マイベストプロ大阪
待谷忠孝

ニッチな市場へアプローチする差別化戦略コンサルタント

待谷忠孝(まちたにあつよし) / 経営コンサルタント

AM Consulting

コラム

今後成長が期待できる市場への参入リスク

2019年7月14日

テーマ:経営戦略

コラムカテゴリ:ビジネス

今後成長が期待できる市場に参入しようと考えている中小企業の経営者様もいらっしゃるかと思います。
確かに、企業の成長において、時流をうまく掴むということは重要なことです。

しかし、成長が期待できる市場には、多くの企業が参入しようとするため、競合が多い競争環境が激しい市場になります。

市場が大きくても、市場参入している企業の数が多ければ、一社あたりのシェアは小さくなってしまいます。
そのため、競争に勝つために相応の人的リソースを割いたり、広告宣伝費などを投じて、シェアを拡大しようとする訳ですが、それによってどのようなリスクが潜んでいるのかを把握しておかないと、市場参入の成功確率は下がってしまいます。

では、どのようなリスクが考えられるでしょうか?

儲からないリスク

儲かりそうな市場なのに儲からないとは矛盾があるように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、禅の問答でも、なぞなぞでもありません。

「利益=売上-費用」です。
仮に売上が高くても費用が大きければ利益は小さくなりますし、売上はそこそこでも費用が小さければ利益が大きくなることもありえます。

競合が多い市場において、競合との競争に勝つために価格を下げるということはよくあることです。
自社は価格を下げる気がなくても、競合が価格を下げたために顧客を奪われまいと価格を下げざるを得ないということもありえます。

また、価格同様に競合が広告宣伝に費用を投じているのであれば、広告宣伝に費用を投じざるを得ないでしょう。
広告宣伝費も市場の大きさや競争の激しさに応じて多くなりますので、通常の市場よりも費用が大きくなるでしょう。

つまり、費用を投じた割に売上が十分ではない、あるいは費用が大きいために利益が小さかったといった、骨折り損のくたびれもうけということが考えられます。

既存市場を失うリスク

新規市場に参入するには準備や、競争に勝ち抜くために相応のリソースを割く必要があるというのは前述した通りです。
中小企業はリソースに乏しいため、新規参入する市場にリソースを割くことで、既存市場に対して十分な対応ができなくなる懸念があります。

その結果、既存市場でのチャンスをつかみ損ねたり、シェアを失う、つまり二兎を追うものは一兎も得ずとなってしまう可能性も考えられます。

最後に

うまく市場の成長の波に乗って、急成長した企業はたくさんあります。
しかし、成長市場に参入したら無条件で成長した訳ではありません。

・先行者優位を生かした
・シェアを獲得するための潤沢なリソースがあった
・既存の事業とのシナジー効果があった
・他社が取り切れない隙間を狙った
・運が良かった

……など、「成長市場に参入した」以外の条件を満たしたからです。

成長市場に参入を検討されている経営者様いらっしゃったらお伺いします。
競争の激しい市場を乗り切るための条件をどれだけ満たせる見込みがあるでしょうか?
新規参入を勝ち目の薄いギャンブルにしないためにも、一度ご検討ください。

この記事を書いたプロ

待谷忠孝

ニッチな市場へアプローチする差別化戦略コンサルタント

待谷忠孝(AM Consulting)

Share

関連するコラム

待谷忠孝プロのコンテンツ