マイベストプロ大阪
小堀將三

充実したマンションライフを支えるマンション管理士

小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

大規模修繕工事にかかわる国土交通省からの通知 その2

2017年1月30日 公開 / 2017年6月15日更新

テーマ:大規模修繕工事等

コラムカテゴリ:住宅・建物


前回の国土交通省からの通知内容における、別紙1及び別紙2は次のとおりです。

別紙1 <指摘されている事例>

・最も安価な見積金額を提示したコンサルタントに業務を依頼したが、実際に調査診断・設計等を行っていたのは同コンサルタントの職員ではなく、施工会社の社員であったことが発覚した。コンサルタント(実際には施工会社の社員)の施工会社選定支援により同施工会社が内定していたが、発覚が契約前だったため、契約は見送られた。なお、同コンサルタントのパンフレットには技術者が多数所属していると書かれていたが、実質的には技術者でない社員と事務員一人だけの会社であった。
・設計会社が、施工会社の候補5社のうち特定の1社の見積金額が低くなるよう、同社にだけ少ない数量の工事内容を伝え、当該1社が施工会社として内定したが、契約前に当該事実が発覚したため、管理組合が同設計会社に説明を求めると、当該設計会社は業務の辞退を申し出た。このため、別の設計事務所と契約し直したところ、辞退した設計会社の作成した工事項目や仕様書に多数の問題点が発覚し、全ての書類を作り直すこととなった。
・一部のコンサルタントが、自社にバックマージンを支払う施工会社が発注できるように不適切な工作を行い、割高な工事費や、過剰な工事項目・仕様の設定等に基づく発注等を誘導するため、格安のコンサルタント料金で受託し、結果として、管理組合に経済的な損失を及ぼす事態が発生している。

別紙2 <取組事例>

○利益相反的な提案をしてきた設計会社を除外して選定した事例
・管理組合において、公開資料に記載の実績等を基に3社に見積りを依頼し、設計会社を決定。3社のうち2社は、設計費は安価だったものの、工事とセットでの契約が条件となっており、かえって高額になるため、選定されなかったもの。
管理組合において、新聞・雑誌・経験上の知識などの情報を基に15社に見積りを依頼し、うち7社から見積りが提出され、金額・内容・実績等を勘案し、上位2社に絞り込んだ。工事項目の絞り込みなど工事費の削減に向けた提案を行った施工会社を管理組合が決定。

○施工会社を公募など透明な形で募集し、理事会における投票・審議など公正な手続の下で決定した事例。
・設計会社は、公募及び紹介に基づく13社のうち、5社に関して管理組合の担当役員が個別面談を行い、予算超過であった最高値の会社と、設計業務を十分に行えないと考えられる額であった最安値の会社を除外し、3社に絞り込み、組合員で設計に詳しい者と相談しつつ、理事会の過半数賛成となるまで、理事会投票を数次重ね決定。
施工会社は、管理組合からゼネコン6社に提案を依頼し、書類審査により3社に絞り込み、理事会投票を数次重ね決定。
・設計会社は、管理組合において、従前から理事会のアドバイザーに就任していたマンション管理士の協力を得ながら、管理組合団体や他の管理組合からの紹介に基づき候補5社に選定し、提出された見積金額・実績・会社規模等を勘案して1社に絞り込み、定期総会で承認。
施工会社は、専門紙で公募し、5社に現場を案内した上で、見積金額・実績・工事内容・会社規模・アフターケアー等を勘案して管理組合の担当役員が1社に絞り込み、臨時総会で承認。

★大規模修繕工事にかかわる国土交通省からの通知 その1
  http://mbp-japan.com/osaka/mankan-ju/column/29782/

この記事を書いたプロ

小堀將三

充実したマンションライフを支えるマンション管理士

小堀將三(マンション管理士事務所JU)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の住宅・建物
  4. 大阪の住宅その他
  5. 小堀將三
  6. コラム一覧
  7. 大規模修繕工事にかかわる国土交通省からの通知 その2

© My Best Pro