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小堀將三

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小堀將三(こぼりしょうぞう)

マンション管理士事務所JU

コラム

今回の地震でのエレベーター閉じ込めについて

防犯・防災

2018年6月25日 / 2018年8月9日更新

 大阪府北部で震度6弱を観測した地震が発生して今日で1週間が経ちました。被害状況が徐々に判明したなかで、特記すべき事項として、エレベーターによる閉じ込め件数が東日本大震災(2011年)より多かったことではないでしょうか。東日本大震災の時には210件でしたが、今回の地震では約1.6倍の339件の閉じ込めがあり、揺れを検知するとその場で停止するものや、地震時管制運転装置がない旧型エレベーターで多発しているようです。地震時管制運転装置の導入は、2009年の建築基準法施行令で義務づけられており、現在では国内の約7割のエレベーターに備わっています。地震時管制運転装置について少し説明しますと、地震の揺れには、はじめの揺れのP波(初期微動)と、あとに続く大きな揺れのS波(主要波)との2つの波があります。それぞれの地震加速度が建物の高さ等で定められており、標準型のエレベーターでは、P波感知器は2.5Grlで、S波感知器では8.0Grlで設定されています。ちなみに8.0Grlは、およそ震度5弱以上の揺れです。地震時管制運転装置がはじめの小さな揺れのP波を感知しますと、大きな揺れのS波が来る前にエレベーターを最寄りの階(一番近い下の階)に自動停止させます。その後、S波が小さい場合には自動的に運転を開始し、大きな場合には運転を休止させて、技術員による復旧作業を待つことになります。
 揺れを感じたらすぐに全ての階のボタンを押して、止まった階で降りて下さい。万が一にもエレベーターに閉じ込められた場合の対処方法ですが、エレベーターには外部と連絡がとれるインターホンが装着されていますので、まずはそれで救助を要請して下さい。インターホンがつながった時点で、どのエレベーターからの連絡かが分かる仕組みになっていますので、携帯電話ではなく必ずインターホンで連絡して下さい。そして救助を待つようにして下さい。扉を無理にこじ開けようとしたり、天井からの脱出を試みるようなことは決してせずに、落ち着いて、ひたすら救助を待ってください。

 今回の地震で、国土交通省が随時発表している災害情報によりますと、第5報(6/18 15:00)では、163件の閉じ込めが発生して25件が救出中でした。ということは、地震発生時間が午前8時でしたから、25件は7時間以上もエレベーターに閉じ込められたままだったという事です。しかし、それでも今回はかなり早く救出できたそうです。関西電力の発表では、地震発生から3時間以内には送電が再開されたとのことで、停電の解消が早かったこと、また道路がそれほど損傷していなかったことが大きな要因のようです。
 今回でも7時間は閉じ込められていたことを考えますと、長時間閉じ込められた場合のトイレについても考えておく必要があります。勿論食料もそうですが、食べる方は何とか我慢が出来ますが、トイレは我慢できません。エレベーターの中にも最低限の防犯グッズ(簡易トイレ・防寒グッズ・救急用品・非常食等)を用意しておく検討を、早急に管理組合で行っておく必要があるのではないでしょうか。

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