マイベストプロ大阪
小堀將三

充実したマンションライフを支えるマンション管理士

小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

マンション管理に関する「質問主意書」の2件目

2020年6月30日

テーマ:管理組合

コラムカテゴリ:住宅・建物

 前回に引き続き、マンション管理に関する「質問主意書」の2件目です。
 北方領土視察中に酒癖の悪さで暴言を吐いて物議を醸しだした、日本維新の会からNHKから国民を守る会に移籍した丸山穂高衆議院議員の「質問主意書」です。前回同様、そのままお知らせしたいと思います。

タワーマンションの維持管理等に関する質問主意書提出者 
  丸山穂高(NHKから国民を守る党)

<質問>
一 タワーマンションの大規模修繕に要する費用の実態
 1 タワーマンションについては、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要であること、共用部分の占める割合が高いこと等により、修繕工事費が大きい傾向にあると指摘されているが、政府として、タワーマンションの修繕工事費の実態について把握しているのか。把握しているならば、その金額についてタワーマンション以外のマンションとの比較の上で回答されたい。
 2 タワーマンションの建築が活発に行われるようになったのは、比較的最近のことであるため、エレベーター等の機械設備や配管設備等の更新を行った事例は限られており、それらに要する費用の実態については必ずしも十分な知見が蓄積されていないことが考えられる。また、一口にタワーマンションといっても、最高階数の違い等により、修繕工事費には大きなばらつきがある可能性もある。これらに鑑み、政府はタワーマンションの修繕工事費の実態把握を継続的に行うととともに、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(国土交通省、平成二十三年四月)を適時に改訂する必要があると考えられるが、政府の見解を問う。
<一の1回答>
国土交通省が平成二十九年に実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、マンションの大規模修繕工事における1戸当たりの工事金額(消費税相当額を除く直接工事費に限る。)は、二十階建て以上のマンションにおいては約百三万円、三階建て以下のマンションにおいては約百十四万円、四階建て以上五階建て以下のマンションにおいては約八十七万円、六階建て以上十階建て以下のマンションにおいては約九十九万円、十一階建て以上十九階建て以下のマンションにおいては約九十四万円となっている。
<一の2回答>
マンションにおける修繕工事費については、政府としては、今後も継続的に調査を行い、実態把握に努めてまいりたい。また、ご指摘の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」については、政府としては、引き続き、当該ガイドラインの周知徹底に努めるとともに、必要に応じてその見直しを検討してまいりたい。

<質問>
二 修繕積立金の積立ての現状
 1 平成三十年度において、計画上の修繕積立金の積立額に対して、積立額が不足しているマンションの割合は三十四・八%であり、さらに不足の割合が二十%超のマンションが十五・五%にも上るとされる。この状況の是正に向けた政府の取組方針を問う。
 2 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、修繕積立金の積立方法について、増額時に合意形成ができない懸念がある段階増額積立方式ではなく、安定的な積み立てができる均等積立方式が望ましいとしている。しかしながら、実際には、築年数が新しいマンションほど段階増額積立方式を採用している割合が多く、平成二十二年以降に完成したマンションにおけるその割合は六十七・八%にも上る(平成三十年度)。この理由として、新規分譲時の積立方法を決定する分譲事業者が、購入予定者にマンションの維持費を極力低く見せるために、段階増額積立方式を採用しているとの指摘がある。また、購入予定者が均等積立方式を望んでいたとしても、多くの分譲事業者が段階増額積立方式を採用しているために、選択の余地が小さくなっていることも考えられる。この状況を是正するには、購入予定者への啓発のみでは不十分であり、分譲事業者に対して安定的な積み立てが可能となる方式を積極的に採用するよう要請すべきではないか。新規分譲時の修繕積立金の積立方法の是正に対するこれまでの取組及び今後の取組方針を問う。
<二の1回答>
政府としては、マンションの修繕積立金が不足することがないよう、長期的かつ計画的に積み立てられていくことが重要であると考えているところ、国土交通省において、平成二十年六月に「長期修繕計画作成ガイドライン」(以下「長期修繕計画作成ガイドライン」という。)を、平成二十三年四月に一の2について述べた「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を、それぞれ策定し、公表しており、引き続き、これらの周知徹底に努めてまいりたい。
<二の2回答>
長期修繕計画作成ガイドラインでは、「長期修繕計画の作成者(分譲事業者及び管理組合)は、本ガイドラインを参考として、長期修繕計画を作成し、これに基づいて修繕積立金の額の設定を行います」、「修繕積立金の積立ては、長期修繕計画の作成時点において、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする積立方式・・・を基本とします」、「分譲事業者は購入予定者に対して・・・修繕積立金の積立方法について十分に説明することが必要です」等とされているところ、政府としては、引き続き、分譲事業者を含め、長期修繕計画作成ガイドラインの周知徹底に努めてまいりたい。

<質問>
三 計画期間二十五年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を設定しているマンションの割合は、平成三十年度において五十三・六%である。この数値について、「住生活基本計画(全国計画)」(平成二十八年三月閣議決定)は、平成三十七年度(令和七年度)に七十%とする目標(成果指標)を掲げている。しかし、長期修繕計画に基づき修繕積立金を積み立てることは、適時適切な修繕実施の確保のための最低限の前提であり、令和七年度に七十%という目標は十分なものとは言いがたい。令和七年度に七十%という目標としたのはなぜか、回答されたい。また、この数値については可能な限り早期に百%を達成すべきものであり、強力に施策を推進する必要があると考えるが、政府の見解を問う。
<三の回答>
お尋ねの成果指標については、過去の実績等を勘案して設定されたものであるが、政府としては、それぞれのマンションの長期修繕計画に基づき、当該マンションの修繕積立金が計画的に積み立てられていくよう、引き続き、長期修繕計画作成ガイドライン等の周知徹底に努めてまいりたい。

<質問>
四 適時適切な修繕の実施には、区分所有者間の円滑な合意形成が不可欠であるが、意識、価値観、経済力等が異なる所有者間で合意形成を図ることは容易ではない。とりわけタワーマンションにおいては、高層階と低層階の住戸に大きな価格差があることや、投資目的の区分所有者が少なくないといった特性により、一般のマンション以上に合意形成が困難であると指摘されている。これらに鑑み、タワーマンションの特性を踏まえた合意形成を促進するためのガイドライン等が必要であると考えるが、政府の見解を問う。
<四の回答>
政府としては、国土交通省において、御指摘の「タワーマンション」など様々なマンションを念頭に置きながら、管理組合によるマンションの管理規約の制定又は変更の際の参考となるマンション標準管理規約や、管理組合の管理者等としてマンション管理士等の外部専門家を活用する際の留意事項等を示す「外部専門家の活用ガイドライン」の策定等を通じ、マンションの管理に係る合意形成の円滑化を図ってきたところであり、引き続き、これらの周知徹底に努めてまいりたい。

<質問>
五 タワーマンションは、平成九年の「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律」(平成九年法律第七九号)による規制緩和等によって、職住近接の都市構造を実現する等の観点から、政策的にその建築が後押しされてきたものである。他方で、タワーマンションは、周辺の地域社会に大きな負荷を与えることや、将来における維持管理の難しさといった様々な課題を抱えている。また、我が国は人口減少下にあり、空き家の増加が社会問題となっていることなどから、新築中心の住宅市場の在り方を見直す必要性がつとに指摘されているところである。これらに鑑み、政府は、既存のタワーマンションについては、適切な維持管理がなされるよう必要な施策を講じるとともに、その一方で、これまでの規制緩和路線を見直し、新規のタワーマンションについては、建築の抑制に舵を切るべき時期に来ているのではないかと考えるが、政府の見解を問う。
<五の回答>
御指摘の「既存のタワーマンション」の「維持管理」については、政府としては、引き続き、御指摘の「タワーマンション」を含めたマンションの管理の適正化を推進するため、マンションの管理に係る各種のガイドライン周知徹底及びこれらの必要に応じた見直しに努めるなど、必要な施策を講じてまいりたい。また、御指摘の「新規のタワーマンション」の「建築」については、御指摘の「規制緩和路線」の意味するところが必ずしも明らかではないが、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律(平成九年法律第七十九号)による改正内容等を踏まえ、それぞれの地方公共団体において、適切に判断されるべきものと考えている。

 この丸山議員の質問主意書の内容については、特に第1回目の大規模修繕工事の竣工後に、長期修繕計画の見直しを行うときに、いつも痛切に感じることです。ほとんどのマンションが、見直し後には大幅に修繕積立金を値上げせざるを得ない状況となっています。
 質問主意書の二の2の中の「多くの分譲事業者が段階増額積立方式を採用しているために、選択の余地が小さくなっていることも考えられる。この状況を是正するには、購入予定者への啓発のみでは不十分であり、分譲事業者に対して安定的な積み立てが可能となる方式を積極的に採用するよう要請すべきではないか。」とありますが、もし、段階増額積立方式を採用するのであれば、購入予定者への啓発ではなく、段階増額積立方式のメリット及びデメリットを必ず説明しなければならないよう義務化を図っていただきたいと思います。この説明も分譲事業者が行うのではなく、第三者のマンション管理士等にさせるようにしてもらいたいと思います。また、均等積立方式を積極的に採用するようにではなく、分譲時には必ず均等積立方式で採用すること、絶対に段階増額積立方式を採用してはならない制度にしていただきたいと思います。
 段階増額積立方式を採用して得をするのは分譲事業者であり、購入予定者にとっては少しも得にはなりませんし、後々区分所有者になって大変な目に合うだけです。また、適時適切に大規模修繕工事が実施できるようにするためにも、国は、早急に、均等積立方式採用の義務化を検討していただきたいと思います。

 マンション管理に関する「質問主意書」の1件目

主な業務内容はこちら
主な業務実績はこちら
ギャラリーはこちら

この記事を書いたプロ

小堀將三

充実したマンションライフを支えるマンション管理士

小堀將三(マンション管理士事務所JU)

Share

関連するコラム