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杉浦直樹

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杉浦直樹(すぎうらなおき)

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コラム

成長発展する企業かどうかがわかる5つのポイント「経営五観」

経営戦略

2018年4月19日



仕事がらいろんな企業を訪問します。ベトナムなど海外の企業であっても、日本企業の本社であっても、だいたい最初に一歩踏み入れてすぐに直感として、この企業は成長発展しているかどうかがわかるようになってきました。もちろん、企業診断助言においては、財務分析の基本である損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書のいわゆる3つの財務諸表を一目見るだけで、、だいたいほとんどの経営課題は浮かび上がってきます。現場では何が起きているのか、日常どういう管理をしているのか、このままではこの会社はどういう事態に陥るのか、そして今何をすぐに取り組まなければならないかについて、5分あれば的確に指摘し、助言することができます。

当然、金融機関の方や税理士の方々も同様に財務診断が可能です。ただ、財務諸表からは人の顔が見えないのです、人がどういう気持ちで働いているかはわからないのです。またどうやれば成長発展していくか、どうやったら販売を伸ばせるかもわかりません。一方、社労士や行政書士においても、その専門分野からの経営課題は理解できますが、企業が成長発展する経営戦略の観点からの助言は大変難しいです。

包括的観点からの経営コンサルティングによる診断助言を得るには、中小企業診断士が一番カバレージが広いと思います。認定支援機関としては金融機関や弁護士、税理士であればほぼ自動的に登録が可能ですが(どういうわけか中小企業診断士は別途長期間の研修を受けないと認定支援機関として認められていないというのは大変不思議です)、よく聞くのは現在の認定支援機関は金融支援については頼れるが、事業計画の戦略立案や顧客開拓、マーケティング戦略などではあまり頼ることができないというものです。中小企業診断士であれば、経営戦略の観点からの財務、人事労務、組織戦略・人材育成、法務・リスクマネジメント、販路開拓、マーケティング戦略など総合的に支援を行えるスキルと経験があります。ただ、弁護士や税理士、社労士などと比べると圧倒的に人数が少ないので、企業としては他社に先駆けてうまく診断士を取り込んで活用することができれば総合的な成長発展につなげることができると思っています。

診断士の直感(五観


包括的に企業診断助言ができるとは言え、専門分野では弁護士や税理士、社労士、行政書士などの能力にはかないません。ある面中途半端な存在でもあり、企業によっては専門能力はそんなに高くないではないかと失望される方もおられるやに聞いています。しかし、診断士の多くは様々な企業を見てきており、かつ診断助言の豊富な経験があります。その経営診断を的確に行う直感があります。今までの経験上、日本企業、外国企業問わず、私自身は次の5つのポイントを見れば、財務諸表でわからない経営課題についてほぼ直感で把握できます。またこの直感はだいたい当たっています。この5つの観点から企業経営を見たとき、素晴らしいと感じたところはほぼ間違いなく成長発展している企業です。企業経営者にとっても自社の足元を見る視点として参考にできると思います。

① 正面玄関

当たり前といれば当たり前なのですが、常に顧客重視の経営をやっているかどうかが典型的に表れてくるのが玄関です。お客様をお迎えするにふさわしい作りとなっているか、訪問されたお客様に会社の思いを伝えたいという思いが掲示物などに表れているか、たとえ受付がいなくてもお客様にとっての案内が適切かどうか、そして一番大事なのは、ちきんと掃除が行き届いているかどうかが非常に重要です。社長自身がお客様のお出迎えに気を使っているかどうかは一歩足を踏み入れた瞬間にわかります。

② トイレ

以前のブログにも書きましたが、お客様が使うトイレが快適かどうか、清潔かどうかはこれも大変重要です。トイレの清掃やメンテナンスを外部委託に任せっぱなしにして、社長自身がチェックすることなく、中が汚れていたり匂いが充満しているような企業は顧客や社外の関係者を軽視している経営となっているところが多いものです。私も企業を訪問させていただいたときには、覆面調査ではありませんが、用足しがしたくなくてもとりあえずトイレをお借りしてチェックするようにしています。

③ 倉庫

経営課題の多くはだいたい財務諸表に表れてきますが、その財務諸表のさまざまな問題が集中しているのが在庫であり、また経営管理が行き届いているかどうかは、倉庫を見れば一発でわかります。倉庫が整理整頓されていないところは、まず経営資産の管理ができていません。違算は必ず頻発していますし、そういったところは帳簿と実在庫はまず一致していないだけでなく、一致させるための行動もとっていないところがほとんどです。倉庫の在庫管理が行き届いていない会社は、ほぼ全体の経営管理はぼろぼろと言ってもよいでしょう。これもぐるっと倉庫を一周して見学するだけでわかってきます。

④ 社員の声・表情

職場の第一印象は大事です。お客様が事務所に現れても、だれも振り向かずひたすらパソコンに向かって黙々と仕事をしている企業は案外多いものです。またそういったところほど社員の表情はかなり暗いのです。こんな職場で顧客第一で自由闊達な組織運営ができるとは思えません。私がもし取引先として商談するべく訪問したとき、このような雰囲気でしたらすぐにビジネス関係を見直すことでしょう、企業によっては、お客様重視の理念が徹底していて、お客様がカウンター越しにお見えになられると、事務所内の社員全員が立ち上がり、大きな声で「いらっしゃいませ!」とあいさつされるところもあります。また本社では挨拶ができていなくても、ベトナムなど海外の子会社では、素直に社員教育を通じて挨拶の大切さについて教えているところでは、大きな声であらゆるところでは気持ち良い挨拶を受けるところが多いものです。

⑤ 社員の歩くスピード

社員の声の大きさ、表情とともに私が注視していることがあります。それは社員の歩くスピードです。社員がてきぱきと歩いているということは、自分がやるべき仕事を瞬間瞬間でわかっており、行動も素早く対応しているということの証しです。だいたい社内をだらだらとゆっくり歩き、緩慢な動作で仕事をしている会社では、社員は仕事に対して集中しておらず、仕事中の無駄口も多く、だいたい生産性はかなり低いといってもほぼ間違いありません。自由闊達でかつ効率よく仕事を進めている職場では、社員は走るとまではいかなくても、歩くスピードが相当速いのが一般的です。

以上5つのポイントに分けていますが、要素的には①から③は5Sが徹底できているかどうか、そして④と⑤は闊達な職場環境・風土であるかどうかと直結している視点です。私はこれらを「五感」というよりも、「経営五観」としてその最初の印象を非常に重視しています。③の倉庫以外の点については、正式の診断報告書には書きにくい項目ばかりですが、経営問題の深層は財務諸表よりもむしろこの「経営五観」に隠れていると思っています。

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