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小堀將三

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小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

消火器と消火栓

2016年12月6日 公開 / 2017年1月21日更新

テーマ:設備関連

コラムカテゴリ:住宅・建物

空気が乾燥して火災が発生しやすい季節になり、マンションで防災訓練が実施される時期になってきました。防災訓練では、初期消火が非常に大事という事で、住民の方に実際に消火器を取り扱ってもらうことが多いです。初期消火とは、出火の初期段階で、付近にいる人などが消火器や消火栓で消化作業を行い、火災による被害を最小限に食い止めるための消火活動です。火災が発生したときは慌てずに、まず周囲の人に知らせ、消火できるようであれば、消火器や消火栓で初期消火を行います。ただし屋内の出火の場合には、炎が天井やカーテンなどに燃え移ると消火が非常に困難になってしまいますので、その場合は速やかに避難して、119番通報するようにしてください。
万が一火災が発生したときに困らないように、消火器の種類、そして有効使用期限を確認しておいてください。また消火器の本体には、その種別に応じて白(A普通火災)・黄(B油火災)・青(C電気火災)のマークが表示されており、この3つのマークは、消火器の適応する火災の種類を示しています。一般的には3つのマークが表示されているABC型の消火器ですが、一度ご自分の目で確かめておいてください。
消火栓を実際に使用する消防訓練は殆どありません。マンションでは主に共用廊下に屋内消火栓が設置されており、万が一の時には誰でも使用できるのですが、消火栓の種類によって使用方法が違いますので、ご自分のマンションの屋内消火栓が下記のどのタイプの消火栓かを是非確認してください。
屋内消火栓は大きく分けて1号消火栓と2号消火栓の2種類があります。違いは、1号消火栓が二人で使用するのに対して、2号消火栓は一人でも使用できることです。また1号消火栓は大水量(130リットル毎分)の放水により、全ての用途の火災に利用が可能ですが、2号消火栓の方は放水量を下げていますので、工場や倉庫の火災には利用できませんし、ホースが短いので、15mごとに設置する必要があります。以上が主な違いですが、一人でも使用可能で大水量を放水できる易操作性1号消火栓があります。通常の1号消火栓と易操作性1号消火栓の見分け方は、ホースの収納状況を見れば分かります。

消火栓

ホースが折りたたんで収納されているのが1号消火栓で、固いホースが巻かれて収納されているのが易操作性1号消火栓です。それぞれの使用方法は次のとおりです。
【1号消火栓】
・発信機のボタンを押す。
・消火栓ボックスの扉を開け、ノズルを取り出し、ホースをすべて引き出す。
・1人はノズルを持ってホースを伸ばし、火元に駆けつけ、放水体勢をとる。
・もう1人は開閉弁の前で待機し、ホースが伸びて放水体勢がとれたことを確認する。
・開閉弁を開放し、放水を開始する。
【易操作性1号消火栓】
・消火栓ボックスの扉を開け、開閉弁を開放する。
・ノズルを持ち、ホースを伸ばして火元に駆けつけ、放水体勢をとる。
・ノズルの先端をひねり、放水を開始する。

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