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杉浦直樹

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杉浦直樹(すぎうらなおき)

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コラム

ピザが大好きなベトナム人向けに成功した日本人経営レストラン

ベトナム

2018年4月11日



意外かも知れませんが、ベトナム人はビザが大好きです。彼らは毎日フォーを食べているわけではありません。確かにピザは一般のベトナム人にとってはかなり高いものです。いくら物価水準が低いとはいってもラージサイズのピザで1000円以上しますので食べられる人は限られています。でも、最近では町のいたるところにビザレストランができ、ピザの宅配が気軽に頼めるようになりました。よく会社で誕生日会を行われるのですが(まず日本の職場ではその習慣はほぼなくなりましたね)、だいたいバースデイケーキとピザを何枚か、そしてコーラなどの飲み物を注文するというパターンが増えているようです。ピザが嫌いであまり食べないという人はあまり見かけませんでした。ショッピングモールに入っているピザを提供するレストランも結構人が入っていますし、所得がだんだんと上がってくるに連れて、ベトナム人の食事に対する嗜好も変化してきているような印象を受けます。

大成功した4P PIZZA


ベトナムに詳しくない人はわからないと思いますが、今、ベトナムで大成功している日本人経営のイタリアンレストランがあります。ベトナム在住の日本人、益子陽介氏が2011年にホーチミンに「Pizza 4Ps(ピザフォーピース」を出店、その後出資パートナーを得て一気にベトナムの3大都市で店舗を拡大、今ではホーチミン、ハノイ、ダナンの3大都市で計6店のレストランを経営し、連日押すな押すなの大盛況です。

ベトナムのピザレストランといえば、世界的なピザチェーンであるピザハットやドミノピザ、他にはAL FRESCOとかPEPPERONISなどが有名で、私もベトナム在住時には、毎日日本食ばかりというわけにはいかないので、ピザレストランで昼食などのお世話になっていました。もともと、ベトナム人はフランス植民地時代の影響でパン製品に馴染みのある人が多く、ピザ以外にもベーカリーショップが多くありましたので、台頭する中間層向けにピザ文化がさらに受け入れられる素地はあったわけです。

益子氏はもともとピザの職人ではなかったのですが、2004年に東京の自宅で初めて自宅の庭に薪をくべるピザ釜を設置し、毎週末友人たちと自分たちのピザを作る経験をして、美味しい食事をいい空間で出せば人を幸せにできるんだと気づき、7年後に日系投資会社の従業員としてベトナムに住んでいたときに、ベトナムの台頭する中間層の可能性に賭けてみようと一念発起されたのがきっかけだったようです。

益子氏の先見性や短期間に一気に事業拡大するビジネス展開能力の凄さにも関心しますが、特にベトナム人に受け入れられたことが最大の成功要因のように思います。2011年にホーチミンで貯金をはたいて第一号店を作り、10人で始めた会社は今や700人のベトナム人正社員と13人の日本人従業員を抱えるまでに急拡大。当初の顧客の9割がベトナム駐在の日本人とその家族だったのが、今や7割がベトナム人顧客です。

他の大手ピザチェーンと何が違うのか


私もベトナム出張時にはほぼ一回は立ち寄る機会があります。ただ問題があります。いつ行っても満席なのです。いっときは3週間先の予約が取れないとまで言われていたようですが、ディナータイムに予約なしに食事をすることはほぼ無理です。必ず予約することをお勧めします。先日も前日に予約しようとしたら4時前もしくは9時以降と言われてしまいました。ハノイの繁華街に2店舗あるのですが、予約なしに来て時間待ちで店の周りを多くの人が並んでいるのです。最近では特に西洋人の観光客が口コミサイトを見て食べにくるのが増えているようです。

確かにここのピザは美味しいです。日本のイタリアンレストランやピザチェーンで食べられるピザと比べても全く遜色がないどころか、それ以上といっても良いでしょう。だいたい海外で日本食を食べにいっても、まあ味はそこそこというのが精いっぱいで、中には日本食もどきというものもあります。しかし、ここのピザは日本でもなかなか食べられないレベルといっても良いのではないかと思います。もちろん、他のピザ屋が提供するマルガリータや普通の伝統的なスパゲティのメニューもあります。その競合メニューでも味は勝っていますし、より特徴的なのは創作的サラダであったり、甘いデザートピザなどの特徴ある品ぞろえに加え、素材を直接農家に依頼したり、イタリアから高品質のものをベトナムで調達できています。特にモッツァレラチーズを独自に作るため、ベトナムで牧場と自分の牛を購入して独特のこだわりの牛乳の品質を確保することで、ベトナム人の間でも驚きをもって受け止められ、ユニークな味わいを提供していることが評判を呼んでいるのです。店舗もいかにもイタリアンといった風情でなく、落ち着いたシックな内装で高級レストランの雰囲気を醸し出しています。つまり味も雰囲気も今までベトナムにはなかったものです。もちろん他のピザチェーンよりはお値段は高いですが、倍というほどでもなく、高級感のあるピザレストランとして満足度が高いのです。

この4Psのベトナムでの事業成功のストーリーは、日本企業の海外展開での成功要因について様々な示唆を与えてくれています。

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2018-10-12
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