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廣岡保彦

労基署・年金事務所などの調査対策のプロ

廣岡保彦(ひろおかやすひこ)

廣岡社会保険労務士事務所

コラム

過労死?

残業代

2014年1月15日 / 2014年5月23日更新





さて前回の、終業後の自由時間は「大目に見てしまう」というのは、事業主としては、かなりリスクが大きい例があったのでご紹介します。


ある会社の社員Aさんは、毎日早朝に出勤して、トラックに商品を積み込み、近県の取引先に商品を配達し、早ければ午後3時ごろには戻って来るという業務に就いていました。


この部門は、配送が終われば帰っても良いのですが、Aさんは「3時や4時に帰ったら小学生みたいだ」と言って、休憩室で缶コーヒーを飲みながら同僚と話したり、会社の駐車場で趣味のラジコンカーを走らせていて、6時とか7時になると帰宅していたそうです。

そんな毎日でしたが、Aさんのタイムカードは、業務が終わったときではなく、実際に家に帰る前に打刻していたそうです。

つまり、タイムカードだけ見れば、毎日3時間から4時間の残業をしているように見えるのです。


配送業務というのは、相手先に着いても、先に他社のトラックが荷を下ろしていたりすると、場所が空くまでその場で待っていたり、途中の道路で渋滞にかかったりするので、会社としては長時間の勤務にならないように、つまり、最後の配送先にも遅くならないように、比較的短時間で回れるルートに小分けしていたそうです。


またそのような事情ですので、残業手当についても、時間の細かい計算をせずに、一律に「運転手当」としてある程度の金額を払っていたのです。運送業にはありがちな給与形態です。

ですから手取りはそれほど悪くなく、Aさんは特に不平を漏らすことなく勤めていたそうです。



ある夏の日 突然、Aさんが自宅で就寝中に亡くなりました。
心筋梗塞だそうです。40歳代でした。


当初、会社は、同様のルートには女性運転手もいるくらいで、特にハードな部署ではないので、過労ということは考えていませんでした。

特にこのAさんは、就職して2か月なので、心臓に隠れた持病かなにかがあったのだろうと思っていました。


ところが、ご家族は、「ウチのおとうさんは、毎朝早く出て行って、夜まで働いている。働き過ぎだ。」となったのです。
過労死だと言うわけです。

そして労災申請がなされました。


調査の結果、直前の月平均の残業時間が厚生労働省の基準を超えるという認定となりました。タイムカードと異なる時刻を主張するなら、証拠を出しなさいということになりました。


ラジコンカーで遊んでいたということも、会社の幹部は誰も知りませんでした。
死亡後に、他の従業員に聞いて初めて知ったような状態でした。


会社は、まったく時間の管理が出来ていませんでした。

キチンと時間の管理をして、残業時間に応じた手当を計算していれば、もっと早く、彼がムダに残っていたことが分かったのに、と思われます。



虚血性の心疾患は、長期間にわたる過度のストレスなどによって発症するそうです。


確かに、車の運転はストレスがかかります。
しかし、Aさんは前職も運転だったそうで、他の人よりも慣れていたのではないでしょうか?

また、Aさんは、この会社に就職するまで、何ヶ月もの間、職がなく失業手当をもらいながら、求職活動をしていたそうです。

それも大きなストレスではないでしょうか?


就職後わずか2か月で亡くなったAさんには、お気の毒というよりほかありません。


しかし、会社の側に立って考えると、わずか2か月で過労死するほどのストレスを与えたのか?という疑問が湧いてきます。


労災は認められました。
それはそれでAさんにとっては良いことだとも言えます。


労災が認められたということは、会社に落ち度があったということにほかならないのです。


つまり、労災保険から給付されない、または足りない損害、主に慰謝料的な金銭は会社が払わなければなりません。

Aさんの場合、約8000万円が追加で請求されました。

ご家族にすれば、会社に殺されたという感情すらお持ちでしょうから…。



このコラムは、「時間管理を怠ってはならない」という一例としてご紹介したもので、多少のアレンジをしております。

また、私は会社側からの情報しか手に入れられなかったので、会社側からの見解を述べたものにすぎないことをお断りしておきます。



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充分注意はしていますが、思わぬ勘違い、書き間違い、記憶違いなどがあるかも知れません。お気づきになりましたらご一報頂ければ幸いです。

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年金事務所・監督署などの調査対策のプロ
社会保険労務士 廣 岡 保 彦(ヒロオカ ヤスヒコ)

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