マイベストプロ大阪
待谷忠孝

ニッチな市場へアプローチする差別化戦略コンサルタント

待谷忠孝(まちたにあつよし) / 経営コンサルタント

AM Consulting

コラム

士業の差別化

2019年7月21日

テーマ:経営戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

中小企業診断士以外の士業には独占業務があります。
しかし、独占業務があれば食べていける、独占業務をやっていれば儲かるということではありません。

例えば、○○士であれば誰でも問題なくこなせる、誰でもやっているという業務であれば、依頼する側も「誰でも良い=安い人に依頼したい」ということになってしまいます。
その結果、報酬単価の相場がどんどん下がってきているといった先生方も多いのではないでしょうか。

やってはいけないこと

一番やってはいけないことは、業務範囲を広げるということです。

士業はそれぞれ専門的な業務領域があります。
しかし、専門領域以外は素人です。

素人が自分が得意ではない領域に手を出したとしても、その領域のプロに勝てません。
当たり前だと思うかもしれませんが、「これなら自分でもできそう」といった感じで、専門領域以外の業務をやろうとしている、あるいはやっている先生も多いのではないでしょうか。
万が一受注したとしても、専門外(素人)の仕事ですから、たいした付加価値を提供できないばかりか、クライアントに対して損害を与えてしまう可能性があります。

例えば、企業の状況を踏まえて就業規則を作る必要があるから社会保険労務士という専門家がいる訳です。
労働基準法や雇用保険法などの知識がない他の士業でも、ネットで拾ってきたテンプレートを使って就業規則の体裁だけは作ることはできるかもしれません。
しかし、必要な法律の知識に基づいて作っていない訳ですから、テンプレートでカバーしきれない、その企業の特有の問題が発生した場合、トラブルになる可能性が高いことは言うまでもないでしょう。

やるべきこと

やるべきことは、業務や対象を絞った差別化です。

以下の例をご覧ください。
AとBそれぞれお一人でされている弁護士で、両方とも同じぐらいのキャリアだとします。
ご自身が顧問弁護士を探している経営者だとしたら、どちらと契約したいですか?

A弁護士:相続、離婚、後見、自己破産・任意整理、刑事事件、事業承継・M&A、契約書作成、契約書のリーガルチェック、企業再生、どのようなことでも私は対応できます。
B弁護士:企業法務に特化しています。契約書の作成とリーガルチェックが最も得意です。

いかがでしょうか?
A弁護士は色々手広くやっている分、企業法務に関してはB弁護士の方が長けていると考えて、契約するならB弁護士ということにならないでしょうか?

何でもできる、何でもやっているというのは特定の課題に対して第一候補になりづらくなります。
そして、士業に依頼するときは、依頼者が何らかの課題を抱えている時です。

業務以外でも、飲食業に特化した○○士、IT業に特化した△△士といった、対象の絞り込みも可能です。
該当する業種からすると、自分の業界について詳しくない人よりも、詳しい人の方が相談しやすいと考えるのは自然ではないでしょうか。

対象とする業種は自分が勤めていた経験がある、よく知っている業種が良いでしょう。

最後に

業務や対象を絞るのが怖いと考える先生方も多いかと思います。
確かに絞ると市場は小さくなりますが、そもそもそれ程大きな市場が必要なのでしょうか?

市場が大きくなればなるほど競合が増えます。
相手よりも知識やスキルがないのに、多くの競合と競争をして勝てるのでしょうか?

競合のいない自分が一番になれる専門領域で、特化したノウハウや知見を得て、より高い付加価値を提供することで確実に顧客を獲得していく。
これこそが専門業務を持つ士業の経営でしょう。

この記事を書いたプロ

待谷忠孝

ニッチな市場へアプローチする差別化戦略コンサルタント

待谷忠孝(AM Consulting)

Share

関連するコラム

待谷忠孝プロのコンテンツ