石田宙子プロのご紹介
しきたりや心のありようについて学べるマナー教室(2/3)
各コースは1回のレッスンで1つの所作についてじっくり学ぶ割り稽古
テーブルマナーや立ち居振る舞いなど各コースとも1回の稽古は90分。前半45分間は座学で、作法に込められた意味やあるべき振る舞い方などを学びます。後半は実践に移るのですが、特徴的なのは1回につき1つの所作について学ぶ割り稽古である点。テーブルマナーを例にとると、初回はサラダだけ、次回はスープとパンだけ、といった具合です。和食の場合は、まずはおみそ汁とご飯とお漬物だけを用意し、ご飯のつまみ方から指導するそう。
「いきなりフルコースの作法を学んでも、最後のデザートの時には、前菜のいただき方をどう教わったのか忘れてしまいます。やった気にはなるけれど、意外と身に着きません。コース料理も懐石料理も、実は日常の基本的な動きを見直し、あとはちょっとお勉強するだけで、大丈夫なんですよ」
テーブルマナーは「美しく食べられればOK」ではありません。会話して、周りの人を気遣って、お料理を味わう。意識をさまざまな方向に向けながら正しい作法で食事を進めることが大切で、きちんとやり遂げるには知識を持ち、それを自分の体で覚えておく必要があります。だからこそ石田さんは、一つ一つの基本をしっかり教え込むのです。
「人前で恥をかきたくない」「所作を美しく見せたい」。多くの生徒は最初、『自分』がどうしたいかを考えてサロンのドアをノックします。しかし、石田さんからレッスンを受ける中でマナーの本質に気付き、次第に「一緒に食事をする人に楽しんでもらいたい」「同席する人に嫌な思いをさせたくない」と人のことを思う心が養われていきます。
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