マンション大規模修繕の実績25年超、管理組合にとことん寄り添うコンサルタント（2/3）

「夢のある話をしてくれた」　提案を喜ぶ住人の声で本格的に歩み始めた大規模修繕の道

　地元、大阪の大学で建築を学んだ松山さん。卒業後は、大手設計事務所や個人事務所に勤めます。設計のキャリアを積み、20年ほどがたった40代半ばの頃、自身が住むマンションで大規模修繕をすることに。「建築設計士だから」という理由で、修繕委員に選ばれました。

　「仕事では新築ばかりに携わってきましたから、『こんな世界があるのか』という感覚でしたね」。新鮮さを感じると同時に、ある問題にも気づきます。それは、建築の知識のない人たちで構成される管理組合は、どうしても業者の言いなりになりがちだということです。
　
　利益優先で前のめりに工事を進めていくのではなく、居住者に真に寄り添う業者が必要だ。そんな思いを抱いていたある日、知人から大規模修繕の案件を紹介されます。好機と捉えコンペに参加。より良い住まいになるようにと独自のアイデアを数多く盛り込んで提案したところ、管理組合から指名を受けたのです。
　「『夢のある話をしてくれたのは松山さんだけだった』と言っていただき、うれしかったですね」

　大規模修繕は傷みを直すだけでなく、今まで以上に快適な環境にするための機会になりうる。そんな実感と手応えを得て、本格的に取り組みます。

　「あるマンションでは、古びた共用トイレのリフォームを提案しました。特に女性は抵抗があるでしょうし、予算内で収まりそうだったので。予定外の『おせっかい』をすることもありますが、実際住人にも来訪者にも喜んでもらえているようで、よかったなと感じています」

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