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栗谷和昭

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栗谷和昭(くりたにかずあき)

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コラム

社会福祉法人の財務諸表、ネット公開を義務付けへ

社会福祉法人 財務会計

2014年8月29日 / 2016年10月14日更新

社福は財務の透明化に努め、国民への説明責任を果すべき

税制上の優遇措置を受け、税金が入っている社会福祉法人が、法人運営・財務の透明性確保に積極的に努めるのは当然であろうと思います。
しかし、現状は、ほど遠いものがあるように感じます。


一例として、新会計基準への取り組の鈍さがあげられます。
社会福祉法人の会計には、元々、複数の会計基準が存在し計算書類は分かり難いものでした。これを、全ての法人に単一の基準を適用することにより、透明性を高めようということで、平成24年度から新基準が施行されました。新基準への移行には4年の猶予が与えられていました。(当初、移行猶予期間は2年でしたが様々な抵抗を受け4年になった。)
ところが、2年を経過した25年度決算時点で、3割しか移行していないのではないかと言われています。

実際何割が移行したのか私には分かりませんが、私の事務所で実施した新会計基準移行セミナーで、新基準への移行時期をアンケートで回答してもらったところ、26年度、27年度に移行するとか、移行時期不明という法人が多かったのは事実です。
私は、アンケートを見ながら、“社福のヤル気”に疑問を感じました。


また、財務の透明性確保のため、平成25年5月、厚生労働省が全国の社会福祉法人に、24年度の財務諸表をホームページや広報誌で公表するよう要請したのですが、25年7月時点で公表した法人は全体の52.4%であったということです。(社福の在り方等に関する検討会、H26/6/16)
このため、厚労省は26年4月から、財務諸表の公開を義務づけるとした通知を出しました。
 (参考文献「社会福祉法人の認可について」の一部改正について H26/5/29)   
公開の「要請」では埒が明かないから、「義務」にする。
なんとも情けない話です。

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様々な優遇措置を受けている社会福祉法人は、国民目線にしっかりと向き合うべきではないでしょうか。このことは、社会福祉法人の存在意義にもかかわる重要なテーマです。


社福が、その利害関係者である国民・地域住民に、財務内容を明らかにするということは当然のことです。法人の財務情報は、地域住民が利用したい施設を選択するときの判断材料となります。また、情報の公開は、法人間の業務提携などを促す要因になると思います。

財務内容の説明責任は、更に重要です。何をどう説明するかは、法人経営者の能力に関わる問題です。当期の資金差額はなぜこんなに残ったのか? だぶついている当期末残高はどう使うのか? また逆に、なぜ赤字になったのか? 赤字の改善見通しは?・・・
当然、説明のつかないお金を貯め込んでいる法人には、国民の批判が集中するでしょう。

財務の透明化と説明責任は、法人運営の透明化、ガバナンスの改善を促進するものと思います。このことは、法人の体質を強化し、より豊かな福祉サービスを国民が享受できる社会につながるものと信じます。

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