいくことで、自分の道を自由に進むことができる。
指示されて生きる道しか知らない、自由に動けない人ほど、相手に指示を与える習慣を身に着けてしまう。指示通りに生きることが価値になり、指示され行動している自分しか知らない環境で育ち、「イヤ」と言うことへの罪悪感を植えつけられると、それが正しいと思い込み、同じことを相手にしてしまう。自分の都合ばかり話す人が、自己理解すると、お互いの都合をすり合わせ作業を行うようになる。言い分を聞くべきという思考が発動されなくなる。自分はこんなに指示されて生きてきた、だからあなたもするべきとの深層心理が動くことがなくなる。
どんなことも、どんな時も選んだのは大人の自分。自由を選ぶことで責任が発生し、責任を背負う覚悟がないと、大人には「自由は不自由」。制約されている方が「ありがとう」と認めてもらうことが増えるという、このからくりに気がつき、やりたいことを明確に、目標達成日を決め。失敗を経験と頭を切り替え、あきらめず忍耐強く行動する。責任を背負う覚悟があれば自由を手に入れることができる。
さてスカーレットの主人公 喜美子の喜びとは何でしょうね。
黄色の菫の花言葉は「つつましい喜び」です。

この記事を書いたプロ

日下加悦子

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