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待谷忠孝

ニッチな市場へアプローチする差別化戦略コンサルタント

待谷忠孝(まちたにあつよし) / 経営コンサルタント

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コラム

おかしな報道(経営を行うにあたって持っておきたい知識②)

2019年7月6日 公開 / 2019年7月7日更新

テーマ:経営全般

コラムカテゴリ:ビジネス

経営者様やビジネスマンの方々は、ビジネスに生かすために政治や経済のニュースをご覧になられている方もいらっしゃると思われます。

しかし、ニュース記事を書いている人、報道の製作者がちゃんとした知識を持っているとは限りません。
そういったものの中で、よく目につく2つの例について書きます。

内部留保に関する記事

今月の21日に第25回参議院議員通常選挙が行われますが、内部留保への課税、内部留保を給料にということを公約に掲げている政党もあります。
ざっと検索してみたところ、2015年ぐらいからメディアでさかんに使用されるようになったようです。

結論から言うと、内部留保というものを現金(あるいは預金)と勘違いしています。
だから、「内部留保に課税」「内部留保を吐き出す」「内部留保を給料に回す」といった表現をするのです。

内部留保とは現金ではありません。
これに関しては、分かりやすく解説しているサイトがたくさんありますので、そちらに譲ります。
内部留保+誤解」で検索するとすぐに見つかりますので、一度ご覧ください。

さて、経済ジャーナリストという肩書の方の記事で、内部留保が現金であるかのように誤解をしている記事を見たことがあります。
意味を知っているのにわざと現預金という意味で書いているのか、意味を知らないのに書いているのかは分かりませんが、いずれにせよ内部留保を現預金だとして書かれた記事は、おそらく読み手に取って意味のない記事であろうかと思われます。

企業の倒産に関する記事

「○○株式会社が破産手続を開始した…負債総額は××億円だった。」というように、企業の倒産のニュースには負債総額が併記されることが多いです。
倒産の記事に負債総額を書く理由は分かりませんが、企業の倒産と負債額は直接関係ありません。

上場企業ならwebサイトで決算情報を公開していますので、お好きな企業の貸借対照表を見てみてください。
例えば、トヨタの2019年3月期の決算書によると、負債額が30兆円あります。
このように、大きな企業であるほど、規模に伴って負債額も大きくなるのが普通です。

そもそも論ですが、負債額だけを見ても企業の状態を判別することはできません。
貸借対照表の他の部分(資産、自己資本)と損益計算書(売上、費用)も併せて見る必要があります。

例えば、負債が1,000億円ですが、現金で1兆円持っているのであれば危険だと思いますか?
負債は1,000億円ですが、税引き後の利益も1,000億円であれば、1年で(全額返済するかどうかはともかく)完済できますよね。

企業が倒産する理由は、現金の不足(によって支払いができなくなること)です。
むしろ、金融機関から融資を受け続けて、支払いをすることができるのであれば、企業は倒産しません。

最後に

いかがでしょうか、無知によるものなのか意図的なものなのかは分かりませんが、見当違いな内容の報道がなされることは事実です。

これら2つに関して言えば、簿記3級やビジネス会計3級程度の知識があれば、おかしいことが分かるはずです。
正しく情報を得るためにも、経営者なら経営やマーケティング、会計に関して知識を備えることをお勧めいたします。

この記事を書いたプロ

待谷忠孝

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待谷忠孝(AM Consulting)

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