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杉浦直樹

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コラム

求められるグローバル経営人材とは

海外経営

2018年3月12日 / 2018年3月13日更新



企業は次世代に何を残せるか?


まだ正式にはお知らせしていませんが、現在初めての書籍を出版する準備を進めています。おそらく今月中には出版されると思います。題名は、「次世代につなぐ中小企業の海外経営~国内引きこもり経営では生き残れない」です。中身の詳細は後日紹介したいと思いますが、少子高齢化の影響が加速する日本企業の問題点、特にこのままでは中小企業の存続が危ぶまれる事態を直視し、次世代に事業を継承することこそが、今を生きる我々産業人たるものの使命であるという思いから、事業承継問題から焦点を当てたストーリー仕立てで書きました。

私自身、会社での業務であらゆる書類や資料を大量に作成しましたが、一つのテーマに沿って一冊の本として世に出すのは初めてのことです。今回の執筆活動を通じていろいろと勉強することができました。知らずしらずのうちに難しい専門用語を使っていたり、基本的な日本語の使い方や、一般の人にもわかりやすいストーリーの流れや章の構成、参考資料の引用の仕方や、出版にはどれだけの費用とステップがかかるのかと大変貴重な経験となりました。実際、どれだけ売れるかどうかは全くわかりませんが、書籍は世の中に形として残り続けます。私の数十年のライフワークの中で、一つの爪痕というか人生の証を残すことができたのではないかと思っています。

本のメインテーマは、少子高齢化によって今後確実に国内市場は縮小し、かつ既に労働力確保がもう悲観的状況になりつつある日本において、今の日本企業がこのまま国内に留まっていては生き残れないという危機感を課題としてあげました。今後日本企業が成長発展しているには、海外市場を舞台に海外の人材を活用して事業を継承発展させていくことこそが企業の社会的責任です。そのためにはグローバルに通用する人材をいかに輩出していくか、そのためにどのような人材を確保し育成していくべきかについて問題提起をした内容になっています。

昨今の事業承継の問題は、ややもすれば企業オーナーの個人資産をいかに次の後継ぎに継承させるかという税務対策で捉えられるケースが多く、公的機関の事業承継相談も、税理士などが中心になって対応されておられるレベルであり、日本経済の継続の危機という観点から、いかに次世代に事業を承継し、技能やノウハウを守っていくかという観点か弱いように感じています。このままでは日本経済の基盤となってきた中小企業のモノづくりは衰退してしまう一方です。

求められるグローバル人材とは


海外を舞台に成長発展するしか未来はありません。しかし、まだ8割以上の中小企業は海外とは関わらない事業に留まっています。その一番の問題はやはり「ヒト」に行きつきます。中小企業に限らず、中堅・大企業においても、海外経営を牽引するグローバル経営人材の確保、育成は十分にできているとはいえません。

多くの日本企業における海外人材確保の実態としては、海外に出向する社員は経営の幅広い分野に精通する知識と経験が求められるにも関わらず、多くは経営経験の乏しい人材が赴任されていますし、大企業ですら海外人材の層が薄く、後任者選任に課題が多いのが実態です。いろんな企業のお話を伺っても、きちんとグローバル人材育成の体系的な研修のしくみを構築されているところは稀であるばかりか、どのような人材を確保して育てなければならないかとの意識もあまりないところが多いようです。

グローバル経営人材には5つの求められる能力が必要だと考えています。

① 経営運営能力
当たり前ですがマネジメント能力を身につけていない人はそもそも海外に赴任させるべきではありません。どういう組織管理をしていけば良いのか、少なくとも海外勤務社員は全員、財務・経理の基礎知識を持っていなくては話にならないのです。

② 課題形成・判断力
海外では日本での常識が通用しません。想定外の問題やリスクが日々顕在化します。常に問題の本質を見極め、適切な経営判断を下す能力は最低限備えておくべきです。

③ 人材育成能力
海外責任者に一番必要な能力と言っても良いでしょう。海外では個人能力だけではどうにもなりません。いかに人を育て、組織として力を発揮するか、人づくりと人を活かす経営ができる能力が重要です。均質化した日本の労働力を前提にしたマネジメントでは限界があるのです。いかに人に頑張ってもらえるかが鍵です。

④ リーダーシップ・行動力
海外現地社員が日本人出向社員の資質、能力を見極めるのは組織を引っ張る力です。現地社員から信頼されない日本人出向社員は海外事業を引っ張ることができません。

⑤ 異文化コミュニケーション能力
語学力は二の次です。グローバル経営人材にとって最も根幹となるのがコミュニケーション能力です。外国語ができることがコミュニケーション能力があるという意味ではありません。他の4つの能力を束ねる異文化適性は絶対に欠かせません。どんなに高度な経営管理能力があっても、異文化コミュニケーション能力がない人材では使い物にならないのです。

つまり、グローバル経営人材を育成し、海外経営を牽引していくには、最も重要な異文化コミュニケーション能力を基盤とし、マネジメント能力とリーダーシップ能力を備えた人材をいかに育成していくか、これにつきます。そのためには、自社だけのノウハウでは不十分です。できる限り他のグローバル企業の人材育成とマネジメントの知見を取り入れ、体系化したグローバル経営人材育成のシステムを導入することが求められるのです。



 

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