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小堀將三

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小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

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コラム

マンションベランダからの子供の転落事故 第2回

2018年5月12日 公開 / 2018年5月14日更新

テーマ:その他

コラムカテゴリ:住宅・建物


 東京都の「商品等安全対策協議会」が発表した「子供のベランダからの転落に関する事項情報」の分析(事例145件:マンションのみではなく戸建て住宅なども含む。)で、まず年齢別では2歳児が最も多く、次いで3歳児、4歳児となっており、この2歳から4歳で全体の46.2%を占めています。性別で見てみますと、男児は103件で女児の42件の約2.5倍です。
 次に事故につながった動作を「手すりなどがなくて落ちる」、「手すりの上を超える」、「手すりを押し倒す(強度不足)」、「手すりなどの隙間をすり抜ける」、「不明」の5つに分類すると、不明が圧倒的に多く119件なのですが、それ以外の26件中23件が「手すりの上を超える」でした。そして「手すりの上を超える」23件の事故のきっかけを見てみますと、「足がかりとなるものを置く」が7件と最も多く、次に「手すりにもたれ掛かる」、「手すりの上に腰掛ける」、「故意に乗り越える」となっています。
 足がかりとなったものとしては、「室外機」が一番多く、その他に「物干し台」、「布団」、「台」、「プランター」があります。

<室外機の例>
自宅3階寝室で、保護者と入眠の準備をしていた。双子の兄弟がいて、その子が眠そうにしていたので保護者が隣の部屋で寝かしつけるため児のそばを離れていた間の事故。外で「ドスン」という音がして、自宅前の路上を確認すると、倒れている児を発見した。普段
は窓を3重にロックしているが、その日は1重で、それは児が自分で開けられるようになっていたので、開けてベランダにでてしまった模様。室外機の上に乗っかり、そのまま下に転落した。(入院見込み日数:約6日間)
<物干し台の例>
自宅ベランダで遊んでいた所は保護者が確認している。その後、ベランダ下のひさしに落下した模様(高さ2m)。落ちたところの目撃者はなし。音に気付いた保護者が駆け付けると立位で泣いていた。築50~60年の家で2階に今風のベランダとは違う、物干し台がありそこで保護者と遊んでいた。エアコンの室外機や踏み台はなかったが物干し台が木材で作られていて手すりまでが横格子になっていて梯子の様になっており児はそれを上って手すりにお腹を乗せていた(鉄棒の前転する前の状態)。保護者がちょっと目を離した隙に転落した。転落した時の目撃者はいないが、物干し台から前転して一階の屋根に落ちて(約120cm)ゴロゴロ転がり(保護者が音を確認)地面のコンクリートに落ちた模様。(入院見込み日数:約3日間)
<布団の例>
2階のベランダに兄妹3人でおり、干してあった布団に妹がよじ登った際に兄が妹をくすぐり布団と一緒に約4mの下の地面に転落した。
<台の例>
自宅の2階のベランダで台に乗って遊んでいたところ、ベランダの柵を飛び越えて転落した。下はコンクリート。
<プランターの例>
親族の自宅2階ベランダから転落し、頭部を骨折した。目撃者なし。地面コンクリート。プランターが壊れていた。

 子供がベランダにいたのは、「ベランダで遊んでいた」が最も多く、次に「別室にいたが、子供が一人でベランダに出た」でした。そして保護者の知らないうちにベランダの手すりを乗り越えてしまって事故が起きています。次回は、この「手すり」の安全基準についてお話したいと思います。

マンションベランダからの子供の転落事故 第1回
http://mbp-japan.com/osaka/mankan-ju/column/32086/
マンションベランダからの子供の転落事故 第3回
http://mbp-japan.com/osaka/mankan-ju/column/32140/

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