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小堀將三

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小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

双子転落事故 子どもから目を離さないのは無理!

2023年4月28日

テーマ:その他

コラムカテゴリ:住宅・建物

 先月起きてしまった、2歳の双子の男の子が転落した原因がわかりました。子供の転落事故で多いのは、リビング等の掃き出し窓を出たバルコニーの柵を乗り越えてしまったことによるものですが、今回の双子の場合は、床から80㎝にある腰窓からの転落でした。腰窓の下から窓の高さ4分の1程度のところに手摺が設けられていましたが、窓の側には80cmほどの棚があり、その棚の側には押しつぶされた段ボール箱あったようで、まずはこの段ボール箱を足掛かりとして棚に登り、そして棚から窓に移り手すりを乗り越えてしまったようです。その時、母親は別の部屋で家事をしており、父親は寝ていたそうで、両親の目が双子から離れていました。

 「親なら子どもから目を離すな!」と指摘されることが多いですが、ある専門家の方は、「親にもご飯を食べたり、トイレに行ったりする時間があるわけだから、目を離すなっていう指摘はズレてる。一方で、そうした時に事故が起こるのも事実だ。だから“目を離してもいい環境”を作るしかない。」と言っています。確かにそうだと思います。大人が思う以上に子供がよじ登る能力があります。「Safe Kids Japan」が発表したベランダの手すりに関する実験結果を見ますと、次のような割合でよじ登れることがわかりました。
【3歳児】
120㎝の柵:65.7% 
130㎝の柵:20.0%
140㎝の柵:00.0%
【4歳児】
120㎝の柵:72.5% 
130㎝の柵:50.0%
140㎝の柵:27.5%
【5歳児】
120㎝の柵:90.2% 
130㎝の柵:82.9%
140㎝の柵:73.2%
 たとえバルコニーの柵の側や窓の側に足掛かりになるものがなくても、子供は自分で棚や椅子を持ってきて、自分の興味関心で動いて乗り越えてしまいますので、やはり“目を離してもいい環境”を作るしか防ぐ方法はないのかもしれません。絶対に子供の手が届かない箇所に補助錠を取り付ける、窓が10センチ程度しか開かないようにストッパーを使用する、または子供が窓に近づくと反応するアラームの設置などの対策が必要だと思います。これから季節がよくなり、ますます転落事故が起きやすくなりますので、是非注意していただきたいと思います。

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